挑戦は「なんとなく考えるから」こわい。転身に成功した3人が語る”人生を変えるキャリアチェンジ”のヒント
人生100年時代、生涯現役時代といわれる今、大人になっても人生のステージを変化させるための「学び直し」が注目されています。でも年齢が重なるほど、人生の変化を自分から仕掛けるのは漠然とした不安を感じるもの。
TBSアナウンサーから起業、VERYモデルに転身したことで話題になった笹川友里さん、
博報堂から独立、広告とビジネスに新風を起こしつづける三浦崇宏さん、
元マイクロソフト業務執行役員で「副業・複業」の先駆者として時代をリードし、昨年独立された澤円さん
大きなキャリアチェンジを経験され活躍されるお三方に人生を変えるキャリアチェンジについてトークセッションを行いました。
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やまざき:こんにちは、はじまりました。Ms.Engineerサミット。第一部のモデレーターを務めます、Ms.Engineer代表のやまざきひとみです。よろしくお願いします。本日は皆さん、GW真っ只中で、お時間とっていただき、見ていただいてありがとうございます。
女性のためのオンラインプログラミングブートキャンプ、Ms.Engineerの創設、キックオフイベントとして「Ms.Engineerサミット」という形のオンラインイベントをやらせていただきます。
第一部は、「人生を変えるキャリアチェンジ」をテーマにゲストの方にお話を伺っていきます。
第二部は、「女性にエンジニアという新キャリアを」をテーマに全体で2時間のイベントになっています。よろしくお願いします。
感想や質問はどんどん「#Msengineer」でつぶやいていって下さい。質問はこの後ピックアップする時間も取れると思います。
ゲストの方をご紹介します。まずは株式会社GO 代表・ PR/CreativeDirector の 三浦崇宏さんです。
三浦さん、宜しくお願いします~!
三浦:画角的に足まで映るの把握してなくてサンダルで来ちゃったんですが、笹川さんと澤さんが足がすごいスマートで、僕だけなんか野生の動物みたいな感じで(笑)、驚いているんですが、今日は、よろしくお願いします。
やまざき:三浦さんとは実は学生の時から知り合いで。
三浦:そうですね。やまざきさんとは本当に苦楽を共にした、ひんちゃんて呼んでいるんですけど、ひんちゃんの人生のドラマをね。
やまざき:いろいろね(笑)。
三浦:リングサイドとは言わないまでも、A席くらいでは見てましたね。今回こういう新しい、今の時代にふさわしい取り組みにチャレンジされていて、素晴らしいと思っています。
だから今回も、特に内容も聞かないまま、ひんちゃんが新しいチャレンジをするっていうので、「じゃあ、何かお手伝いさせて下さい」っていう形で、今日ここに来ています。
でも、本当に女性エンジニアがこれから増えていくことと、あと女性にとってエンジニアという職業がとても魅力的だし、このプロジェクトも意味のあるものだと思うので、ぜひ応援していきたいと思っています。今日はよろしくお願いします。
やまざき:ありがとうございます。よろしくお願いします!
続いて、setten株式会社の代表取締役でありVERYモデルやアナウンサーとしても活躍されている笹川友里さんです。
笹川:実は、「先輩」とお呼びしているんですが(笑)。新しい事業スタート、おめでとうございます!
やまざき:実は、同じ学校ということで、お会いするのは今日が初めてなんですが。今回オファーしたら即答でオッケーをしていただいて。実は、私たち女子校出身なんですけど、私たちの出身校って独立した女性を応援してくれる校風で、そういう共通点が笹川さんとあるのかなと思ってます。
笹川:部活も死ぬ気でやる、運動会も真剣にやる、負けたら号泣、みたいな学校だったので(笑)、特に先輩なんてめちゃめちゃ激しい部活にいて、その先輩が女性に特化した、しかも女性のエンジニアって女性の自分にもあんまりイメージがなかったので、親和性が高いっていうのを今日学びたいな、という思いで来ました。
「誰だよ?」っていう方も非常に多いと思うのですが・・・
三浦:いやいや、一番有名だわ(笑)。
笹川:いえいえ! 先日までTBSに勤めていて、私もまさにキャリアチェンジを2ヶ月前にしたばっかりです。実は、人生で2回キャリアチェンジしていて、最初TBSに入った時ADだったんですよ。その後、人事異動でアナウンサーになって、それが1回目のキャリアチェンジで、この間8年経ってTBS辞めたので2回目です。
今日は、自分のキャリアに悩んでいる方が多いと思うので、どっちかというと、みなさんと近いポジションでご意見できればなと思っています。よろしくお願いします。
やまざき:ありがとうございます。最後に、株式会社圓窓 代表取締役の澤 円さんです。
澤:よろしくお願いします。
やまざき:澤さんは、最初エンジニアがファーストキャリアということですが・・・?
