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OpenAI o1 pro mode検証:マンガを読み、感情の流れを評価できるか

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〜1月15日 22:30

先日の記事で、o1 pro modeにマンガのネームを評価させることを試みたのですが、結果は微妙でした。

このあと色々検証した結果、o1 pro modeの推論そのものに早々に制限がかかったというよりは、大量の高解像度の画像をアップロードしたことにより、一時メモリの容量オーバーで添付ファイルの受付に制限がかかった、ということはわかりました。

ただ、それによって思考期間が極端に短くなり、推論能力も著しく落ちた実感があったことから、おそらく推論能力にも何らかの影響を与えていたのだろうと思います。


今回は、同じ失敗をしないために、画像をある程度小さく(具体的には長辺1080pxのjpg画像)に変換して、マンガの原稿から、o1 pro modeが出来事と登場人物の感情、意思、行動を分析して、読者体験について評価することができるかを試みました。

結果、ある程度可能であることがわかりましたが、完璧とまでは言えず、アプローチの改善とプロンプトの改善が必要だと結論付けました。

以下に検証の設計と、実際の入出力を示します。

まず冒頭から8ページを示して、振り返りを行います。冒頭8ページだけでもどんなことができるかはわかると思うので、更に詳しい内容が知りたい方は有料部分を読み進めてください。


検証の方法

検証は、Xで行ったo1 pro modeへの質問募集にエントリーいただいた「(マンガのネームの)感情の流れが適切か否か?感情表現の壁打ちとして使えるのか?も知りたいです」に対する検証として設計しました。

ストーリーの中の「感情の流れ」の分析

ストーリーの中の登場人物の感情の動きを単純化すると

  • 何か出来事がおき、登場人物はそれを体験する

  • 出来事に対して、登場人物の感情が反応する

  • 登場人物が自分自身の感情に更に反応する形で、内発的な感情(いわゆる)が喚起され、何か行動を起こす

と表せます。

これを一つのモジュールとしてエピソードが組み立てられ、エピソードの連続がストーリーになっている、と考えることができます。

マンガの原稿を4ページずつo1 pro modeに読ませて、これらの要素を説明させて、まずはテキスト情報に変換しました。

実際に用いたプロンプトは下記です。

入力された一連の漫画の原稿を分析して、視覚から情報を得ることが難しい人のための音声による説明のための原稿を脚本形式で出力してください。
各シーンで、セリフや効果音の他に、下記の情報を漏らさず説明してください。

- そのシーンの状況
- そのシーンで発生している出来事
- キャラクターの出来事に対する反応(感情、動作、言動)
- キャラクターの意思
- キャラクターの行動


テキスト化された「感情の流れ」の評価

次に、テキスト化されたマンガの中の感情の流れを、次の指標にしたがって評価させました。

  • 状況描写 : そのシーンの環境、配置、出来事などの状況が活き活きと描かれ、鑑賞者に視覚的な刺激と必要な情報を提供しているか

  • 登場人物の感情描写 : 登場人物が、そのシーンの状況の中でどのような反応を示しているか、表情、動作、感情などが活き活きと描かれ、鑑賞者の共感を喚起しているか

  • 登場人物の意思と行動 : 登場人物がどのような動機で意思決定をし、どのような行動を起こしているかが活き活きと描かれているか

  • 次のシーンへの期待 : 鑑賞者が、次のシーンを見ずにはいられないような、カタルシスを期待させる要素、新しい状況を予期させるもの、感情的なフックが意図的に仕込まれているか

実際に用いたプロンプトは下記です。

次のシナリオを分析して、各シーンのクオリティを評価してください。
評価指標は下記の通りです。

- **状況描写** : そのシーンの環境、配置、出来事などの状況が活き活きと描かれ、鑑賞者に視覚的な刺激と必要な情報を提供しているか
- **登場人物の感情描写** : 登場人物が、そのシーンの状況の中でどのような反応を示しているか、表情、動作、感情などが活き活きと描かれ、鑑賞者の共感を喚起しているか
- **登場人物の意思と行動** : 登場人物がどのような動機で意思決定をし、どのような行動を起こしているかが活き活きと描かれているか
- **次のシーンへの期待** : 鑑賞者が、次のシーンを見ずにはいられないような、カタルシスを期待させる要素、新しい状況を予期させるもの、感情的なフックが意図的に仕込まれているか

これらの要素が漏れなく含まれ、鑑賞者の共感を喚起し、擬似体験に引き込み、感情を揺さぶり、インサイトを強く刺激することを高く評価します。

不足する要素、あるいは過剰である要素があれば厳しくレビューし、批判して改善案を示してください。

レビュー全体は長大になってかまいません。省略したり、忖度せずに、完全かつ網羅的なレビューを提供してください。

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拙著「光射すへや」の完成版原稿を4ページずつ、上記の分析→評価の2段階で処理しました。
結果を以下に記します。


検証結果-P1-8

P1-4

原稿

1
2
3
4

分析

## シーン1
**状況:** 薄暗い室内。窓際に木製の椅子があり、若い女性が長いドレスを身に着けて座っている。  
**出来事:** 女性は「エレノア…」と呼びかけながら、誰かを探すように窓の外へと意識を向けている。  
**キャラクターの反応・意思:** 女性は不安そうな表情で、顔に手を添えながら、言葉少なに相手の存在を問いかけている。  
**キャラクターの行動:** 椅子に腰かけたまま、窓の方向を見る。言葉を発し、「そこにいるのか…?エレノア」と繰り返し呼びかける。  
**セリフ:** 「エレノア… そこにいるのか…? エレノア…!」  
**効果音:** (静寂。微かに外の風の音。)

