37歳から未経験で転職。Ms.Engineerで女性がエンジニアになるためのリアルストーリー
笹川:Ms.Engineerの第二部が始まりました。ここからは、司会をやまざきさんから、私に移させていただきました。
さて、第二部では、「女性にエンジニアという新キャリアを〜未経験からエンジニアへ、リアルストーリー〜」というタイトルで進めさせていただきます。より具体的に女性の働き方とエンジニアという職業の親和性について、学んでいこうと思います。
それでは、さっそく第二部のゲストの方々をご紹介いたします。まず、第一部に引き続き、Ms.Engineer代表のやまざきひとみさんです。よろしくお願いします。
やまざき:よろしくお願いします。
笹川:改めて想いをグイグイ聞かせていただきます。そして、6月より開講いたします、Ms.Engineerにてカリキュラム提携をいたします、最難関のプログラミングブートキャンプ、コードクリサリス共同創業者のKani Munidasaさんです。Kaniさんとお呼びしてよろしいですか?
Kani:大丈夫です。よろしくお願いします。
笹川:とても難しいという言葉があったんですけど、シリコンバレー式のプログラマーの育成プログラムをやってらっしゃる、ということですよね。
Kani:はい、そうです。
笹川:そして、コードクリサリス卒業生で、未経験で看護師からエンジニアに転職なさった、現役エンジニアのMikuさんです。お忙しいなか、今日はありがとうございます。
Miku:今日は、よろしくお願いします。
笹川:去年、看護師をやめられてエンジニアに転職し、キャリアをスタートしたということで。
Miku:去年、学校に通って、今年から新しくキャリアを始めました。
笹川:楽しいですか?
Miku:とっても楽しいです!
笹川:いいお顔ですね。お話たくさん聞かせてください。よろしくお願いします。以上、3名の方々と第二部では、「女性にエンジニアという新キャリアを」というお話をしていただきます。
また、配信内での感想やご質問は今、表示されている下の部分です。「#Ms.Engineer」でTwitterまで、お寄せください。
ご質問は、配信の最後にお時間おある限りお答えさせていただきます。
それでは、内容に入っていく前に、Ms.Engineer代表のやまざきさんより一言頂戴いたします。
エンジニアはコロナを経て女性にとって働きやすい職種に進化した
やまざき:Ms.Engineerは、女性のためのオンラインプログラミングブートキャンプです。エンジニアは、コロナでもっともリモートワークが進化した仕事だと言われています。
働き方として、時間、場所、転職において自由が利きます。IT人材はこの先、2030年に最大79万人足りなくなると言われています。つまりこの先数十年において転職市場で困らない、年収も他の職種に比べて給与水準が高いこともあり、この先、一生働ける可能性がある、女性にとってめちゃくちゃ働きやすい職種なんじゃないかと思っています。
ただ、エンジニアになると言っても、付け焼き刃で慣れるものではもちろんなくって、プロフェッショナルな技術職なので、今回創設するにあたって、本当に価値のある、自立して仕事をしていけるエンジニアを育成するために、「プロフェッショナルになれるカリキュラムをつくること」が一番大事だと思っていました。
コードクリサリスさんはおそらく日本で一番難しくて厳しいプログラミングスクールで(笑)、コードクリサリスさんにお話し、共感していただき、カリキュラムを提携していただくことになりました。
難しい、とは言いましたが、日本で一番質のいいカリキュラムを提供できると思っていて、すごく自信があります。なので、エンジニアというキャリアに一歩踏み出すための何かヒントや、知るきっかけを持っていただければと思っています。
笹川:しっかり学んで、この先の職業として安定させていくというのは、キャリアチェンジという意味ではすごくいいですよね。
やまざき:手に職を持ちたいと思っていらっしゃる女性はすごく多いので、そういう方の選択肢の一つになればと思っています。
これからの世界はソフトウェアエンジニアを軸に動いていく
笹川:では、さっそく一つ目のテーマです。「エンジニアってどんな仕事なのか?」。エンジニアという言葉は世の中で聞いたことはあっても、説明するとなるとうまく言葉にできない方もいると思います。プロフェッショナルでいらっしゃるKaniさんに教えていただきたいです。
Kani:エンジニアっていう言葉ですが、もともとラテン系の言葉からきていまして、「ものを作る人」っていう意味なんですね。昔だったら、エンジニアといったら「メカニカルエンジニア」とか機械系とか電気系というイメージでした。最近では、「ソフトウェアエンジニア」の方で捉える人の方が増えてきましたね。
でも、簡単にいうと「ものを作る人」ですね。
近年、世界を動かす企業というのは、みんな、「ソフトウェアを軸に」して動いています。なので、今日はソフトウェアという概念からお話しますけれども、業界を問わず、いろいろなものを作れる人、ハイレベルな意味で使われていると思います。
笹川:つまり、どんな仕事でもなくてはならないものということですね、やまざきさん。
やまざき:そうですね。例えば、ソフトウェアというと、身近なものではどんなものがありますか?
