駅で休めない馬を案じる
私にとって弟のようでもあり、兄のようでもある友人がいる。
彼はとても頭の回転がはやく、判断も行動もはやい。
でも、そういう人は上司とか先輩にこき使われやすくもある。「あの馬はよく走る馬だね」みたいな感じで扱われてしまうのだ。
もちろん、それによって周囲から高く評価される。じっさい、私が買い物に迷ったときなんかは、彼がすごくスピーディに、かつ正確に導いてくれる。
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それはそれで嬉しいのだけれど、同時に彼のことが心配でもある。
「ホスピタリティ」って、日本語でどう言うんだろうか。彼のホスピタリティが、ときどき彼自身の体や頭を限界ぎりぎりまで行動させてしまうことがある。
それで、年に何度か、彼は熱を出して寝込んでしまうのだ。
私もストレスに弱いから、これといって大きな病気でもないのに寝込んでしまう気持ちはよくわかる。
(まあ私の場合は内臓が弱いだけなのかもしれないけど…)
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「駅」という単語は、もともとは「馬が休憩するところ」を意味した。おもな移動手段が電車や自動車じゃなかった時代に生まれた言葉だ。
彼はどのくらいのペースで休憩しているのだろう。彼はプライベートな面でも、いま大事な局面を迎えている。だからこそ油断できないのだ。もっと仕事しないと、もっと稼がないと…
もし私が彼に大金をプレゼントしたら、彼はもっとスローな仕事をしてくれるだろうか。