## シーン2
**状況:** 別の場面。人物が屋外へ一歩踏み出したような場所。視点は人物の顔アップから始まる。  
**出来事:** 男性が外へ出て、まぶしそうに目を細めながら、眩しさを訝る。  
**キャラクターの反応・意思:** 男性は久しぶりに外に出たような様子で、光に驚いている。「外ってこんなにまぶしかったっけ?」と独り言をこぼす。  
**キャラクターの行動:** 手で額の辺りをかざし、上を見るような仕草で空や太陽の方向を見上げる。  
**セリフ:** 「外ってこんなにまぶしかったっけ?」  
**効果音:** (足音、外気の風音、遠くで鳥が鳴いているかもしれない程度の静かさ。)

## シーン3
**状況:** 室内の一角。壁には先ほどの女性を描いたと思しき絵が飾られている。二人の男性が向かい合って会話している。室内はやや暗く、古いアトリエのような雰囲気。  
**出来事:** 1人目の男性(マルクと呼ばれる)が、以前預けた絵が売れたのか気にしている。もう1人の男性は商売が不振であることを嘆く。  
**キャラクターの反応・意思:** 「不景気なのさ」と返事する男性は浮かない表情で、売れなかったことを申し訳なさそうにしている。マルクと呼ばれた男性は残念そうな表情を見せるが、強くは責めない。  
**キャラクターの行動:** マルクと呼ばれた男性は壁際に立ち、相手に声をかける。もう一方の男性はカウンターか机の後ろ側にいて腕を組んだり、うつむいたりする。  
**セリフ:**  
- マルクと呼ばれる男性:「この前あずけた絵は売れたかな」  
- 相手の男性:「いや… 不景気なのさ」  
- マルク:「そうか… 持って帰るよ」  
**効果音:** (木の床が微かにきしむ音、室内は静か)

## シーン4
**状況:** 同じ室内で、マルクと呼ばれる男性が別の絵を取り出している様子。彼は新しい作品を見せようとしているが、それを見せられる相手は気が乗らない様子。  
**出来事:** 相手の男性は「まぁ気を落とすな」と声をかけるものの、良い反応ではない。「新しいのを持ってきてくれたのか… なかなかいい…」と微妙な反応。  
**キャラクターの反応・意思:** マルクは自分の才能への不安を抱えながら、新しい絵を差し出すが、相手はあまり乗り気でなく、「あずからせてもらうよ!」と淡々とした返事をする。マルクは期待と不安の表情を浮かべるが、相手の曖昧な評価に落胆し、才能が無いのかと自問する。  
**キャラクターの行動:** マルクは自分の作品を手に取り、相手に差し出す仕草をするが、はっきりとした称賛は得られない。相手は作品を受け取るそぶりを見せるものの、熱心さは感じられない。  
**セリフ:**  
- 相手の男性:「まぁ気を落とすな。新しいのを持ってきてくれたのか…なかなかいい…あずからせてもらうよ!」  
- マルク:「やっぱり才能ないのかな…」  
**効果音:** (紙を扱うかすれた音、軽いため息)

## シーン5
**状況:** マルクが屋内から外へ出るか、あるいは内外を行き来するところ。前のシーンで失意を抱いたマルクが、肩を落として歩き去ろうとしている。  
**出来事:** マルクは期待はずれの反応を受けて、落胆したままその場を立ち去る。  
**キャラクターの反応・意思:** マルクは自分に自信を持てず、才能に疑問を感じ、足早にその場を後にする。  
**キャラクターの行動:** マルクは上着の襟元を手で握りしめ、自身を抱くような仕草で俯きながら歩き去る。  
**セリフ:** なし(心中の台詞として「やっぱり才能ないのかな…」は先ほどの場面で述べ済み)  
**効果音:** (去り行く足音、外気の音、特筆すべき強い音はなし)

ChatGPT Pro (o1 pro mode)

発言している登場人物が描かれておらず、セリフのみが描かれている描写(脚本用語でSO(Sound Only)を正しく分析することが難しいようです。
それ以外の箇所でも、セリフを発している登場人物を錯誤する場面はしばしばありました。

一方で、各ページで誰がどの人物か、名札をつけているわけではないのに、文脈から判別しているところは、文脈理解力の高さをうかがわせます。

「効果音」については、原稿に描いてあればそれを読み取ってほしかったのですが、「文脈から想像できる効果音を付け足す」になってしまっていますね。


評価

# 総合レビュー

以下のシーン1~5について、提示された4つの評価指標(状況描写/登場人物の感情描写/登場人物の意思と行動/次のシーンへの期待)に基づき、徹底的かつ網羅的にレビューを行う。  
あわせて、各シーンで改善すべき点があれば具体的なアイデアも提示する。

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## シーン1のレビュー

**状況描写:**  
- 薄暗い室内、窓際の木製の椅子、長いドレスを着た若い女性という構図は、ある程度鮮明なイメージを想起させる。  
- ただし、部屋の中の詳細(家具の配置、光源の位置、室内空気感、埃や匂いなど)が曖昧で、視覚的な充足度は高くない。  
- 「薄暗い」とあるが、光源はどこから来ているのか、何が窓の外に見えるのか(ぼんやりとした風景か、夜の街灯か、森のシルエットか)、もう少し環境的手がかりが欲しい。  
- しかし、静かな中で女性が窓外に意識を向ける描写は、「誰かを待っている」「呼びかけている」という状況をシンプルに伝えている。

**登場人物の感情描写:**  
- 女性は不安そうな表情で、呼びかける際に「顔に手を添える」という仕草があるため、繊細な不安感は伝わる。  
- ただし、この不安がどの程度のものか(絶望的なのか、微かな不安なのか)、顔の表情変化や声の調子など、もう少し具体的な感情要素があるとより引き込まれる。