Kani:例えば、よく使っているプラットフォームがそうですね。FacebookやTwitterなども、ソフトウェアからできているものです。iPhoneもハードウェアですが、中はソフトウェアですね。カメラもそうです。最近のデジタル製品にはほとんど搭載されていて、ハードウェアの機能をよくするために、すべてのものをつなげているのが、ソフトウェアという考え方です。
笹川:エンジニアになった場合、自分の興味ある分野には必ずエンジニアの仕事がある、という認識でいいのでしょうか。
Kani:本当に、その通りです。今後、業界問わずソフトウェアが軸になって、プロダクトもしくは会社の価値を生み出すんですね。だから、もし金融機関に勤めていたとしてもプログラミングができれば、観光業に転職するなども楽にできるようになります。
笹川:なるほど、業界転職ができるということですね。ワクワクします。Mikuさんは現役エンジニアということで、今はどんなお仕事をされているか伺ってもいいですか?
Miku:私は今、ケアコムという会社で、医療連携のシステムを作る仕事に携わっています。どんなものか具体的には、病院、診療所、在宅。それぞれ点在する医療施設で、アプリを使って電子カルテや情報を共有できるものです。私自身は、そのシステムの中でフロントエンドのチームで働いています。みなさんがアプリを利用したときに、一番最初に目にする部分に携わっています。
笹川:ということは、看護師からの転職であっても医療系のお仕事をなさっているということは、前職のご経験が生きているということですよね。
Miku:はい、まさにそうです。看護師の資格を持って、プラスアルファでエンジニアの仕事をしたいと思って学校に通ったので、今はやりがいを持って働けています。
笹川:どんなところが楽しいですか?
Miku:そうですね、自分が実際にものを作っているという実感がある。あと、もともと、自分が医療の課題を感じていたので、それを解決できるという希望が楽しさにつながっています。
笹川:ご自身がどれだけ頑張るかで、改革にダイレクトにつながっていきそうなお仕事ですもんね、エンジニアは。
37歳、看護師からエンジニアへのキャリアチェンジ
さあ、続いてのテーマは「未経験からキャリアチェンジするときに大事にしたこと」です。
またMikuさんに色々お伺いしたいのですが、30代半ば(37歳)でのキャリアチェンジですが、勇気がいったかと思うのですが、当時の心境を思い返して、いかがですか?
Miku:はい。やっぱり、勇気はいりました。私は福島の出身で、看護師の免許をとってから東京にきました。主に診療所で看護師として働いていました。自分自身、数学に苦手意識があってプログラミングは理系の仕事、という強い思い込みもあったので、自分自身がプログラミングの仕事をしていることに驚いています。
笹川:看護師さんとして働いていると、エンジニアという言葉とあまり出会わないのではないですか?
