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リーダーは変化とイノベーションを起こす

1.「管理」も「踏襲」も必要ない

日本の管理職は、決められたことを決められたとおりに行う“管理”は得意です。今、リーダーに求められていることは“管理”ではありません。過去の成功パターンの“踏襲”でもありません。VUCA時代のリーダーの最優先課題は、経験したことのないビジネス環境であっても、方向性を示して新しい価値を生み出すことであったり、環境変化にしなやかに適応して変化をリードすることです。もし、あなたがリーダーとして管理しかせず何の変化も起こさないのだとしたら、リーダーである必要がないといっても過言ではないでしょう。 


現状は、イノベーションや変化を推進するリーダーシップを備えた人材は、どこの企業にも少ないため、そういったリーダーシップ・コンピテンシーを備えた人材をキャリア採用して重要ポジションに就け、ビジネスの成長を加速させる日本企業が増えつつあります。一方で、変化を推進できるリーダーを社内で育成・輩出することが組織にとっての優先事項です。

2.多様性の中からイノベーションを生み出す

グローバル化が加速している現代は、性別、国籍、年齢、価値観など、多様性の中でチームを率いて、新たな変化やイノベーションを起こしていくことが求められます。ダイバーシティが最終的に目指すことは、企業の競争力であり、競合他社との差別化です。 

今なぜ、ダイバーシティ&インクルージョンが重要なのかというと、VUCAの時代にあって、同質の人たちだけでビジネスをやっている限り、新しい発想やこれまでとはまったく違う観点からの多様なアイデアが出にくいからです。さまざまな属性や価値観の人材、「エッジタレント」と呼ばれるとがった人材などを統括して、そこから新しい価値を生み出していく必要があります。 

しかし、日本人や日本の企業は、多様な人材を「リードし活かす」ことが得意ではありません。「日本人×男性×正社員」を基本とした同質な集団の中でビジネスを行ってきたため、自分の価値観や考え方の枠を超えてしまうと、無意識に異質なものを排除してしまいます。 

例えば、他の国と比べて、人種、宗教、価値観などの多様性がほとんどない日本にとって、ジェンダーダイバーシティは、「ダイバーシティの試金石」と言えます。女性か多い組織では、イノベーションが起こりやすく、生産性も上がることは、各データから実証されています。しかし残念ながら、日本企業の女性リーダー登用は、極めて低い水準にとどまっています。 

さらに、女性の問題だけではありません。日本から海外の拠点に赴任したリーダーは、国も宗教も価値観もさまざまな多国籍の人とコミュニケーションをとり、上手にまとめ上げて成果を出すことが苦手です。 

ダイバーシティを経営戦略に置いている日本企業も増えています。CEOがダイバーシティを経営戦略として打ち出している中で、その戦略を実行し、イノベーションを起こし、変化をリードしてビジネスの結果につなげていくカギを握っているのはリーダーです。リーダーが異質の意見やアイデアに「共感」や「受容」できるようになることが第一歩です。

3.ダイバーシティ推進には知識とスキルが必要

ダイバーシティを推進するということは、リーダーにとっては時間もエネルギーも投入しなくてはならず、大変、手間暇がかかります。なぜかといえば、ジェンダー、文化、宗教、専門分野など、違う人々が集まり、それぞれなりの視点や発想を交換し合うところから始まるのですから、そこには、違う意見を持つ人と建設的に対話する力が必要になります。

ダイバーシティを掛け声だけで終わらせないためには、リーダーにはダイバーシティを推進するための知識やスキルが必要です。手始めに、モノカルチャーの日本のリーダーは、「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」に気づくことが最初の一歩です。 

詳しくは、この後のコチコンサルティングの畑さんとの対談をお読みいただきたいと思いますが、「日本企業がアジアで成功するのは、極めて難しい」と、日本企業にとっては耳の痛い、厳しい話を耳にすることが多々あります。 

日本企業のリーダーたちは、同じ価値観、単一性の中でビジネスをしてきたため、多様な価値観をとりまとめて成果を出すために必要な知識を学んでいませんし、それを実際に進めていくためのアプローチをスキルとして身につけていません。多様性に富んだ人たちをうまく活かしてチームを牽引できないのは、そのために必要なリーダーシップスキルがないということも、その理由の一つです。 

日本のリーダーは、先に触れたアンコンシャスバイアスに気づく機会もこれまでほとんどなかったでしょうし、「人」を「個人」として見る力も不足しています。違う意見を持つ人と建設的に対話をする力も不足しています。ハイコンテクスト依存型の日本のリーダーは、自分と違う考え方に興味を持たず、率直に意見交換することもせず、衝突を極力避けて、ものごとを穏便に収めてしまおうとします。 

ある日本の大手メーカーが海外の企業の事業部を買収した際に、現地のマネジャーと日本人のマネジャーの各々にパラレルで事業の責任者を任せたそうです。5年後にマネジメントチームがどうなっていたかというと、80%は現地マネジャーで、日本人マネジャーは、わずか20%しか残りませんでした。日本人のリーダーには、多様性のマネジメントができていなかったための残念な結果です。 

グローバルスタンダードの基本となるリーダーシップ、そして、ダイバーシティマネジメントについて、何も訓練されていない日本人のリーダーが買収企業のマネジメントをすること自体、無理があったのです。

4.おすすめ人材アセスメントソリューション

5.グローバルポジションを獲りにいく

グローバル企業において、日本人は優秀な部下にはなれるが、グローバルポジションはとれないという事態が起きつつある。外国人、とりわけアジアの優秀なリーダーたちが、日系企業の重要ポジションを占め始めている。このままでは、日本人はグローバルはおろか、国内でも重要なポジションをとれないことが危惧される。
日本企業では、なぜリーダーシップ開発が停滞しているのか。グローバルポジションをとれるリーダー人材は、いかにして輩出されるのか――。
日本人のリーダーがグローバルで戦うために世界基準で獲得すべきリーダーシップスキル、及びリーダーシップ開発成功の要諦、人事が起こすべき変革、経営のコミットについて、具体的事例とリーダーシップに関するグローバル・データを織り交ぜながら解き明かす。

6.株式会社マネジメントサービスセンター

創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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