**登場人物の意思と行動:**  
- 女性は「エレノア」を探していると見受けられる。「そこにいるのか…?」と問いかけることで、待ち人(あるいは行方不明者)に対する強い期待や焦燥が示唆される。  
- ただ、行動としては「椅子に腰かけたまま、窓の方向を見る」という程度で静的。もう少し身振り(例えば椅子から少し乗り出す、窓枠に手をかける、カーテンを少し動かすなど)があれば、行動性が増す。

**次のシーンへの期待:**  
- 「エレノア」という名前が提示され、その人物の存在、または彼女に何が起きているのか、窓の外には何があるのかが気になる要素はある。  
- ただ、もう一歩踏み込んだ何か(例えば、遠くでかすかな物音がして女性がさらに不安になる、といった伏線)があると、視聴者はより次を見たくなる。

**総評・改善提案:**  
- シーン1はミニマルな情報で「誰かを待つ女性」という謎を提示する点で悪くないが、場の空気感と女性の内面描写をもっと濃厚にすると良い。  
- 例えば、窓の外にかすかな光の揺らめきがあり、その光が失われると女性が一層不安になる、といった演出でカタルシスや不安の高まりを増せる。

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## シーン2のレビュー

**状況描写:**  
- 屋外へ出た直後と思しき描写。「まぶしそうに目を細める」という身体的リアクションで外の強い光を印象づけている点は評価できる。  
- 鳥の鳴き声や風音など、微細な音要素は屋外の雰囲気を作り出している。しかし、どんな屋外か(街中なのか、郊外なのか、光は太陽光なのか人工光なのか)が曖昧。  
- シーン1との対比(暗い室内から外の光へ)をもう少し強調し、環境の明瞭なコントラストを出せるとよい。

**登場人物の感情描写:**  
- 男性が「久しぶりに外へ出た」と感じさせるような戸惑いを言葉と表情(目を細める)で示しているのは良い。  
- 「こんなにまぶしかったっけ?」という独り言は、戸惑いと軽い驚きを素直に伝えており、感情描写としてわかりやすい。

**登場人物の意思と行動:**  
- 男性は外出するという行動(室内からの脱出?久々の外界訪問?)が意思決定を示唆する。  
- ただし、なぜ外に出たのか、何を求めているのかが不明確で、動機の深みが足りない。  
- 意図をもう少し示す(例えば、探し物をしている、誰かを待っている、外の空気を吸いたかったなど)と、次への期待が生まれる。

**次のシーンへの期待:**  
- 男性の状況変化(屋内→屋外)というイベントはあるが、次へと引き込むフックはまだ弱い。  
- 「なぜ久しぶりに外に出たのか?」という謎は潜在的な興味を引くが、その謎をもう少し明確に匂わせると良い。  
例:「外出せざるを得ない理由」を示唆する物音や呼び声、あるいは特定の目的地に視線を向ける描写があると、続きが気になる。

**総評・改善提案:**  
- 基礎的な感覚描写(まぶしさ、鳥の声)は優れているが、物語上のフックが弱い。  
- 男性が外出を決心した背景や、周囲の風景の特徴(古い街並み、荒廃した通り、謎の人影など)を挿入すると、次の展開を待ち望む強い動機が生まれる。

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## シーン3のレビュー

**状況描写:**  
- 「室内の一角」「女性を描いた絵が飾られている」「古いアトリエ風」の記述はシーン1との関連性(女性の存在、絵が重要なモチーフ)を暗示する。  
- 光の具合や室内の広さ、雰囲気(埃っぽさ、湿気、古い塗料の匂いなど)を強化すれば、より臨場感が出る。

**登場人物の感情描写:**  
- 商売の不振を嘆く男性は申し訳なさそう、浮かない表情をしている。マルクは売れなかったことに残念さを示すが、強い怒りや悲嘆ではなく、やや抑制的。  
- 二人の感情は伝わるが、淡々としており、物語的な緊迫感や強い感情の揺れは薄い。

**登場人物の意思と行動:**  
- マルクは明確に「絵が売れたか」を確認している。ここに「絵を売ることで得る何か」がマルクにとって重要な意味があるように感じられるが、その背景は不明。金銭的必要性か、評価を受けたい欲求か、動機が曖昧。  
- 相手の男性は不景気を理由に販売不振を正当化している。受動的な立場で、行動性は低い。

**次のシーンへの期待:**  
- 絵が売れないという状況はマルクの内的葛藤を生む可能性があるが、それが次への期待になっているかは弱い。  
- 「女性を描いた絵」という要素がシーン1の女性と関連するなら、その接点をより明確に示すとよい。「この絵はエレノアの姿なのか?」「エレノアとは誰か?」といった疑問を煽れれば次への期待が増す。

**総評・改善提案:**  
- シーン3は物語上の状況を説明しているが、感情的強度や背景の深みが足りず、ドラマ性に欠ける印象。  
- 改善として、「マルクがその絵に込めた思い出」や「エレノアという名前との関係」を示唆し、単なる経済的取引以上の意味を持たせると、視聴者の興味が高まる。

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## シーン4のレビュー

**状況描写:**  
- 同じ室内で別の絵を取り出すマルクと、興味を失いかけている相手という構図は分かりやすいが、空間変化がほぼ無い。  
- 継続的な室内描写で、新たな刺激に欠ける。

**登場人物の感情描写:**  
- マルクは「才能がないのかな…」と自問し、不安や落胆を明確にしている点は感情的な深化がある。  
- 相手は「気を落とすな」と言いつつも明確にほめず、淡白。曖昧な評価をすることでマルクの不安を強めている。  
- 感情的コントラストは存在するが、もう一歩踏み込んで「相手は実は嫉妬している」「相手自身が顧客を掴めずに苛立っている」など、内面衝突があるとより密度が増す。