Miku:診療所で働いているときに、患者さんのニーズが多様化しているということと、医療従事者や支援者の数が圧倒的に少ないので、そのことがフラストレーションでした。その課題をテクノロジーを使って解決したいという思いと、自分自身が歳をとったときに安心して地域に暮らしたい、そういうシステムが欲しいという気持ちがあったので、プログラミングを勉強してみようと思いました。
笹川:システムや仕組みを変えたい、というのは、まさにエンジニアという職業にピッタリですね、やまざきさん。
やまざき:ものづくりが好きでエンジニアになって、自分で作れるようになって仕事が楽しくなったという声をよく伺いますね。Mikuさんは、自分が向いているのか、向いていないのかで不安に思うことはなかったんですか?
Miku:どちらかというと文系だったので、一歩踏み出すのは、怖かったです。でも、コードクリサリスのデモデーに参加したら、先生も生徒も楽しそうだったので、「私もここで絶対勉強したい!」と思って決めました。
やまざき:やってみて、「これは、やっていけるな」と思う瞬間とかあったんですか?
Miku:うーん・・・私は落ちこぼれだったので(笑)。すごく大変でした。ぜんぜん、何を教わっているのかもわからないし、もうわからないことがたくさん。でも、今であればわからなくて当然なんだよって言えるんですけど、当時はわからない自分に落ち込むことも多かったです。ただ、コードクリサリスでは、先生やクラスメイトにもすごく恵まれたんですね。
特に、教える側も学ぶ側も「一緒に成長していこう」、という風土があるんです。そこで得た仲間意識っていうのが、自分の中ですごくモチベーションになりました。こういう目標を一つにする人と、一緒に学べるというのは独学ではなく学校だったからこそ、得られた経験なんじゃないかなと思っています。
エンジニアは「チームで働く」仕事
やまざき:勉強を始めてから1年で転職されたということですが、転職活動をする上で大変だったこととか、大事にされたこととか何かありますか?
Miku:どの業界もそうですが、学び続けることが大事ですね。今入った会社でも、一から覚える言語もありますし、でも、私は学校でエンジニアとして大事なこと、単にプログラミングのスキルを学ぶだけではなくて、常に学び続ける姿勢だったり、チームでエンジニアとして働くということを教わったので、それが今回のキャリアチェンジにつながったと思います。
笹川:「チームでエンジニアとして働く」というのは、とても心に残ったのですが、素人だとエンジニアって一人一人が働くイメージですが、チームなんですね。
Miku:エンジニアは一人で働く仕事はないと、私は思っています。大きな仕事であるほど、一人一人が連携して一つの目標に向かってものを作っていくということで、本当にチームが大事になってくると学びました。
笹川:Kaniさん、コードクリサリスの思い出の話をMikuさん、本当に楽しそうにお話されていますが、Kaniさんから見てどうですか?
