不公正な競争
日本の製造業、特に下請け町工場は不公正な競争にさらされていると言って過言ではありません。
日本の自動車を追い落とすため、BEVに舵を切ったEUでしたが、補助金だらけの中国に押され、今度は国内調達比率での圧力をかけようとしています。
元々、米国もEUも中国も自国産業を守るためなら、何でもアリです。
日本への輸入興行製品には、わずかに関税がかかっています。
無税のものも非常に多いです。
それに比べて、米国やEU、中国では日本の2倍以上の関税がかかっています。
もちろん、農産物や食品関係についてはバッチリ関税がかかっています。
アルミだと 基本 無税~3.4%の課税、肉なんかだと 基本 38.5%~50%の課税です。
中国だと工業系は基本ベースで11.6%の課税がかかっています。
このように、他国では産業の基盤である製造業を保護するために、高率の関税をかけたり、補助金を湯水のごとく使ったりしています。
こうして、日本製造業が不公正な競争を強いられ、衰退してきたわけです。
実際、100円ショップとか激安ショップの商品を見てもらえばわかりますが、日本だと材料費も出ないと思われる商品が並んでいます。
これは、海外、特に中国では輸出製品に高額の補助金を支給することで国際競争力を高めていたことから発生しています。
※)近年は大分減ってきています。
真っ当な競争ではないわけですが、輸入する日本の大企業もそんなことはお構いなしです。
安ければ良いということで、補助金まみれ・ウイグル等の人権無視工場で製造された不正価格の製品をバンバン仕入れ利益を上げてきました。
でも・・・
これって中国では、二千五百年以上前から行なわれてきた手法です。
管仲を読めば、隣国の魯の国力を殺ぐために経済的政策を実施していることに気がつきます。
魯からある品物を高額で購入し続け、魯の人間がその品物ばかり作るように仕向けたのです。
他の製品を作らなくなった途端に、ある品物に対して禁輸措置を取ります。
そうすることで、対象製品を作っていた店が不良在庫を抱え、破産者を続出させてしまったのです。
これは、逆の意味で応用が可能でして・・・
これまで中国がやってきたように、国内企業に補助金を出してドンドン安値で売りさばくのです。
そうすれば、外国は自国製品を買わず、中国に依存することになります。
外国ではその製品を作っていた業界が衰退することになります。
そのタイミングを見計らって、輸出禁止措置を取れば、外国は干上がってしまい、なんとか輸出して欲しいと懇願するようになります。
それを巧みに外交カードの中に組み込むのです。
実際、日本は中国の策略にはまりました。
低価格部品の調達で手のひら返しをされ、苦境に陥った企業を数多く見聞きしております。
※)中国値段でやれないか? という相談件数は10年前の比ではありません。
このように、日本は政策的に動かないので、輸出入で様々に苦しめられるのです。
日本人(特に政治家や官僚)は、一度、管仲が書いた本 【管子】を読んだ方がいいと思います。
が・・・今調べたら、手軽に読める本が少ないですね。
人気薄なんだなあ・・・