**登場人物の意思と行動:**  
- マルクは自分の作品を売り込む意思を持っているが、自信喪失気味。  
- 相手は商品価値に疑問を持ちながらも預かる態度。ここにビジネス上のリアリズムはあるが、物語的動機(この絵を扱わねばならない事情、あるいは何かを隠している意図など)が示されると面白い。  
- 現状、行動は「新作を出す」「預かる」程度でややルーティン的。

**次のシーンへの期待:**  
- マルクが才能の有無に悩む心理的な軸が生まれたことで、今後彼がどう変化するのか興味が出る。  
- しかし、観客を強く次へ惹くためには、マルクが何か決断するきっかけや、予兆的な何か(例えば、別の顧客が来る約束がある、あるいはその絵に関する謎めいた手がかり)が必要。  
- まだ「どうでもいい」日常の悩み止まりの印象があり、物語的な飛躍が欲しい。

**総評・改善提案:**  
- シーン4はマルクの内面変化(不安、自己疑念)が明確になった点で前進があるが、ストーリー的フックは弱い。  
- 改善として、相手が思わず「この女性を描いた絵、前にも見たような…」とつぶやくなど、別の場面で示された女性像(エレノア)と関係する暗示を入れ、全体のミステリー性を高めると良い。

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## シーン5のレビュー

**状況描写:**  
- マルクが失意のまま屋内を後にし、外へ出ようとしている。  
- 外へ出る行動自体はシーン2と対比できるが、具体的な環境描写は特筆されていない。  
- 単純に「場を立ち去る」動きのみ。

**登場人物の感情描写:**  
- マルクは落胆と自己否定感を背負い、肩を落としている。この仕草描写は心情をよく表す。  
- 感情的にはわかりやすいが、他の感情(怒り、諦め、挽回の意思)などは見えず、単調な落胆で終わっている。

**登場人物の意思と行動:**  
- 行動は「立ち去る」以外に特に無く、意思も「ここにいてもしょうがない」という後退的なもの。  
- 次に何をするか、どこへ向かうか、どう変わるかが曖昧で、キャラクター成長や行動の方向性が見えない。

**次のシーンへの期待:**  
- マルクが立ち去る先で何かが起きるのかを観客は期待するかもしれないが、現段階ではフックが弱い。  
- 例えば立ち去る際に、遠くから「エレノア」という名前が聞こえた、あるいはマルクが偶然拾った紙切れに謎めいたメモがある、といった付加要素があれば、次へと引かれる。

**総評・改善提案:**  
- シーン5は物語的には「停滞感」と「失意」を示すのみで、希望やミステリー、決断といった要素が欠けるため、次へ進む牽引力が弱い。  
- 改善として、「マルクが外へ出る際、外の光が前よりも柔らかくなっている」「ふと耳に入る誰かの声」「マルクが立ち去ろうとする先に、シーン1で呼びかけていた女性の姿が一瞬見える」など、ちょっとした仕掛けで続きへの好奇心を増幅できる。

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# 全体総評

全体を通して、各シーンにはある程度の状況描写や感情表現があるものの、以下の課題が目立つ。

1. **状況描写の弱さ**:  
 光源や天候、室内の質感、屋外の風景など、視覚的・嗅覚的・聴覚的情報が少ない。舞台が抽象的になりすぎており、観客が深く浸れない。もっとディテールを増やし、各シーン固有の「空間の個性」を強調すると良い。

2. **感情描写の深化不足**:  
 キャラクターは不安や落胆を示すが、なぜそう感じるのか、背景となる人格や関係性が乏しいため、感情移入が限定的。より内面を浮き彫りにする仕草、表情、微妙な台詞まわしや声の揺れが必要。

3. **意思と行動の動機付けの曖昧さ**:  
 なぜこの人物は外に出るのか、なぜ絵を売りたいのか、なぜエレノアを探しているのかなど、行動原理が薄い。その結果、視聴者は物語の必然性を感じにくい。

4. **次のシーンへの期待を喚起する要素の欠如**:  
 謎の提示や対立、事件性、キャラクター内面の葛藤の深まりといった要素が不足気味。観客が「もっと知りたい」と思う伏線や示唆、差し込まれるサインが弱い。

**改善案として**:  
- 各シーンで空間的・物質的ディテールを増し、その場が固有の雰囲気を持つようにする。  
- キャラクターが何を求めているか明確に示す(エレノアは何者か? なぜマルクはその絵を売りたいのか?)。  
- シーン間のつながりを強調する(シーン1の女性とシーン3で描かれる絵が同一人物であることを示唆、シーン2で外に出る男性が後にマルクと邂逅するなど)。  
- 意味ありげな伏線を散りばめ、観客が「次に何が起きるのか」を自然と考えたくなる要素を増やす。

これらを踏まえることで、各シーンはより観客の心を掴み、引き込み、共感と期待を生み出せるようになる。

ChatGPT Pro (o1 pro mode)

マンガの原稿を直接見ているのではなく、一度テキストに変換されたものを読んでいるにすぎないが、文脈をよく理解して、しっかりレビューを返してくれているように感じます。