Kani:僕は学校(コードクリサリス)へ行くのが大好きなんですね。それは、生徒さんのエネルギーがすごくて、みんな夢や希望を持ってきて、頑張って勉強している姿を見るとすごいエネルギーをもらいますね。昔は、エンジニアっていうと、暗いところで一人でポテトチップス食べてコーラ飲みながらコードを書いているような(笑)、そういうイメージがあったと思うんですが、今は全然違うんですね。明るいところで、何人かで、「ペアプログラミング」っていう概念があるくらいなので、何人かでペアになって作るというのが主流になっていますね。
笹川:今、Kaniさんがおっしゃったようなポテトチップス食べて、というのは映画とかで見るシーンですが、やまざきさんはこのタイミングで女性向けのサービスを始められたというのは、時代が変わったと思われたからですか。
給与が高い、柔軟な働き方が得られる、需要が高い、仕事に誇りを持てる
やまざき:コロナが私の中ですごくきっかけになっています。女性の就業環境が悪くなっていて、業界によっては厳しいところもあって、女性の失業率が高いとか、女性の方が自殺率が高いとかそういう話題を見るたびに、でも、IT業界は人材が足りないという。ここっておかしくないかな、と思ったんですよね。経済成長に対して成長している分野で自分が必要とされる仕事につくとすごく楽しいし、みんなから必要とされる仕事をする方がいいんじゃないのかな、というのが着想になっています。
笹川:すでにエンジニアに対するイメージが変わりつつありますが、実は、やまざきさんと一緒にMs.Engineerを創設された神谷優さんも3人のお子さんがいらっしゃる現役のママエンジニアと伺っているんですが。
やまざき:そうなんです。神谷さんは、今も現役です。サイバーエージェントで新卒エンジニアの第1期生として入社して、今も活躍しているエンジニアです。今も3人目のお子さんを妊娠中で今にも生まれそうということで(笑)、今日は来られなかったんですが。彼女を見ていると、家族を増やしているし、「仕事に困ることはないです」というスタンスで生きているんです。女性にとってエンジニアは働きやすい、という実感があるので、自分の仕事をもつ女性が増えた方がいいと言う思いがあって、共同で創設してくれることになりました。
彼女からコメントを預かっているので、読み上げさせてください。
「女性の結婚や育児というライフスタイルに合わせやすいという点において、私自身の実際の経験をお話したいと思います。
子どもが小さいとき、職場復帰後は、家でも職場でもプログラミングの続きが書けるように仕事をしていました。まだコロナ前でしたが、私のチームはすでに週の半分はリモートワークで働けていました。子どもが保育園に行けない日も、半休などを取りつつ、家で仕事をすることもできました。
3度目の妊娠生活はコロナの真っ只中だったので、フルリモート。つわりの頃は、これが本当に助かりました。体調が回復してからは家でバリバリ仕事ができて、ウェビナーなどの登壇案件も全て家でこなして結果的に今期の会社からの評価はかなり高かったです。
良いことばかり挙げましたが、私も下積みの時代もあります。ツライ経験も何度かしました。最悪のケースは、自分の作った機能にバグがあり、システム全体が落ちてしまったこと。これは本当に凹むんですが、こんな苦い経験もエンジニアなら誰でも味わっていると思います。
一人前になるには、そこそこの経験と努力が必要なことは確かです。ただ、基本的に給与は高いし、柔軟な働き方が得られる、需要が高いので職を失うことがないなど、そこにかけるリターンは確かなものです。
また、別の角度から見ると女性のエンジニアは少ないので、ロールモデルがたくさん増えれば、女性のお手本も増えて、日本のIT業界のジェンダーギャップの解消にもつながると思います。今日のイベントの参加者の中から、このロールモデルが出てくることを願ってます。一緒に頑張りましょう」
ということです。
笹川:これからMs.Engineer0期生を募集するわけですからね、ロールモデルになる方が、ここから出てくるということは、ワクワクしますね。
やまざき:私も彼女、大好きです。めちゃくちゃかっこいいんですよね。やっぱりエンジニアの女性は自分の仕事に誇りを持っている方が多いなと思っていて、そういう人が増えればいいなと思います。
オンラインが進化したことで、女性も学ぶハードルが下がってきた
笹川:Mikuさん、会社には女性の先輩もいらっしゃるんですか?
Miku:今、働いている会社は女性のエンジニアは私一人なんですが、私はコードクリサリスの大きなコミュニティにいるので、わからないこととか、ロールモデルはたくさん日々触れることができています。
笹川:Kaniさん、コードクリサリスで受講される女性はどんな方がいらっしゃるんですか?
