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子どもの頃『孤児(みなしご)』ってちょっとロマンチックかな、と思ったりした

既に鬼籍に入ってしまったが
私が子どもの頃、両親は揃っていて
私が「孤児(みなしご)」だったことは無い

父はまだ勤め人
母は時に洋裁の内職をしてはいたが
基本的には専業主婦である
裕福とは言えないが
穏やかで暖かく
平凡な昭和の家族だったと思う

私は父母がとても好きだったし
少しだけ甘やかされていたが
聞き分けもお行儀も良い子だったのだ

外遊びが好きではない一人っ子
二階の出窓に座って外に向かって
シャボン玉を吹くのが好き
母の作ってくれたビーズの指環や
透明やパールっぽいのやらの綺麗な釦
拾ったタイル
頂き物に掛かっていたリボン等々
お菓子の缶にしまって宝箱のつもり
·····
自分で隠して家の中を探検
探して見つけるそんな遊びをしていた

その頃住んでいた母方の祖父母の家は
バルコニと呼んでいた
三方ガラスの物干しがある二階屋だ
裏には必ず毛虫のつく葡萄棚があり
階段は急、程々に薄暗い古い家である

そんなこんなで私は物語に暮らし
出来そうもない冒険が好きであった

さて、「みなしご」が主人公の物語
子どもの頃に割と読んだような気が·····

主人公は頭が良く前向きで努力家
孤児だから自立も自律もしている
美形では無いが個性的で魅力的
(主人公だから当然?)

上記の項目が属性として備わるなら
「みなしご」になってみたい、とか
バカな子どもはちょっと考える
「孤児(みなしご)」ってロマンチックと
短絡的に思っちまった訳だ
父母が居ての、臆病で弱虫の私
穏やかな家、楽しい家族なのは
おバカな私でも分かってます、って

アン・シャーリー、セーラ・クルー、
ジェルーシャ・アボット、ドロシー、
パレアナ·····
(翻案有の名作劇場じゃないホンモノ!)
冒険して機転が効いて
なんだかんだ幸せになるし
みなしご女子はみんなスゴイんだ

それに引き替え
オリヴァー・ツイストやレミとか
何故か男子はかなり悲惨なのだけど·····
主役じゃないけど
コゼット(ユーフラジー)は
とても悲惨(miserable)で辛い
ちゃんと幸せになるけど
あまりなりたくない「みなしご」です

中学生の頃は
幸せそうでないジェイン・エアには
わりと夢中
感じ悪そうで描く絵も変人っぼい
押し付けがましくない
思いやりのありそうな子で独立独歩
いろいろ乗り越えて幸せになっちゃう

「ジェイン・エア」は通俗的で
「嵐が丘」に比べて文学的とは言い難い
·····らしい?が、私はこっちが好きです
キャサリンはあまり好きじゃなかった
二人ともずっと不幸っぽい
最後でキャシーは幸せにはなるけど
ヒースクリフの捻れ感が甚だしく
子どもの私は疲労してしまったのだ
(話が「みなしご」から脱線です)

さて、一番好きな「みなしご」は
アン・ベディングフェルド
孤児と言ってもオトナになってから
お父さんを亡くしてるので
子どもの頃の苦労はあまり無い筈で
「みなしご」としては違ってるかな·····

無鉄砲なりに判断力とかちゃんとある
心許ない感じはしない
心配しすぎる親がいない分
冒険とかし放題な気もするから
活劇にはピッタリな境遇ではある
小さなピストルを
ガーターに挟むとこなんか
スバイっぽくて素敵と思っていた
(暴発しないのか?が気になる)

ということで
私がボンヤリな子だったってことと
今でも文章は常にボンヤリだってこと
本日は
物語の中の「みなしご」の名前を
ただ書いただけだったみたい
最後もちょっとハズレちゃってるし
·····ヤレヤレ






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