分析パートで錯誤した内容はそのまま錯誤してしまうのは仕方がないとして、指摘は概ね的を射ているように感じられます。


P5-8

原稿

5
6
7
8

分析

## シーン1
**状況:** 石畳の路地裏のような屋外。建物が並ぶ狭い通りで、男性(絵を持った人物)が歩いている。突然、女性の悲鳴が響く。  
**出来事:** 「きゃあ!」という悲鳴とともに、女性が驚いている。男性は何かにぶつかったか、つまずいたように動揺し、「あっ!」と声をあげる。  
**キャラクターの反応・意思:**  
- 女性: 突然の衝撃に驚き、声を上げて身を守ろうとする。  
- 男性: 持っていた絵や荷物を落とし、驚きと焦りで地面に手をつく。  
**キャラクターの行動:**  
- 男性は路上で絵を守ろうとしながら体勢を崩し、片膝をついたり腰を落としたりする。  
- 女性はスカートの裾を押さえ、軽く後ずさるか、衝撃でよろめいている。  
**セリフ:**  
- 女性:「きゃあ!」  
- 男性:「あ…」  
**効果音:** (ドサッと何かが地面に落ちる音、わずかな風切り音)

## シーン2
**状況:** 同じ路上。男性は地面に手をついている状態で、女性は彼を見下ろすような形になっている。  
**出来事:** 男性は転倒した後、ゆっくりと顔を上げる。「大丈夫…?」という女性の声が聞こえる。男性は怪我はなさそうだが、転んだショックと気まずさがある。  
**キャラクターの反応・意思:**  
- 男性: 恥ずかしそうにしながら「大丈夫」と答えようとする。自分が持っていた絵が無事かを気にしている。  
- 女性: 心配そうな声色で、男性が怪我をしていないか気遣う。  
**キャラクターの行動:**  
- 男性は体を起こし、落とした絵に目をやる。  
- 女性は男性に歩み寄って軽く身を屈めるような仕草。  
**セリフ:**  
- 女性:「大丈夫…?」  
- 男性:「あー…」  
**効果音:** (微かな衣擦れ、路上の遠くから聞こえる人の気配)

## シーン3
**状況:** 路上に落ちた絵とそれを拾い上げる男性。女性は近くに立っている。  
**出来事:** 男性は泥やほこりがついた絵を拾い上げる。女性は「大変!絵が汚れちゃってる」と声を上げる。男性はこれが売れなくて引き上げてきた不要な絵であることを伝える。  
**キャラクターの反応・意思:**  
- 女性: 絵が汚れたことに驚き、申し訳なさそうにする。  
- 男性: 絵が売れずに持ち帰っただけの価値の無いものと諦めている様子だが、少し残念そうな面持ち。  
**キャラクターの行動:**  
- 男性は立て膝で絵の表面を手で拭き、「あぁ、これは…」とため息まじりに説明する。  
- 女性は少し身を寄せて絵を見下ろしながら首をかしげる。  
**セリフ:**  
- 女性:「大変!絵が汚れちゃってる」  
- 男性:「あぁ…これは…売れなくて引き上げてきたものなので、もう必要ないものなんです…」  
**効果音:** (衣服を軽く払う音、かすかな砂利を擦る音)

## シーン4
**状況:** 路上で、男性が汚れた絵を手にしている。女性は興味深そうに絵を見つめている。  
**出来事:** 女性は「その絵、あなたが描いたの?」と問いかける。男性は「えぇ、まぁ…」と気のない返事。女性は捨ててしまうなら欲しいと申し出る。  
**キャラクターの反応・意思:**  
- 女性: 使い捨てられるはずの絵に価値を感じ、部屋に飾りたいという気持ちを持つ。声には積極的で少し恥ずかしそうな響き。  
- 男性: 意外そうな表情で、「僕の絵を…?」と聞き返す。最初は半信半疑だが、まさか自分の絵を飾りたいという人がいるとは思っていなかったため、少し動揺と照れが混じる。  
**キャラクターの行動:**  
- 男性は絵を抱えたまま女性を見上げ、驚いた表情。  
- 女性は恥じらいながらも視線を合わせ、「だめかしら…」と遠慮がちに尋ねる。  
**セリフ:**  
- 女性:「その絵、あなたが描いたの?」  
- 男性:「えぇ、まぁ…」  
- 女性:「この絵、捨ててしまうならくださらない?」  
- 男性:「僕の絵を…?」  
- 女性:「えぇ…だめかしら…」  
**効果音:** (かすかな街角のざわめき、木枠の絵を手で持つときの微かなきしみ)

## シーン5
**状況:** 路上で絵の受け渡しをする二人。  
**出来事:** 女性は部屋に飾りたいと告げる。男性は予想外の申し出に戸惑いつつも喜び、「どういたしまして」と答える。  
**キャラクターの反応・意思:**  
- 女性: 本当にその絵が欲しく、部屋に飾って楽しみたいと思っている。少し頬を赤らめ、うれしそう。  
- 男性: 自分の作品を求められることが嬉しく、誇らしい気持ちが芽生える。ぎこちないが笑顔で応じる。  
**キャラクターの行動:**  
- 男性は絵を女性に渡そうとして手を伸ばす。  
- 女性は絵を受け取ろうとするが、大きく重そうで少し苦戦する。  
**セリフ:**  
- 女性:「部屋に飾りたいの!」  
- 男性:「…僕の絵を…?」  
- 女性:「えぇ…だめかしら…」  
- 男性:「どういたしまして…」  
**効果音:** (絵の木枠が少し揺れる音、慌てた息づかい)