Kani:コードクリサリスの生徒の約40%が女性なんですね。外国人が多いと思われていますが、ネイティブの日本語を話す方が57%くらいです。バリスタの方からプロのバレエダンサー、演劇の先生や看護師さんもいました。
ご紹介している小谷野瑛里さんは、オリンピックの広報をしていましたが、コロナで延期になったことで仕事を失ったので、困っていたところ、ソフトウェアエンジニアになりたいといって入学されました。
彼女は、先日卒業してプロダクトマネージャーとして転職しました。日本はプロダクトマネージャーでコードを書ける人は少ないんです。なので、エッジを持って新しい仕事に挑戦して、頑張っています。
本山公子さんは、カスタマーサポートで仕事をしていた方で、ファウンデーションというビギナー向けの講座に入ってきてくれたんですね。僕がたまたまお話できる機会があって、彼女の職場の話を聞いていたら、残業続きで「3日帰ってない」とか、ひどい環境だったので、「もう、いますぐ辞めなさい」って僕は言ったんです。
ソフトウェアエンジニアになるには、根気も努力も必要なので、なかなか大変なんです。でも、それだけのリターンがある。彼女は、ファウンデーションクラスを卒業して、3ヶ月のブートキャンプの方に入り、卒業して今はエンジニアとして働いています。前職に比べて給料が倍になった、と言ってました。
いろいろなケースがありますが、こういう話ばっかりです。
笹川:やまざきさん、これはいいキャリアチェンジの例ですね。
やまざき:そうですね、あとKaniさんに伺うと、お子さんのいる方やシングルマザーの方もいらっしゃるとか。
Kani:シングルマザーの方もこの間、卒業されたばっかりで。3ヶ月以内に就職も決まって、今エンジニアとして働いていますね。リモートでも授業を受けられるので、学校に来なくていいんです。お子さんの面倒を見ながら3ヶ月ガチのブートキャンプを終えたんです。
やまざき:人生、変わりますよね。もちろん、厳しいと思うんですが、リモートでできるようになったので、時間の余裕が出てきて受けることが不可能ではなくなったと思うんです。もちろん、周りの方のサポートも多少は必要かもしれませんが、3ヶ月だし、なんとか時間を確保して受ける価値はあるんじゃないのかなと。
Kani:そうですね、昔と比べてだいぶハードルは低くなったと思います。リモートで取れるし、パートタイムのプログラムも提供しているし、期間は長くなりますが仕事をしながらでも受けられるプログラムもあるので、受けやすくなっていると思います。今後も課題は改良していきたいと思っています。
笹川:私の周りにも、産休育休中に何かの資格を取る先輩や友達が多かったんです。育休って半年から1年くらいじゃないですか。カリキュラムも半年ということは、もちろん大変だと思うのですが、できなくはないですよね。
やまざき:復帰後のキャリアが、ディフェンシブになるんじゃないかと思ってしまう女性は多いですが、受講すればさらに働きやすく活躍もできるイメージをエンジニアは抱きやすいんじゃないのかなと思います。
今回、コードクリサリスの女性エンジニアの方からメッセージをいただいているんですが、みんなすごい前向きで、めちゃくちゃ熱くて。Mikuさんもすごく熱いメッセージをくださってて、本当に踏み出す勇気されあれば「すごく充実しています」だとか、「ぜひ、やってください」という方ばっかりなので、本当に挑戦する価値があるなと思います。
ダイバーシティを進めたい企業が増え、働き口も増える
笹川:キャリアチェンジしてよかったな、と改めて思うことについて教えてください。
Miku:学ぶことは、自分の力になるんです。エンジニアの仕事、どうしようかなと思う方がいれば、ぜひ、踏み出してみてほしいです。私は、できない人間なんですが、学ぶ環境があったから、こうして新しい職場で生き生きと働くことができているので、みなさんもできると思います。ぜひ、挑戦してみてください!
笹川:ありがとうございます。勇気が出ますね。Kaniさん、改めて女性がエンジニアになることのメリットについて教えていただけますか。
Kani:いろんな角度から答えられると思うんですけど、世間的にいうと、いいプロダクト、プラットフォームを作るには、ダイバーシティに溢れたチームで物を考えないといいものは作れないんですね。会社の方も、おじさんと男ばっかりが作るエンジニアリングと、女性もいるチームで作るものでは世間で受けるかどうかは明らかに違うんです。
なので、女性のエンジニアが必要なんです。それは、会社にもだし、社会にもです。
笹川:世界のエンジニア事情は日本に比べて女性の比率が高いんですか?
