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レビュー/The Halo Effectの1stアルバム「DAYS OF THE LOST」はイェテボリ・サウンド復権の象徴
DAYS OF THE LOST / The Halo Effect
2022年8月発売
これぞイェテボリ・サウンド,これぞイェテボリ産メロディック・・デス・メタル。そう叫びたくなるアルバムだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1660917159959-HHfhpAZQyS.jpg?width=1200)
メロディック・デス・メタルといえば,IN FLAMESである。1990年にスウェーデンで結成されたIN FLAMESが火付け役となり,メロディック・デス・メタルというサブ・ジャンルが確立された。その後多くのフォロワーが世に出たものの,近年は肝心の本家 がメロデスから離れて別方向へと舵を切ってしまった。そんな中,元IN FLAMESの5人からなるThe Halo Effectが本作によって古き良き90年代のイェテボリ産メロディック・デス・メタルを復活させたと言えよう。
デス・メタルながら,The Halo Effectの音楽からは凶々しさや暴虐性はほとんど感じられない(もちろん,完全にゼロというわけではない)。それよりもはるかに強くそこに見て取れるのは,繊細で抒情的な曲調,そして美しいメロディだ。整合性があり,緻密に構築された楽曲群は実にクオリティが高い。それを完璧に表現する楽器隊のスキルとタイトな演奏も素晴らしい。
ミカエルのデス声にはどこか物悲しさが感じられ,それゆえ曲が悲哀を帯びる。彼らの出身地であるスウェーデンのイメージそのまま。このアルバムを聴いていると,雪に覆われた静かな針葉樹林や凍りついた湖といった景色が脳裏に浮かぶ。
メロディック・デス・メタルの肝の一つはギター・リフやそのサウンドだと思うのだが,渦巻く轟音の中でリリカルに鳴り響く本作のギターの音色は,とにかくひたすら美しい。たとえば02"Days Of The Lost"や08”Feel What I Feel”。前へ前へと疾走するヘヴィなサウンドの隙間を縫うように流麗な軌跡を描くリフ/フレーズは,さながら闇夜を切り裂く雷光のごとし。これこそがイェテボリ・サウンドだ。
バンドとしては新米だが,各メンバーは百戦錬磨のベテランばかり。ライブでこそその真価を発揮するに違いないと思っていたが,アルバム発売直後に出場した「Download Japan 2022」でのパフォーマンスを目撃して,その予想は確信に変わった。素晴らしいライブ・バンドである。
【収録曲】
01 Shadowminds
02 Days Of The Lost
03 The Needless end
04 Conditional
05 In Broken Trust
06 Gateways
07 A Truth Worth Lying For
08 Feel What I Believe
09 Last Of Our Kind
10 The Most Alone
11 The Path Of Fierce Resistance*
*bonus truck for Japan only
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