## シーン6
**状況:** 女性が大きな絵を抱えて立ち上がろうとしているが、重くてバランスを崩し気味。男性は心配そうに見ている。  
**出来事:** 女性は「わ、わ…」と声を上げ、絵を運ぶのに苦戦している。男性は心の中で「大丈夫じゃなさそうだ…」と思いつつ、声をかけるべきか迷っている。女性は「運んでくださるの…?」と頼るような視線と口調を見せる。  
**キャラクターの反応・意思:**  
- 女性: 重さに戸惑いながらも、諦めたくない。なんとか持ち帰りたい気持ちが強いが、助けを求めるような表情。  
- 男性: 気まずそうにしつつも、困っている女性を放っておけず、手を貸す決意をしようとしている。  
**キャラクターの行動:**  
- 女性は絵を少し傾け、よろめきながら姿勢を直そうとしている。  
- 男性は一歩前に出て、彼女が支えられるよう手を伸ばしそうな素振りをする。  
**セリフ:**  
- 女性:「わ…わ…」  
- 男性:(心中)「大丈夫じゃなさそうだ…」  
- 女性:「運んでくださるの…?」  
**効果音:** (絵のフレームが擦れる音、女性が足場をずらす際の小さな靴音)

ChatGPT Pro (o1 pro mode)

前述、「効果音」もそうですが、ここでは登場人物のエレノアの声のトーンを、文脈から推察して付け加えています。
とてもクリエイティブでよいですが、描いてあることをそのまま評価してほしい場合には、文脈を読んでディティールを補足してほしくありません。
このあたりは、プロンプトでしっかり制御しないといけないポイントのようです。

評価

# 総合レビュー

以下のシーン1~6を、提示された4つの評価指標(**状況描写**/**登場人物の感情描写**/**登場人物の意思と行動**/**次のシーンへの期待**)に基づき、徹底的かつ網羅的にレビューする。各シーンの良い点・悪い点・改善点を厳密に洗い出し、全体的なクオリティ向上のための具体的な提言を行う。

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## シーン1のレビュー

**状況描写:**  
- 石畳の路地裏的な環境が描かれている点は、視覚的イメージを喚起するうえで有効である。建物が並ぶ狭い通りという情報は最低限の空間認識を与える。  
- しかし、「石畳」「路地裏」など、既視感のある言葉だけで、独自性や雰囲気の濃密さはやや不足している。もう少し特長的な要素(例えば、雨上がりで湿った石畳、遠くで行商人が声を上げている、古風な街灯が薄暗い光を放っているなど)を追加し、深みをもたせると良い。  
- 女性の悲鳴が響く点は、注目を引く出来事として有効だが、音の響き方や周囲の反応(通りが狭くて声が反響する、他の通行人が振り向く)といった環境反応も加えると、より臨場感が増す。

**登場人物の感情描写:**  
- 男性・女性ともに「驚き」の表現が表面的には伝わる。女性は悲鳴を上げ、男性は「あっ!」と声を漏らすことで、即時の驚きと動揺が描写される。  
- ただ、驚きの度合いや細やかな表情変化、身振り(例えば女性が目を見開く、男性が眉根を寄せる)など、もう少し具体的な描写で感情を明確にすると、より共感しやすい。

**登場人物の意思と行動:**  
- 男性は絵を守ろうとする行動、女性は思わず身を守るような行為を見せることで、それぞれが置かれた状況でとっさにどんな行動を取るかが表現されている。  
- しかし、この時点では行動原理が単純すぎる(驚きによる反射)ため、人物像としてまだ浅い印象。問題はないが、さらなる深みはこれから期待することになる。

**次のシーンへの期待:**  
- 突然の衝突と悲鳴は、今後二人がどう関わっていくのか、何が起きたのかを知りたいという興味を喚起する。  
- ただし、このシーン単独では「事故」が起こった以外の伏線は弱い。次へと続くストーリーラインの期待を強めるためには、例えば、男性が抱え込んだ絵が特別なものであることをわずかに示唆したり、女性の声色に何か不安や他意を感じさせたりする余地があると、より強力なフックになる。

**改善点:**  
- 環境音や視覚的特徴を増強して臨場感を高める。  
- 感情描写を一歩踏み込み、表情や呼吸、仕草で感情強度を示す。  
- 今後への期待を高める小さな伏線(絵に関する特徴的なモチーフが一瞬映る、女性が珍しい身なりをしている、など)を入れる。

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## シーン2のレビュー

**状況描写:**  
- 同じ路上で男性が倒れこんでいる状態と女性が見下ろす構図が明確に示される。シーン1との連続性が自然に感じられる。  
- 遠くから聞こえる人の気配、衣擦れ音など、小さな効果音はリアリティ向上に役立つが、もう少し具体性(どんな人の気配か、どんな雰囲気の場所か)を追加できると良い。

**登場人物の感情描写:**  
- 男性は恥ずかしさ、気まずさがあり、女性は心配そうな声をかける。状況に対する素直な感情反応で、共感しやすい。  
- 恥ずかしさや焦りを身体的特徴(例えば男性が顔を赤らめる、目をそらす、声を詰まらせる)で強化してもよい。女性の優しげな表情(眉が下がり、口元が少し緩む)などを描くとさらに感情が鮮明になる。

**登場人物の意思と行動:**  
- 男性は自分の状態を確認し、絵に目をやることで自分にとって何が大事か(絵)が分かる。女性は「大丈夫…?」と問いかけ、助けや気遣いの意思を示す。  
- シンプルだがわかりやすい行動原理であり、感情移入しやすい。また、男性が絵に執着する仕草は後の展開への伏線となり得る。

**次のシーンへの期待:**  
- ここで二人が初めて正対し、コミュニケーションが生まれ始めるため、今後の関係性や、絵の価値がどう物語に影響するのか興味が出る。  
- ただし、まだ「事故後の気遣い」以上の要素は弱い。何か特別な兆候や、二人を繋ぐ潜在的な要素(例えば、女性がその絵に見覚えがあるような仕草をほんのわずかに見せるなど)があると、より「先が気になる」状態になる。