Kani:実は、世界でもジェンダーギャップがあります。でも、日本は激しいのです。しかも、他の国はなんとかしないとやばい、危ないという危機感のもと、努力しているんです。国をあげてなんとかしようと取り組んでいますが、日本は何もしていません。なので、どんどんその差が広がっているのです。
今回のMs.Engineerというプロジェクトも、「なんとかしたい!」という想いから、一緒にやりたいと思って始めました。
やまざき:今回、プレスリリースを出したら、パッとメッセンジャーが来て、みなさんも知っているようなすごく有名な起業家の方から、
「すごい、いいね。自分の会社も女性エンジニアを採用して、ダイバーシティを進めたいけれど、なかなかいない。だから、いいエンジニアが育成できた暁には、相談させて」
ということをいただいたんですね。採用したいと思っている方は、すごく多いですね。
笹川:女性にとっては、ブルーオーシャンというか、働き口がいっぱいあるということですね。それが見えていると転職も安心してできる部分もありますよね。
初心者コースからはじめ、応用技術コースへ
ここまでで、エンジニアという仕事に興味が沸いた方も多いと思います。では、実際に受けられるコードクリサリスのカリキュラムについて、お話を伺いたいと思います。
提携されているカリキュラムは2段階あるんですよね?
やまざき:今回、Ms.Engineerを受けていただくとなると、まず、「初心者向けの基礎コース」。これは、受講期間が5週間になります。これは、仕事を続けながら、あるいは学校などに通いながらでもできるプログラムです。平日の夜2日と土曜日の日中に授業を受けるものです。
受講後、どの程度のことができるようになるかというと、HTML/CSS/Javascriptを学べます。システムというのは、いろんなものをつなぐ裏側のプログラムと、みなさんが見ている表側の部分とあり、この5週間では、表側のプログラムを組めるようになります。具体的には、Ms.Engineerのホームページくらいのサイトを作れるようになります。
Ms.Engineerは、女性だけのクラスを作りますが、ビデオを視聴するだけでなく、オンラインでも着席して授業を受けるスタイルで学んでいくことになります。
もう1段階上のコースが、「応用プロコース」です。こちらはブートキャンプです。今日も何度か話に出ていますが、「最難関ブートキャンプ」で、ぎゅっとしたプログラムなんですが、これは平日フルタイムのコースとパートタイムの2つから選べます。
平日フルタイムコースは、もう昼間から1日使うので、学校に通うようなイメージです。これだと3ヶ月で修了できます。
もう一つのパートタイムは、仕事を続けながら平日の夜と休日を使って学ぶので、6ヶ月かかります。
ここでできるようになるのは、どちらの場合でも、高度なソフトウェア開発スキルと自立して一生活躍できるエンジニアになれる、とコードクリサリスさんは定義されています。
このプログラムの特徴は、座学でプログラムのスキルを学ぶだけではなく、チームのプロジェクト開発やプレゼンテーションスキルといった、人材として価値を上げるソフトスキルの向上が学べるということです。
笹川:ということは、即戦力になれるということですか? 卒業後すぐに企業で働けるスキルも身につけられるというか
やまざき:そうですね、本質的にはそういうプログラムになっています。最後に「デモデー」を設けていて、チームでプロダクト開発をするカリキュラムなんです。
笹川:卒業制作みたいな感じですか?
やまざき:そうです、そうです。この間Kaniさんに卒業制作中の生徒さんにお会いさせていただいたんですが、みんなめちゃくちゃ楽しそうで、一生懸命私に、「今こんなものを作っていて」とか教えてくださって、社会に出てからの文化祭みたいな感じでした。みなさん、すごい熱意があって、面白いプログラムなんじゃないかなと思います。
「初心者コース」から始めていただく仕組みになっているので、6月開講のクラスから、参加していただければと思います。
向いているかわからない、プログラミングをやってみたい、という方は、初心者コースだけ受講することも可能なので、トライしてみてください。
笹川:「初心者コース」から、「応用コース」に進むにはテストがあると聞いたのですが・・・?
