TESTAMENTの「BROTHERHOOD OF THE SNAKE」はスラッシュ・メタルの最高峰!
BROTHERHOOD OF THE SNAKE / TESTAMENT
2016年10月28日発売
ベイエリア・クランチの雄,TESTAMENTが放つ11thアルバムは実に攻撃力が高い内容に仕上がった。もともと超弩級の重量感が魅力のバンドではあったが,<B>がスティーヴ・ジョルジオに交代したことが功を奏したのか,サウンドがより一層アグレッシヴかつヘヴィになった印象だ。ジーン・ホグラン<Dr>とタッグを組んで叩き出す怒涛のリズムは迫力満点。特に手数足数が多く機械のように正確無比なジーンのプレイは毎度のことながら圧巻で,もはや彼なくしてTESTAMENTは存在し得ないとすら思ってしまう。
楽曲はどこを切っても「TESTAMENT印」。ザクザクと刻まれるギター・リフ(ベイエリア・クランチ!)はもちろん健在だし,先述のとおりヘヴィネスも申し分なし。彼らにしか生み出すことができない突撃型スラッシュ・メタルを存分に楽しむことができる。M01.'Brotherhood of the Snake'やM03.'Stronghold',M06.'Centuries of Suffering'などは突進する重戦車の如き迫力を伴ったいかにもTESTAMENTらしい曲だし,M02.'The Pale King'やM08.'Neptune's Spear'はミッド・テンポながらもとんでもなくヘヴィでカッコいい曲だ。
チャック・ビリー<Vo>の声についても触れないわけにはいかない。チャックの声は文字どおりTESTAMENTの顔だ。基本的にはまさに咆哮という表現がピッタリな圧巻のパフォーマンスを見せるのだが,その一方でよく聴くとメロディをしっかりと歌っている。失礼ながら,見る者を圧倒するその威圧的ですらある外見とは裏腹に,チャックは実に器用なヴォーカリストでテクニシャンなのだ。彼の類を見ない声ゆえに,超攻撃的な楽曲はメロディアスな雰囲気すら帯びる。
METALLICA,MEGADETH,SLAYER,ANTHRAXをして「スラッシュ四天王」あるいは「The Big 4」と称されるが,METALLICAがスラッシュどころかメタルの範疇すら超越して孤高の独自ジャンルを形成しつつある今,「速さ」と「重さ」をバランス良く兼ね備えたTESTAMENTは「The Big 4」すら超えるスラッシュ・メタルのアイコンであるとすら言えるかもしれない。
11作目にして最高傑作。それがこのアルバムだ。
【収録曲】(輸入盤)
BROTHERHOOD OF THE SNAKE
01.Brotherhood of the Snake
02.The Pale King
03.Stronghold
04.Seven Seals
05.Born in a Rut
06.Centuries of Suffering
07.Black Jack
08.Neptune's Spear
09.Canna-Business
10.The Number Game
*アメブロからの転載です。