**改善点:**  
- 感情表現をより豊かに、繊細な仕草で補強する。  
- 絵や人物同士の関係性への微かなヒントを仕込む。

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## シーン3のレビュー

**状況描写:**  
- 路上に落ちて汚れた絵、立て膝で拭う男性、近くでのぞき込む女性という構図は視覚的に想像しやすく、物理的状況も明確。  
- ただ、周囲の通行人や背景要素が依然として乏しく、二人だけが存在する舞台のように見える。背景を活かすことで世界観が深まる(例:背後で日常を営む人々の影や、石畳特有の匂い、何かの店先など)。

**登場人物の感情描写:**  
- 男性が「売れなくて引き上げた不要品」と自嘲気味に言うことで、少し寂しさや残念な感情が見えてくる。  
- 女性は気遣いと驚きを示し、申し訳なさそうな反応。両者の感情がシンプルだが的確に表現されている。

**登場人物の意思と行動:**  
- 男性が絵を拭き取る行動は、絵への一応の愛着や未練を示唆している可能性がある。  
- 女性は絵の損傷を気にし、他人の持ち物への関心と他者配慮が表出している。ただし、女性がここで絵に特別な関心を示す理由(単なる同情か、美術に興味があるのか)を何らかの仕草や台詞で示すと、後続の展開がより納得できる。

**次のシーンへの期待:**  
- 男性の諦観や女性の気遣いが、二人の関係性に新たな化学反応を起こしつつある。今後、彼女はこの絵をどうするのか、男性はどう変わるのか、少し先が気になる。  
- まだ小さなエピソードの段階だが、「不要なもの」に潜む価値や、女性がその絵に興味を示すようになる布石としては機能している。

**改善点:**  
- 絵がどんな絵なのか一言でも示唆(風景画なのか人物画なのか、明るい絵なのか暗い絵なのか)すると、観客の想像が広がる。  
- 女性がなぜその絵に心を動かされるか、わずかなヒント(例えば、女性が小声で「素敵な色づかい…」と呟くなど)を入れる。

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## シーン4のレビュー

**状況描写:**  
- 路上で男性が絵を抱え、女性がそれを興味深く見つめる場面。構図ははっきりしているものの、背景描写は依然弱い。  
- 絵を「使い捨てる」場面、そこに第三者もいるかもしれないが、登場しないため世界が狭い印象。通りを行き交う人々がいるなら、軽く見やっている仕草があるだけでも臨場感が増す。

**登場人物の感情描写:**  
- 男性が驚きと動揺、女性が少し恥じらいながら積極的な関心を示す描写は感情的な動きとして良い。  
- 女性が遠慮がち、男性が半信半疑で照れるなど、微妙な感情の流れがよく出ている。

**登場人物の意思と行動:**  
- 女性の「捨てるなら欲しい」という提案は、彼女がその絵に価値を見出していることを明確に示している。  
- 男性は不意打ちの申し出に戸惑いつつ、心が動く様子が行動(驚いた表情・問いかけ)で伝わる。  
- ここで男性が自分の絵に何を感じているのか、女性がなぜそれを欲しがるのか、両者の動機に興味が湧く。

**次のシーンへの期待:**  
- 女性が作品を欲しがる理由は何か? 男性はこの出来事をどう受け止めるのか? 今後、絵が二人を繋ぐアイテムとなり得る伏線ができた。  
- 次のシーンで二人がどうやって絵を受け渡すか、作品がどんな形で関係を深めるか、興味が高まる。

**改善点:**  
- 絵に関するわずかな特徴描写を加える。女性が「この色彩、素敵ね」など、一言で価値を見出す理由を示す。  
- 男性が一瞬、嬉しそうに微笑んだり、目が潤んだり、感情の揺れをはっきり描くとより深みが増す。

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## シーン5のレビュー

**状況描写:**  
- 路上で絵の受け渡しが行われる。二人が近距離で向かい合い、絵を手渡す動きが想像しやすい。  
- 依然として背景描写が希薄だが、対話関係に焦点を当てたシーンとしては許容範囲内。もう少し環境音や光加減(午後の日差しが二人を照らしている、など)を加えると良い。

**登場人物の感情描写:**  
- 女性は頬を赤らめ、嬉しそうな様子がわかりやすく、感情移入しやすい。  
- 男性が誇らしさや嬉しさを感じ始める変化も明確で、感情的カタルシスが芽生えつつある。

**登場人物の意思と行動:**  
- 女性は部屋に飾ると明言し、絵を大切に扱う意思を示す。  
- 男性は自分の作品が必要とされる経験を受け、戸惑いつつも喜びを感じている。意思の変化が行動(笑顔で渡す)で示されている点は良い。  
- これにより、男性の内なる変化(自分の絵には価値があるかもしれないという希望)が説得力を持つ。

**次のシーンへの期待:**  
- 絵の所有権が移ることで、二人の関係性が一段深まる。今後、女性はその絵をどのように扱い、男性はこの出会いを契機に何をするのか、物語の広がりを予感させる。  
- ただし、この時点で大きな問題や葛藤は薄まりつつあるため、次へ引き込むさらなるドラマ性(例えば女性が「実はこの絵、どこかで見たことがあって…」などの秘密を匂わせる)があるとなお良い。

**改善点:**  
- 男性が少し前向きになる心理的変化を、セリフか表情の変化でもう一段階明確にする。  
- 二人の関係が始まったばかりだと示唆するような微妙な視線の交錯や、周囲の音が急に心地よく感じられるなど、心理的演出を加える。

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## シーン6のレビュー

**状況描写:**  
- 女性が大きな絵を運ぶのに苦戦し、男性が手伝おうとするシチュエーションは、前の展開を受けて自然な続きになっている。  
- 重さやバランスの問題が具現化し、物理的な困難が状況を盛り上げる。

**登場人物の感情描写:**  
- 女性が困惑し、助けを求める目をすることで、可愛らしさや弱さが見え、守ってあげたくなる印象を強める。  
- 男性が気まずそうにしつつも、助けに入る優しさや決心を固めようとする内面が感じられる。  
- ここで「助ける・助けられる」の関係が一段と強調され、感情的な交流が深まる。