やまざき:そうですね、これが大変だと聞いたんですが(笑)。
Kani:テストはあります。初心者コースは、土台作りという考え方でいいと思います。だから、エンジニアの基礎になることを学ぶコースなんです。応用コースは、卒業して就職し次の日からプロダクションコードを書けるエンジニアを目標としているんです。
初心者コースを修了したからといって、自動的に応用コースに入れるわけではないんです。そこで、テクニカルアセスメントと言いますが、技術的なレベルチェックと、エンジニアに向いているかどうかというテストを我々からもします。ただ、基本的には、初心者コースで学んだことを磨けば受かるテストなんですけどね。
笹川:Mikuさんもテストを受けられたんですよね?
Miku:私のクラスメイトには1回で受かった方もいますが、私は3回受けました(笑)。決して、誰かを落とすためのテストではなくて、技術を自分のものにできたかを確認するためのテストなんです。だから、ぜひ、挑戦してみて欲しいと思います。
笹川:ある程度の難易度があって、ちゃんと身につくから意味があって社会に出ていけるということなので、テストが難しいのはしょうがないですよね。
Miku:でも、そういうチャレンジをどんどん重ねていくと自分も成長できるので、楽しんでやってみたらどうかなと思っています。
笹川:2段階設定しているのはいいですよね。用途別に受けられるので。
やまざき:プログラミングを教養として身につけたいとか、これから子どもたちもプログラミング教育は必修になるので、子どもと一緒に学んでみたいという方もいらっしゃいます。そこを第一ステップにして踏み出すのはいいと思います。
ブートキャンプの方は、「覚悟」が必要です。遅刻と欠席も原則NGで、すごく集中しなければいけないです。Mikuさん大変でしたか?
Miku:そうですね(笑)。でも、大変だとチームメイトたちともみんなで結束できるんですよ。プロジェクトを一つ終えた時の達成感は、ハンパなく嬉しいです!
笹川:なるほど、力強いお言葉ですね。コードクリサリス、Ms.Engineerのプログラムはおおよそ理解できたと思います。
実際にコードクリサリスを卒業された女性エンジニアが、どんな企業で活躍されているのか、教えていただけますか?
自立心を育て、自分が働きたい企業で働ける人材に
Kani:ご覧の通り、卒業生はいろんな企業で働いたり、オファーをいただいたりしています。大手企業からスタートアップ企業まで様々です。コードクリサリスの卒業生を採用した企業の中には、その後の採用でも卒業生を何人か連続して採用をするケースもあります。会社によっては、コードクリサリスの卒業生がその企業のエンジニアの3〜40%占めていることもあります。
笹川:コードクリサリスからは、未経験からエンジニアになって海外の有名企業に転職した方もいるということで、Ms.Engineerからもそういった卒業生が出てくるといいですよね。
やまざき:先ほど(第一部で)、澤さんからのお話もありましたが、プログラミング言語を学ぶだけで世界とつながれる、ということもあります。それから、技術採用の担当者に話を伺ったのですが、コードクリサリスのカリキュラムや実力は信用しているという方も多かったです。だから、人事からの信用の高いプログラムを受講するんだ、ということは安心していただいていいと思います。
Kaniさんがよくおっしゃっているのは、「転職を補償してもらえると思うんじゃなくて、自分が入社したい企業を探して自分から売り込めるような人材育成を大事にしている」という点もすごくいいなと思っています。
Kani:他のプログラミングスクールと違う点をあえてあげるとすると「人の自立心と能力開花をミッションにしている」学校なんです。もちろん、コードが書けないとソフトウェア開発できないので、ダメなんですけども、それ以外で自立性と能力開花に力を入れて教えています。そういう意味でも採用側の企業は認めてくれているんですね。
笹川:ここで、いただいている質問をやまざきさんにお答えいただきたいです。
「転職をしてエンジニアになることをテーマとしていますが、Ms.Engineerは、学生でも受けられますか?」
