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アルミの地金価格

 ここ最近、様々なモノが高騰しています。
新型五六七禍による供給サイドの操業停止や原油減産での高騰。
(警告文が出るので、五六七と表現しております。すいません。)
オンラインビジネスの急増による半導体不足。
あとは、世界規模での財政出動によるカネ余り、五六七マネーによる様々な分野への投機も影響しています。
(金額の規模で考えると五六七マネーの影響が極めて大きいようです。)

本当に様々な分野でモノの価格が上がっています。

平和が訪れますように・・・(-人-)

また、五六七に加え、今回の露西亜・鳥宇情勢では、小麦価格の上昇が懸念されています。
(こちらも、カタカナで国名を書くと、警告文が出るので、漢字表記です)

我々アルミ業界の人間にとっては、鳥宇からはアルミ原料の輸入をしていますので、今回の紛争は、非常に頭の痛い問題でもあります。
(もっとも、我々日本人より、鳥宇の人々の方が、はるかに大変な状況なのですが・・・)

事態が収束して安寧が訪れることを心より祈念しております。

さて、お話をアルミの地金価格に戻します。
日本国内でしか通用しないローカル・ルールなのですが、

NSPルール

というのが、存在しています。
日本経済新聞が、毎月第一月曜日に発表する月間平均価格。
これをアルミ地金取引の実勢価格に反映させるというルールです。

英語の苦手な私は、初めてこのお話を聞いた時、
[Nikkei Standard Price] = 日経新聞基準価格なのかな? 
と、勝手に思っておりました。

詳しく調べていくと、
[New Standard Price] = 最新の基準価格ということでした。(恥)

ただ、毎月の平均価格で取引を行なうと、相場価格の急騰や急減に実勢価格が影響されすぎますので、三か月平均によって、NSPが確定することになっています。

計算方法は単純で、

  1.  毎月第一月曜日に日経新聞に発表される月間平均価格を3ヶ月分集計し、三か月平均価格として算出する。

  2.  10円単位になるように、一の位で四捨五入する。

  3.  エキストラ価格として、+10円する。

この3つの順序で計算するだけです。

対象期間は、実勢価格が、
四半期ごと 1~3月 4~6月 7~9月 10~12月で、
動きますので四半期開始の前には価格が決定しておかなければなりません。

となると、仮に1月1日以降に適用する価格を決めるには、12月の平均価格を使うことは出来ません。
なにしろ、12月の平均価格は、1月の第一月曜日にならないと発表されないませんので。
ということは、1月1日以降に適用させるのは、11月までの三か月間の平均価格、つまり、9~11月の平均価格を使って、1~3月の実勢価格を確定させることになるわけです。

実勢価格  1~3月  4~6月 7~9月 10~12月 分は、
平均価格 9~11月 12~2月 3~5月  6~ 8月 を使う

ということになるのです。

計算しましょ!

ここで、実際のNSP計算をしてみましょう。

(簡単な算数なので、お気楽に)

2022年の4月1日からのNSP価格計算
2021年12月 375.3円
2022年 1月 412.4円
2022年 2月 443.8円

合計すると、1,231.5円。
これを3で割り算すると、410.5円
一の位を四捨五入すると、410円
エクストラ+10円を足すと、420円

ということで、4月1日からの地金取引価格は、420円になるわけです。
なお、この単価は、アルミ地金1Kg分でいくらという表記になります。

これは、結構すごい数字でして、30年ぐらいアルミ地金相場を見てきておりますが、恐らく最高値だと思います。
400円をつけたのが、リーマン・ショック前の2007年4~6月でしたので。。。
バブル崩壊以降、失われた30年と言われておりますが、アルミ価格もまたほぼ同水準で推移してきました。

体感的には、250円/Kgが、NSPの適正価格という感じです。

最安値を付けたのが、1994年1~3月の150円/Kg。
バブル以降、日本経済が深刻化した頃の価格です。
リーマンショック後、180円/Kgまで値段が下がったこともあります。
いずれにせよ、今までの適正価格の1.7倍までアルミの地金価格は高騰しています。

それに加えて、電気代・輸送費・人件費(主に大手企業ですが・・・)が値上がりしていますので、軽くここ30年来の適正価格の2倍を超える数字になっています。
他の金属やプラスチック、材木も同様と聞き及んでおりますので、今後、ますます家計を圧迫し始め、景気悪化の懸念があります。
そして、ここまで材料費が上がると、我々、加工屋には値下げ圧力が強まります。

消費価格への転嫁を出来るだけ回避するためです。

ということで、我々、ものづくり屋にとっては、ますます厳しい経営環境になるだろうと思っております。
ただ、色々なモノやコトは、人類の生活を豊かにするためにあるべきだと思っています。
知恵を絞って、少しでも良いモノを皆様にお届けできるよう、頑張っていきたいと思っております。

良いアイデアを思いつきたいw

何か、アルミでこういうモノ作れませんか?
という問い合わせがあると、商品開発のアイデアにもなりますので、ぜひぜひ、皆様のお知恵をお貸しくださいませ。

しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。