WEB小説はどうやったら読まれるようになるのか?
先日、Twitterで以下のツイートをしました。
私も小説を書いておりますが、精魂込めて書いた作品が読まれないのは悲しいものです。
Twitterのタイムライン上にも「読まれない」「どうしたら伸びるのか」「小説になろうは埋もれる」などの声が毎日のように上がっていました。
確かに、ふと目にとまった作品を読み「なんでこんなに素晴らしいのに全然読まれていないんだ!」と思ったことは多々あります。
そこで、投稿サイトやジャンル、年齢層などの傾向から、どうにか作品を適切に読んでもらうことはできないかと考え、先程のツイートをしました。
予想よりも多くの反応があり、一人一人分析するのはどうしても時間が足りないため、ヒアリングシートへの回答、全体の分析という形をとらせていただきました。申し訳ありません。
回答へご協力いただいた皆様、ありがとうございました!
さて、今回いただいた回答数は48です。
分析する母数としてはかなり少なく、また伸び悩んでいる作者様からの回答が多数を占めているため、正確なデータではないことをご了承ください。
しかし、わずかなデータからでも読み取れることはございますので、今回はそちらを共有させていただき、作品が読まれるための基本方針をお伝え出来ればと考えております。
では、早速結果から見ていきましょう。
ターゲットの設定
「WEB小説が読まれない!」と嘆く作者へに対して「ニーズが合っていないのでは?」という意見を、しばしば見かけます。
確かに需要がない作品は読まれませんが、ちょっと待ってください。
ニーズがないのは、投稿しているサイトに、狙っている読者がいないだけなのでは?
そのような疑問があり、まず読者ターゲットを分析しました。
まずは年齢層です。
読者ターゲットを10~20代と設定している作者様が多いですが、意外にもターゲットを広く設定している方も多くいました。
次にターゲット別の読者数です。
(※UU数が計測できないサイトあったので、総PV数を話数で割って想定読者数としています)
一目瞭然ですね。
10〜20代をターゲットとした小説が、読まれています。
しかし、これ一部の作品が突出した数字なんですね。
「小説家になろう」で想定読者数を作者数で割ると、実は割合はばらけます。
今回は母数が少なくてわかりづらいですが、以下のことが予想できます。
・10〜20代向けの作品の需要が最も多いが供給過多
・年齢層を広げた作品は需要が少なくなるが供給も少なくなるので競争率は下がる
・20〜30代向けの作品はさらに需要が少ないが、供給量も少ないためそこそこ読まれる
次に、作品のジャンルです。
回答いただいた作品のジャンルは「現代ファンタジー・異世界ファンタジー」で半数を超えます。人気ジャンルですね。
では、ジャンル別の想定読者数を見てみましょう。
何度も申し上げるとおり、母数が少ないのでこれが正しいとは言えませんが、今回はSFの方が割合が高いという結果になりました。
考えられるのは、回答いただいた方は「異世界・現代ファンタジー」のジャンルで伸び悩んでいる人が多かった。ということです。
読まれる異世界系作品
今回のアンケートでは「同じジャンルの他作品との差別化ポイントを教えてください」という設問を設けました。
結論から言います。作者様からいただいた回答内容を比較すると、埋もれていない、PV数の多い異世界系作品は他作品との差別化が出来ています。
差別化とは、設定を工夫しているということではなく、何か根幹から変えているということです。
これが出来ているか出来ていないかが明暗を分けています。
もう一点、大事な要素があります。
「タイトルが目を引く作品であること」です。
長文タイトルが悪いとか、そういった論調がここ数日ありましたが、読まれるための手段であれば問題ありません。
マンガや小説の「ジャケ買い」をしたことはありませんか?
同じ事です。
問題なのは、タイトルが目を引くにもかかわらず内容の面白さが伴わないという場合です。
今回、「感想・レビュー件数 / 総PV数」で「作品への反応率」を算出しました。
(※「ブックマーク数 / 1話あたりのPV数 」にしなったのは、後ほど理由を説明します)
差別化が出来ている作品ほど反応率が高くなるんですね。対して、差別化が弱い作品は反応率が下がります。
これは投稿サイト別に算出しているので、それほど外れていないように思います。
反応率の高い投稿サイト
作品に感想やレビューを頂くと嬉しいですよね!
