映画『キラーカブトガニ』感想(2023.1.28)
久しぶりに映画館で映画を見た。『キラーカブトガニ』。
「奴らは海からやってきた」
「サメの時代は終わった」
「地獄の天然記念物、人間食べ放題」
等々、心くすぐるキャッチコピー満載のポスターに、映画好きとは言えない自分ですらワクワクを抑えきれなかったのである。見終わった感想を一言で言うと、全体として、何かよくわからんままに終わったが、まあ、それなりの爽快感と滑稽さはあり、楽しかった。
以下、あらすじやネタバレ。
放射性物質で急速な進化と突然変異を経たカブトガニが小さな港町の人間たちを襲う。足が悪く車いす生活を送りつつ、好奇心旺盛で機械の研究に余念がない主人公の少年はじめ、その兄の保安官代理、少年の恋人やその母親の教師、そして少年たちのクラスメイトなどが、事態に翻弄されつつ、カブトガニに立ち向かう。
前半は、アベックが襲われた以外カブトガニがあまり出てこず、むしろ、少年と少女、保安官代理と教師がそれぞれいい雰囲気になるシーンが多くてやや不満だったが、ハイスクールのダンスパーティから様相が一変。
いい雰囲気が、カブトガニたちのダンスホールへの乱入で阿鼻叫喚と化す。カブトガニたちはルンバのような動きで素早く地を這い、間合いを見計らってジャンプし、人間にかぶりついて捕食する。
いつの間にか、通常サイズのカブトガニのみならず、人間の大きさにまで巨大化して手足もあるカブトガニ怪人たちが街を闊歩し、カブトガニたちとともに、コピー通り、人間食べ放題を開始。バリバリむしゃむしゃ。
加えて、鯨を捕食するほど巨大化したカブトガニ怪獣が海からやってくるのである。
主人公たちは逃げ惑い、巨大カブトガニ怪獣に対抗するため、巨大ロボットを作り、少年が操作して戦うことに。苦心の戦闘を経て巨大カブトガニ怪獣を倒したのち、いつの間にか他の街にも跋扈していた巨大カブトガニ怪獣を倒すため、少年が転戦するところで、物語は終わる。
巨大カブトガニ怪獣が出てきてからは、それまで人々を脅かしていたはずのカブトガニやカブトガニ怪人は作中ほとんど出てこなくなり、どうなったのかと疑問に思ったが、まあ、こまけえことはいいんだよ、なのかもしれない。
ホラーものと学園恋愛ものと怪獣もののハイブリッドのような感じ。
妙な鳴き声をあげつつルンバのようにスイスイ動くカブトガニはどこかしら可愛げがあったし、最後のタイトルロール、惨劇後の阿鼻叫喚のダンスホールの血だまりを鼻歌交じりに掃除する男の姿が、シュール過ぎて印象的だった。
最近の映画はこういうものなのか、と、また文化に触れて賢くなった次第なんである。