澤:そうですね、1993年に社会人になっているんですけど、まだインターネットというもの出回っていなかった時代で、世の中に普及していない状況で、しかも経済学部出身なので文系からエンジニアになったというキャリアですね。それからずっとテクノロジーというタグが僕のキャリアについているんですが、最近は、どっちかというとプレゼンテーションとか、長髪とか怪しいとか(笑)
三浦:キリストとか(笑)
澤:そういうタグがつきがちなんですが(笑)。元々は、ずーっと一貫して「テクノロジー」が僕のキャリアのタグになっていて、最近だとテクノロジーが多様化していて、エンジニアが見直されて、再発見されている時代だと思いますね。
そこに来て、やまざきさんの素晴らしい事業を立ち上げたっていうことで、よく内容も分からないまま「いいっすよ〜」って(笑)。
やまざき:澤さんは、新時代の働き方をされていて、伝道師みたいなところもありますよね。第一部は、「キャリアチェンジ」というキーワードに引っかかっている方も多いと思うので、ぜひそういう視点からもお話を伺えたらと思っています。
Ms.Engineerは、4月にプレスリリースを出してから、さまざま反響をいただいてます。女性の方が、「実は私もプログラマーになりたかった」とかいう声もあります。
IT業界はまだジェンダーギャップがあって、女性のエンジニアは2割に満たないと言われていてるんですが、「ジェンダーギャップを解消したいです」というお声をいただいています。
ジェンダーロールを超えて職業を選んでいく時代
やまざき:このイベント自体も1ヶ月前に企画して、急にみなさんにメッセージをお送りしたら、みなさん即答で「いいよ」という感じで返していただいて、なんで快諾いただいたのか、伺ってもいいですか?
三浦:理由は3つあって、1個はもちろん、ひとみさんが前向きにいろんなことにチャレンジを繰り広げているなかで、今回のプロジェクトにも僕はすごく応援したいなと思いました。僕は彼女のことをすごく信頼しているので、応援できたらなというのが1つ。
もう一つは、日本は本質的にエンジニア不足っていうことがあって。男性も女性も関係なく、そもそもエンジニア不足が大前提にあるので、そういう方が1人でも増えていくっていうのは、すごく大事なことだなっていう趣旨に賛同したのが1つ。
3つ目は、僕はジェンダーに関して後押しできることは、なるべく微力ながらお力添えしていきたいなっていう気持ちがあります。
というのも、僕はずっと広告のクリエイティブディレクターっていう仕事をしてきて、CMってジェンダーを押し付けてきた歴史があると思うんですよ。
テレビCMって15秒しかないので、15秒の中で洗濯機のよさを伝えるとなると、どうしてもお母さんが洗濯しているとか、最近だとアタックのCMを男性のタレントさんが起用されているとか変わってきましたけど、ジェンダーロール、役割もCMが押し付けてきたっていう事実が、この10何年間であると思ってるんです。
2020年以降で生きる、広告をつくる人間としては、今までの自分たちがやってきた負の遺産を少しでも取り返していきたいな、という気持ちもあって、ここに座らせていただいています。
やまざき:ありがとうございます。笹川さんはいかがですか?
笹川:私は、めちゃめちゃ簡潔に言わせてもらうと、私もアナウンサーっていうキャリアを積んできて、生涯、未来永劫に自分がずっと人生を終えるまで現役でいられる職業ってなんだろうって常に問いを持っています。そういう問いを持ったことで、30歳でキャリアチェンジに踏み切ったんですが、そういう意味では、おそらくエンジニアって手に職という仕事のジャンルですし、スキルを自分の中に落とし込めたら、未来永劫できる仕事なんじゃないのかな、と企画書をいただいたときに思ったので、それを一緒に体感しに参りました。
三浦:実際にね、笹川さんがMs.Engineerで学んでスキルを持ったら、無敵ですよね。
笹川:興味ありますよね。文系でも頑張ればできる、っていう。
やまざき:ホームページとかは自分で作れますね。澤さんはいかがですか?
