新しい価値基準の社会、例えばブロックチェーン地域通貨による「自律分散社会」の実現化可能性

18世紀、イギリスの産業革命は当時における新しい価値基準社会であった「資本主義」が生み出された時代であった。
18世紀の産業革命時のイギリスの人口は600万人程度。東京23区の人口は1000万人弱。世田谷区単独でも100万人弱。
この人口規模から考えると日本全体は難しいにせよ、東京23区や世田谷区において新しい価値基準の社会を実現することは非現実的ではないと推察できる。

野村総合研究所の調査によれば、40世帯に1つは1億円以上のキャッシュを保有している(純金融資産であるため、不動産資産ははさらにこの外枠として存在する)。
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2020/cc/1221_1

東京都においてはこの層は32%、つまり13世帯に1つは1億円以上のキャッシュを保有している(大和総研の調査)。
https://www.dir.co.jp/report/research/capital-mkt/asset/20220317_022913.html

東京23区や世田谷区(23区内で平均年収ランク年収第7位)ではこの比率はさらに高いものと推察できる。

18世紀の産業革命時代と現代の異なる要件としてテクノロジーの発達がある。インターネットが一般化し、その上でブロックチェーンが活用できる現代において、本来国家しか保有していなかった通貨発行権に類するものをブロックチェーントークンをベースとした地域通貨の発行が可能である。ブロックチェーントークンによる暗号資産(仮想通貨)は日本の法令上は通貨として認められないが、実質的には通貨になってしまう(ビットコインやイーサリアムは純金融資産でありいつでもキャッシュ化⦅法定通貨への交換⦆可能な状態にある)。
現在の金融資本主義(信用創造をベースにした法定通貨による資本主義)においては、多額の法定通貨を保有していることは社会価値転換へのハードルは低く(それが故に「エシカル・ラグジュアリー」といった最適化社会の実現の一側面がある)。

このように社会環境(特定地域におけるラグジュアリー層の比率の大きさ)、テクノロジーの観点(ブロックチェーントークンによる地域通貨)では新しい価値基準の社会(自律社会)実現は可能な状態にあり、民主主義をベースとした近代社会においては「民意」がそれを認める/許容する部分にブレイクスルーのポイントがある。

果たして「民意」は新しい価値基準の社会を受け入れるのであろうか。

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