**登場人物の意思と行動:**  
- 女性は助力を必要としているが、諦めずに頑張る意思を持っている。  
- 男性は彼女を放っておけない気持ちがあり、これまで一歩後ろ向きだった姿勢から前向きな行動(手を貸す)へ移行しようとしている。  
- これにより、男性は成長や内面変化を示し、物語上のキャラクター成熟を感じる要素となる。

**次のシーンへの期待:**  
- ここで男性が手伝えば、二人の交流はより深まる。今後、この関係はどのように進展するのか?  
- 絵を通して出会った二人が今後どんなドラマを紡ぐのか、観客は想像しやすくなり、次へと続く展開を知りたくなる。  
- ただし、さらなるドラマ(例えば、絵が実は特別な作品だった、女性がその絵を使って何かしようとしている、など)がないと、ただのほのぼのストーリーで終わる可能性がある。次の展開で新たな問題や目的を提示するとよい。

**改善点:**  
- 男性が助けを出す直前に、視線の揺れや小さなため息などを描写して、感情の迷いと決断をより鮮明に示す。  
- 女性がこの絵をどう使いたいのか、一言でも具体的なイメージ(「この色合い、私の部屋の灯りと合いそうなの」など)を挿入すると、観客はその後のシーンで部屋に飾られた絵を想像し、物語世界への愛着が増す。

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# 総合評価・総評

本シナリオは、路地裏で偶発的な出会いから関係を深めていく二人の様子を描いており、全体としては「微笑ましさ」や「予想外の温かい交流」が主軸となっている。一方で、以下の改善点が挙げられる。

1. **状況描写の強化の必要性:**  
 各シーンで基本的な空間イメージはあるものの、背景・環境のディテールが不足している。建築様式、周囲の通行人や物音、天候、時間帯などを具体的に描くことで、物語世界がよりリアルになり、没入感が増す。

2. **感情描写の繊細化:**  
 登場人物の感情は理解しやすいが、もう一歩踏み込み、表情筋の動き、呼吸の仕方、視線の変化、微妙な声色の変化など、生々しい人間的反応があると、鑑賞者の感情移入がより深まる。

3. **登場人物の行動動機の強化:**  
 男性がなぜ絵を持っていたのか(売れずに持ち帰った原因や、それに対する本人の心情)、女性がなぜ絵に惹かれるのかなど、動機となる背景をもう少し強化すると、物語に説得力が増す。

4. **次のシーンへの期待を高める要素:**  
 二人の出会いが温かいが、物語全体のカタルシスを追求するには、さらなる紛糾点や意外性が欲しい。  
 - 例えば、「実はこの絵は女性が探していた画家の作品だった」  
 - 「男性が絵に込めた想いが明らかになり、女性がそれに共鳴する」  
 - 「この出会いによって男性が新たな創作意欲を得て、次のシーンで彼は新しい作品に挑む」  
 といったストーリーの発展性を加味すると、観客は次を見たい気持ちが強まる。

**まとめ**:  
現状のシナリオは、ほのぼのとした出会いと温かいコミュニケーションを描く短いエピソードとしては悪くない。だが、さらなる深化のためには、環境の詳細描写、感情表現の緻密化、キャラクター動機の明確化、そして物語上のフック強化が求められる。こうした改善により、観客はより強い共感を覚え、次の展開を心待ちにし、感情を揺さぶられる体験を得られるだろう。

ChatGPT Pro (o1 pro mode)

ここでもかなり突っ込んだレビューをしてくれているように思うが、ところどころ独自の独自の解釈を入れていて、実際のマンガにはそこまで描かれていないのに、そんなに意図を汲み取ってしまっては読者目線でのレビューにならないのでは、という懸念が生まれます。

マンガのレビューということで考えれば、「読者が関心を示し、物語に引き込まれるか」が大事であって、内容を分析したり評価したりすることの賢さはあまり問題ではないはずです。


一方で、いろいろを考えてレビューをくれてくるので、気づきもありました。

例えば、マルクの作品の題材が裸婦像だったら、このシーンにまた違ったエンターテイメント性が生まれていたように思います。
さらに、この後のシーンで、マルクがエレノアに「君が描きたい」と言ったときの意味合いが全然違ってきます。

思考を刺激する、という意味ではとてもいいレビューになっていると思います。
どちらかというと、壁打ちに近い感覚かもしれません。


振り返りと次の展望

私のマンガは比較的単調なコマ割りなので、おおよそ理解できたようです。
もっとダイナミックなコマ割りや、描き文字が多い原稿だと難しいのかもしれません。

また、キャラクターとセリフの関係がしっかり掴めれば文脈理解の精度は高いので、「AIが読みやすいマンガ」というスタイルもあり得るかなと思います。

さらに踏み込んだ検証をするなら、以下が想定できそうです。

  • 「一般的な読者」としてレビューしてもらう。解釈を付け加えて深読みせず、パッと読んで面白いかどうかを評価してもらう

  • 分析と評価のプロセスを分けず、一息にレビューまでしてもらう

  • 画像を結合するなどして、一度にもっと長いストーリーを分析してもらう


マンガ全編に興味を持っていただいた方は、下記記事から読めますのでよろしくお願いします。

https://note.com/msfmnkns/n/n6aba315b57cd%0A


このあとの有料部分では、P9-36まで全編のo1 pro modeによる分析と評価を記しています。
全編読みたい方はお進みください。


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