プログラミングは「世の中を知ること」につながっている
澤:僕は、もともとプログラマーだった、ということで、エンジニアリングを知っているとどれだけ得するのか、っていうことを、僕は体感しているんですよね。
さっき控え室でもこれで盛り上がっていたんですけど、エンジニア、プログラミングの知識を持っていると、世の中の仕組みがだいたい説明できるようになるんですよね。
「なんで、これがこうなるのか」っていうことが、裏側では必ずif文が書かれていて、条件文があって、「なんで自動ドアが開くのか?」「もし、人が扉の前に立ったら、扉が開く」という言葉を機械がわかるように書いたのが、プログラミングなんですよね。
ぜんぶ、置き換えていくことができる。世の中で起きていることが「なんでこうなるのかな?」という風に説明ができるようになり、改善ができるようになるんですよね。
人類の半分の性別である女性っていうタグがついたときに、すごく大きな影響を与えるなって思っていて、今のように2割しかいないというジェンダーギャップを、チャラにできるいい時代なんですね。だから、これをやらなきゃいけないな、というのが僕の中で強いモチベーションになってますね。
三浦:今の澤さんのお話を聞いて、僕もエンジニアリングってすごい面白いなって思ったんですけど、自動ドアがなんで開くのかが、なんとなくわかるってことは、世の中のできることとできないことが、なんとなくイメージつくってことですよね。
澤:そうです、そうです。
三浦:自分が書くところまでいけなくても、「これは、この期間ではできないよな」とか、「これって、今の日本のシステムじゃ難しいよな」ということが感覚的にわかるだけで、日常的に楽しかったり、イライラしたりしなくなりそうですね(笑)。
澤:なんでこうなっているのか、というシステムがわかっていると、多分、無理なことも言わなくなるし、よくなるためにどうすればいいか、という改善を思考できるようになります。
挑戦のメリット・デメリットを「星取表」にすれば、行動することができる
やまざき:それでは、1つ目のテーマでお話をお聞きしたいと思います。「新しいキャリアに挑戦するときに大切にしたことは?」です。今日のゲストのみなさんは、大手企業にお勤めになられてから、独立挑戦されている、という共通点があります。そのなかで、どういうポイントを大事にされたか、教えて下さい。
三浦さんは、博報堂に10年いらしたんですよね。
三浦:博報堂という、大手の広告代理店に2007年に入社して、10年働いてから2017年に独立いたしました。
やまざき:今は、業界の風雲児? 革命児?(笑)
三浦:ヒールとかね(笑)。今は、The Breakthrough Company GOという会社をやっています。もともと、博報堂で広告もプロモーションもやってましたが、今はそれに加えて会社のブランディングやクライアントさんと一緒に新しい事業を作るとか、そういうことを得意としています。
やまざき:何を基準にキャリアチェンジしようと思ったんですか?
三浦:僕が、博報堂から独立したときに迷ったというか、基準にしたポイントが3つあります。お金と、名誉・やりがい、成長っていう3つです。
笹川:わかりやすい!
三浦:お金は、同期のなかでは優秀な方だったので、当時年収1100万円くらいでした。10年勤めると、大体このくらいです。じゃあ、独立したときに今の年収を超えるのか、を考えたときに、お金に関しては容易に超えるだろうなと思ったんです。
電通の営業をやっていた福本ってやつと、ゴールドマンサックスにいた女性と3人で会社を作ったんですけど、そのときに話し合ったとのが、独立して3年経ったときに、前職の給料を超えられなかったら、解散して元の会社に戻ろうって。
次に名誉・やりがいですが、当時博報堂で僕は日産とかマクドナルドとか、日本を代表するようなクライアントさんとお仕事させていただいたり、海外のカンヌで賞をもらうとか、小さい話ですが、褒められるとか。名誉のある仕事をできてたんですね。
これは、最後まで答えが出なかったですね。独立したら、大きなメーカーさんなどからは信頼してもらえないので、なかなか大きい仕事はできないんじゃないかなと思ってました。
でも、結果的には、今の方がより大きいプロジェクトに関わらせていただいているので、よかったんですが、その時は、すごい悩みました。
3つ目が成長ですね。会社だと上司や先輩がいて、クライアントさんに喜ばれる仕事をしても、「このCM世の中のために何か意義あった?」と言われたり、逆に先輩たちに褒められて話題になるCMを作ってもクライアントさんから「ぜんぜん商品が売れないんですけど」と怒られるとか。いい意味で難しい仕事をしていて、でも独立すると自分にできる仕事しかしなくなるから、周りから何も言われなくなるんですよね。
うまくいってなかったら、クライアントさんから「ありがとうございました」って言われてその後に連絡がこなくなるとか。逆に自分が満足しちゃったらそこで終わりとか。
お金は勝てる。名誉・やりがいは、△。成長に関しては自分の覚悟次第だな、と。自分で満足しないって決めれば、成長できるかなと。2勝1分けで、辞めてもいいやと思いました。
やまざき:確かに、現実的な基準を自分で設定して、比べてみるというのは、いい視点かもしれないですね。
三浦:自分にとって大事なポイントを3つくらいとって、勝てる、負ける、わかんないと星取表を作って決めると、わりと勇気が出るんじゃないかなと。
いろんな気分の時にそれぞれ自分の声に耳をかたむけてみる
やまざき:続いて、笹川さんですが、2年前にご出産をされて、今年の2月に退社されたんですよね?