という質問です。
やまざき:カリキュラム自体は平日の夜や休日を使って受けられるので、学生さんでもお受けいただけます。
Kani:コードクリサリスでも受講している学生の方はいらっしゃいます。
笹川:次の質問は「手持ちのパソコンでもプログラムは書けますか」ということですが。
Kani:MacでもWindowsでもUnixマシーンでも、大丈夫です。
学び続ける、自由を手に入れる、本当の豊かさを叶える
笹川:お時間も迫ってきましたが、最後に「女性にとってエンジニアという仕事が良い理由」について、格言と言いますかそれぞれの視点から、フリップにお書きいただきました。まずは、Mikuさんからお願いします。
Miku:「どこでも自分のペースで勉強を続けることができる。時間や場所にとらわれず、常にアップデートすることができる」です。
今は、オンラインでコミュニティや勉強会も充実しているので、勉強し続けられます。それはエンジニアの強みだと思っています。
笹川:このコロナ禍という時代にも、短期的にピッタリあっている職業ということですね。それでは、Kaniさん、いかがですか?
Kani:ちょっとぐちゃぐちゃしてるんですが(笑)。今までお話したことのまとめになりますが、まず言えるのは「給料がアップします」ね。日本でもアメリカでも30〜100%アップできます。
ITつまりソフトウェアはどんな業界でも軸になっているので、「業界を問わず」に「動ける自由」を手に入れられます。
インターネットがあれば、職場からでも自宅からでもどこからでも働ける。時間帯もこの業界は厳しくないので、「場所と時間の自由」が手に入る。だから、すごくいいと思います。
笹川:いいことがたくさんですね。続いて、やまざきさんお願いします。
やまざき:私は「本当の豊かさを手に入れられる」仕事なんじゃないかと思います。
何人かの女性エンジニアの方を知っていますが、みんなすごくかっこいいんですね。その理由は、自分がプロフェッショナルという自信と働きやすさが両立しているので、自分の人生のオーナーシップを自分で持っているということが、自信につながっている。それが、かっこいいなだろうなと思うんです。
例えば、今仕事が苦行だと思っているとか、こんなもんだと思っている方にとって、「そうじゃない仕事が、この世にはあるんだ」と知ってもらいたいんですね。本物の人生の豊かさを手に入れられるんじゃないかなと思います。
笹川:単なるキャリアチェンジでがなく、「人生の豊かさを」というのは、すごいパワーワードですね。
では、最後にMs.Engineer代表のやまざきさんから「0期生」の募集についてのお知らせをお願いします。
やまざき:Ms.Engineer、6月開講の0期生のエントリーを受付ています。まずは、初心者コース(5週間)からはじめられます。
今日聞いていただいた方は、エンジニアだけでなく、「キャリアチェンジ」などキーワードが引っかかった方もいるんじゃないかと思います。最後に踏み出すのは自分です。自分で決めることが大事なので、決めるというかエントリーに動いていただけたら嬉しいです。
笹川:2時間に渡って、いろんなお話を聞くことができました。みなさんが何か動くきっかけになればと願いながら、この会を終了しようと思います。
やまざき:今年のGWは、特殊な連休になっていますが、この時間をチャンスだと捉えて、動いていただければと思います。このイベントを聞いてくださった方は、自発的にアクションできる方だと思います。ぜひ、自分で決めて一歩踏み出す、ということをしてみてください。
長い時間ご視聴いただき、ありがとうございました。
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Ms.Engineerでは、新規受講生募集を開始しています。
仕事や学校を続けながら受けられる4週間の初心者コースを、女性だけのクラス、全てオンラインの授業で受けることができます。
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