実は、反応率は投稿サイト別で大きく異なります。
【サイト別の平均反応率】
「小説家になろう」:0.29%
「カクヨム」:1.14%
「ノベルアップ+」:0.19%
カクヨムが圧倒的に高いです。
反応が欲しい人はカクヨムを選ぶと良いかもしれませんね。
次に、作品毎の想定読者数からブックマーク率を出したデータを以下に記載します。
【ブックマーク率】
「小説家になろう」:38.04%
「カクヨム」:79.99%
「ノベルアップ+」:15.39%
カクヨムさん、明らかに異常値です。
しかし「高い!みんなブックマークしてくれる!カクヨム最高!」というわけではなさそうなんですね。
計算式は以下の通り。
話数 / 総PV数 /ブックマーク数
何が異常値かというと、カクヨムさんでは1話あたりのブックマーク数が100%を超えてしまっている作品が複数あったんですね。
つまり「ブックマークしてるけど読んでないよ!」って人がいるわけです。
何故なのか、そこまでは分かりませんがカクヨムさんのブックマーク数(フォロー数)は少しおかしい。
なので、ブックマーク率というもので図らずに、感想やレビューで「反応率」を出したわけです。
Twitterのフォロワー数と作品の評価
これは一言、関係ありません!!
もうみなさんバラバラでした。
フォロワー数が多いから作品が読まれるということは、あり得ません。
ただし、例外があります。これは後ほど触れます。
じゃあどうやったら読まれるの?
ここまで分析を見て頂いた方ならもうお気づきかと思います。
PV数は追いかけても無駄です!
ジャンルによって母数が変わります!
ターゲット年齢によって競争率も変わります!
フォロワー増やしても意味ありません!
ブックマーク数はまやかしの可能性があります!
では何を持って評価されているというのか。
反応率です。
読んでくれた人が感想を言う、レビューする。無理にお願いして書いて貰うといったグレーな行為を除き、それは作品が読者の心を動かしたということです。
たくさんの人に読まれることももちろん嬉しいですが、一番嬉しいのは読者の心に影響を与えることではないでしょうか。
たくさんの人に読まれて、たくさんの人が反応を返してくれるような作品が最高なのかもしれませんが、母数で考えましょう。
10000人の潜在読者がいて、そのうち50人が読んでくれて、30人が反応を返してくれるのであれば、たとえPV数が少なくても、とても素敵な作品です!
きっと、その潜在読者もだんだんと読んでくれるようになります。
読者ターゲットに読まれたい!
ここからやっと本題です!
反応率が高い作品が良いと言いましたが「反応してくる人に作品をどうやって届ければいいの?」という疑問が残りますよね。
はい。Twitterを活用しましょう!
「えっおまえ、さっきTwitterのフォロワー数は関係ないって……」と思われた方。そうです。関係ありません。
しかし、フォロワーさんが自分の作風を好きだと思ってくれる人で溢れていたらどうですか?
とてもリーチしやすいですよね。
日々、宣伝のツイートを流しているだけで、潜在読者にアプローチできるんですよ?
むやみやたらとフォロワーさんを増やす必要はありません。
しかし、自分の作品を好きになってくれそうな人とつながりを増やすのは大切です。
そんなフォロワーさんをどうやって増やせばいいの?
作品を読んで感想をお送りしてください。
ご自身の好みではない作品を無理に読む必要はありません。あなたの好きな作品を読んで、その作品が好きだと感想を送って下さい。
あなたが好きな作品の作者さんです。あなたと感性が近いはずです。
そういった人に好かれて、読んでもらって、感想やレビューを自然と書いて貰う。もし好かれなくても、あなたは素敵な作品を読めたのです。無駄ではありません。
最後に
今回の分析とこの記事、一番得したのは誰でしょうか。
そうです。私ですね!
私の作品は情報とSNSをテーマにしています。
昨日の私のツイート、どれだけの人に届いたかを見てください。
12,889人に見られて、1,975人がエンゲージメントしています。
私の作品の読者ターゲットは「SNS」を利用するすべての人です。
私に興味を持っっていただいたフォロワーさんが80人以上増え、小説もPV・レビュー・ブックマーク、すべて増えました。
もちろん、目的は素敵な作品を埋もれさせないようにすること。そして作者さんを応援することですが、どうせやるなら自分も得した方が良いですよね!
「本当に実践したら読んで欲しい人に、読まれるようになるの?」と、疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。
先述した平均反応率と、私の書いている「情報快楽主義者」の反応率を比較してみます。
【サイト別の平均反応率】
「小説家になろう」:0.29%
「カクヨム」:1.14%
「ノベルアップ+」:0.19%
「情報快楽主義者(カクヨム)」:3.10%
上記の数値を見て頂ければ分かるとおり、読まれるようになります!
最後までお読み頂きありがとうございました。
個別の分析は、さすがに件数が多すぎるのですべての対応は難しいのですが、この記事の公開時点より前にアンケートに回答いただいた方には、できる限りお応えしたいと思います。