笹川:子供を産んで、一度TBSテレビに戻ってその後に色々考えたんですね。産休中も考えて・・・。これまで、新人の頃から早朝番組が多くて、深夜2時には毎日会社にいる、という生活をしていて。ギリギリ働き方改革がない時代だったので、いわゆるテレビ局の働き方をしていたので、いつも疲れているし、眠いし(笑)。あんまり自分に対して興味がなくなっちゃってたんですよね。
そんななか、娘を産んで、1年近く産休育休を取らせていただいて、28歳の頃に初めて自分と向き合うことができた、という感じでした。そこで、考えたという。
やまざき:先ほど名刺をいただきましたが、「CEO」って書いてありました。
笹川:一人だけの会社なので、私がCEOです(笑)。
やまざき:起業家でいらっしゃって、VERYモデルにもなられて、とても話題になっていましたよね。これまである道をいく、というよりは新たに自分で作ったキャリアという印象です。
決断にあたって、大事にされていたことって何かありますか?
笹川:私は、メリット・デメリット表を何度も書いてました。嬉しい日、悲しい日、疲れている日など、自分の気分に合わせて書き溜めていました。すると、どの日にも同じことが書いてあったんですね。例えばメリットでいえば「自分が好きな人としか働かない」とか「自分の好きなことだけできて、嫌なことはやらない」とかですね。逆にデメリットは「固定給がなくなる」とか「産休育休はお金が出ない」ということですよね。
そのなかで、一番大事にしたいと思ったのが「自分がやりたいことをやる」「自分が好きな人と働ける」というメリットが大きいなと感じました。
アナウンサーって「待ち」の仕事なんですよね。誰かに発注されないと仕事がないので、その発注してくれる先も自分で作らなければいけないというのはありますし、自分に指名がこないと存在意義がないので、すごく受け身だなと思ったんですよね。
だから、独立することで、自分が選んだり采配できる点にメリットを感じて、独立を考えました。
やまざき:自分が本当に大事に思うものの輪郭をはっきりさせることが、みなさん大事ということなんですね。
笹川:そうですね、自分と向き合うということをやらないと、なかなか大きな母体から飛び出すのは勇気が入りますからね。
三浦:嬉しい日とか、悲しい日とか、いろんなテンションの日に同じチェックシートをやってみて、変わらないものを見つけるってすごいいい方法だと思いました。
長く勤めたら、次の世代にギブバックするフェーズへ
やまざき:澤さんは、去年日本マイクロソフトを退社されて、これもすごく話題になっていました。でも、在籍中から多方面で活躍されてましたよね。
澤:そうですね、28年サラリーマンやってたんですね。最初5年は別の日本企業でプログラマーやって、その後マイクロソフト23年いました。28年サラリーマンやりきって分かったんですが、あんまりサラリーマン向いてなかったです(笑)。気づくの遅っ、て感じですけど(笑)。
やまざき:四半世紀以上(笑)
澤:でも、長く勤めたからこそわかることもあって、そこで得た知見や経験を今は、返していくっていうフェーズに入ってますね。
僕が大切にしていることのトッププライオリティは、クオリティオブライフです。生きている間、楽しいって思えるかどうか。今もう、ほとんど悩みないですもん。
その代わり、もうすぐ僕は52歳なんで、どんどん世の中にギブバックしていくフェーズというか。あと、僕の場合、子どもがいないので子育てっていうリソースがまるまる空いているんですよね。だから、若い世代とか、ちょっと苦労している人たちに対してギブバックしていくフェーズに入りたい、というのが一番大事ですね。
やまざき:年齢はあんまり関係ないのかな、という印象を持ちました。
澤:そうですね、僕は、「究極の遅咲き人生」って自分のこと呼んでいるんですが、ぜんぶ、歳食ってきてからいろんなことが噛み合ってきているんで、世の中に認知されてきたのも、ここ数年ですからね。40代半ば頃かな。
笹川:こんな、逸材で目立つ方を世の中が放っておいたなんて・・・世の中が遅かった。
