リスクを取るということ
デザインさんが、昨今の経営者を馬鹿にする風潮について苦言を呈してくださいました。
(ありがとうございます。)
んでもって、見積無料に関する記事についてご紹介して頂きまして、
ちなみに、その時の私の記事が下記です。
こちらも、ありがとうございます。
社長になってみると良く分かる(特に中小零細企業)のですが・・・
社長業は甘くない!
です。
お金持ちになって、悠々自適に暮らしたいという方は・・・
出資や投資で利回りを出す
ことを目指された方が賢明です。
お金を稼いだり、一国一城の主として過ごしたい等々、社長業に夢や希望を抱く人は多いと思いますが・・・
下記の記事にもあるように、
社長業は、とかく厳しいものなのです。
社長と社員では、色々なことで違いがあるわけですが、
最も大きな違いは、
リスクを取り、「全責任」を負う
という点です。
重要なのは、「全責任」の部分です。
社員でも部分的にリスクを取り、部分的に責任を負うことはあります。
自分の職務に関する責任であり、他には部下の監督責任ぐらいで止まります。
一方、社長の場合は、
他人の失敗まで責任を取らされる
ことになります。
部下の監督責任ぐらいでは済みません。
取引先が不渡り
を出して、会社が連鎖倒産になった場合も社長の責任になります。
コロナ禍で実際にあったことですが、国や地方自治体が休業を希望し
休業から倒産に至った
場合も、社長の責任になります。
この二つの事例だけでも、経営者がいかにリスキーな職種であるか?
優秀な方は、ご理解いただけると思います。
どんな場合でも、 マネジメント能力の問題じゃね? と、言われるのが経営者の辛い立場なわけです。
シラクサの僭主ディオニュソスが、君主の座にある者の心理状況について、ダモクレスに理解させるため、
髪の毛一本で吊るされた抜き身の剣の真下の玉座に座らせた
という逸話があります。
これが有名な
ダモクレスの剣
のお話です。
日本国には、 言論の自由 があります。
ですから、経営者を小馬鹿にする発言をするのは、その行使であり保証されていることです。
が・・・
そういった方々のうち、一体何割の方が、ダモクレスの剣で貫かれ死んでしまうことを意識の片隅に置いて働いているのでしょうか?
大多数の経営者(特に金融機関から連帯保証人になることを強制される規模の会社の社長)は、
部下がミスをするたび、
顧客が不渡り等で問題を発生させるたび、
行政が頓珍漢なことをして足を引っ張るたび、
自分の首の皮がちょん切れるかも? と、冷や汗をかいているのです。
少なくとも、それぐらいの環境に身を置いた経験がない人が、軽々に経営者を批評するのは難しいのではないかな? と思います。
もちろん、裕福な資産家の家系で苦労のくの字もないまま、経営者になって悠々自適の生活をしておられる社長さんも存在します。
そういう方に対して批判的な意見が出て来るのは、当然かな、と思いますが・・・
※)なお、ダモクレスの剣のお話を知らない経営者は一杯いますので、もし尋ねる機会があったら「命がけ」という観点でのご質問でお願いします。
で。
どうして、そんなリスキーな仕事を選ぶのか?
知らずに創業するとか、やりたいことを実現するためとか、が多いです。
後継者の場合は、継ぎたい(やりたいことが一致)という場合と、継がざるを得ない(色々な事情)という場合に二分されますね。
リスキーな職業であるだけに、なりたいと思う人が少なくなっており、
後継者難
の時代になってきております。
少子化の影響もあるにはあるでしょうけれども・・・
俺ならもっとうまくやれる!
私こそは!
と思われる方がいらっしゃれば、ウチの会社の三代目候補に立候補しませんか?