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『ちゃんと』の呪い


『ちゃんと』って不思議な言葉だ。
『きちんと』と大体同じ意味だけど、
こっちもどうも、不思議な言葉だなあと思う。

私は長子で長女なので、比較的「ちゃんとしなさい」と言われて育った。
今となってはどこもかしこも全くちゃんとしてない人間になってしまったが、
たまーに、ふとしたとき「ちゃんとしなきゃ」という気持ちになっていることに気づく。

例えばこういう、noteみたいな外部に公開する文章を書いたりする時。

もっと適当に思いついたことを書けばいいし、
誰がみているわけでもないし、みているとしても、
私が「ちゃんとしたことを書く」必要は全くない。
だからいつも「ちゃんとしなくていいよ」と自分に声をかけているつもりなのだけど、どこかで「やるからにはちゃんとしなきゃ」と思い込んでいて、ちゃんとできなくて、続かないのである。


もっと「ちゃんとしてないけどとりあえず続ける」という心持ちが欲しい。

それにしても「ちゃんとする」とは、やっぱり不思議な言葉だ。
何をどう、ちゃんとするか言われなくても日本人ならば察せてしまう。それは少なからず誰かから「ちゃんとしなさい」と言われたことがあるからだろう。むしろ「ちゃんとしなきゃ」と思っている日本人の、なんと多いことか。

せめて人に対して「ちゃんとして」と言うことがないよう
肝に銘じておきたい。


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