三浦:周り、ぼんやりしすぎだろっていう(笑)。どうみたっておかしいでしょ、異彩を放ってる。
澤:サラリーマンをしていると、そのなかにある仕事がメインなので、あんまり表に出なくても生きていけますからね。それを変えたのが30代半ばくらいで、ずいぶん目立つようになってきたのが、40代半ばくらいですね。
怖さを感じることこそ、冷静に考える
やまざき:続いての質問ですが「キャリアチェンジは怖かったか? そして、その克服方法は?」ということです。
私、最近、『ドラゴン桜2』をみていまして、あれって、偏差値の低い高校生が一念発起して東大に入って人生を変えるっていうストーリーです。今は、人生100年時代、生涯現役時代と言われていているなかで、大人になってからも一念発起してキャリアチェンジを考えなければいけないときに来ていると思います。
視聴されている方の中には、キャリアチェンジが怖いと思う方もいらっしゃると思うのですが、いかがでしょうか。ここにいるみなさんは怖さなんて感じなさそうな気もしますが(笑)。
三浦:仕事がうまくいかなかったら、最悪戻るとか、似たような会社にいけばいいと思っていたから冷静に考えると怖くないんですよね。でも、なんとなく考えると怖くなるんですよ。冷静に1個づつ書いて、星取表を書いたり、考えるとそんなに危なくないんですよね。「なんか、大変そう」「なんか、怖い」だと、気持ちだけ先に立って怖くなっちゃうんですよね。だから、立ち止まったら、一回書き出してみた方がいいですよね。
あと、「キャリアチェンジ」っていうと、チェンジだから、変わるから。例えば、山手線から半蔵門線に乗り換える、とかだとその間に電車に乗ってない状態ですけど、人生は足し算だから。チェンジじゃなくて、プラスだと思った方がいいですよ。
僕は、広告のクリエイターですが、今経営者をやっていて、これまでの仕事が、明らかに経営にプラスに働いているんですよね。キャリアに新しい可能性を足していく、という風に考えると怖さが減っていくかもしれませんね。
「接点」を大事にしていたら、独立することを応援してくれる人がいることに気づいた
笹川:私はこの御三方に比べて、圧倒的に怖がりなので(笑)。そんな私がお伝えするとしたら、1つがメンター設置、もう1つがタネをまくことです。
メンターは、一番身近な夫(フェンシング銀メダリスト・太田雄貴)と、私の信頼している年齢もキャリアも全然違う女性、あとは年齢の高い男性。その3人にキャリアチェンジについて相談したら、3人ともすごく首を縦に振ってくれたんですね。「あれが不安だ」「これも不安だ」とか色々投げたとき、「じゃあ変えなかったらどうなるの?」とか、壁打ち相手になってもらったんです。
その後、「よしキャリアチェンジしよう!」という気持ちになったんですね。でも、また弱気になったり、というのもありつつ、信頼している人たちを相手に話して、独立するっていうメンタリティになれているっていうことは、自分の方向性は間違ってないんだ、と思たんです。
たねをまく、というのは、退職する前に信頼している仕事の関係者の方々には、辞める前に事前に「こういうキャリアを歩んでいこうと思ってます」と伝えるようにしていました。
特に、自分が大切にしている仕事で、今後もつながっていたい方々には、相談していました。結果、独立後にもこれまでのつながりのお仕事が7割くらいなんですね。
この2つで克服できるんじゃないかな、と。
やまざき:笹川さんの会社の社名も「setten」ですもんね。
笹川:人と人との接点をもっと大切にする社会にしたい、っていうベースの思いがあって、そこに色々やることをのせていこうと思っていて、人とのつながりが全ての仕事のはじまりなので、その思いは忘れたくないな、と思っています。
自分がもつ「3つの資産」を使って気持ちの余裕を生むのが大切
やまざき:ありがとうございます。澤さんはどうでしょう?
澤:僕の場合は、怖がりだった結果として、28年間向いてない仕事をしてたんですけど(笑)。正確にいうと、向いてない仕事してたんじゃなくて、サラリーマンが向いてなかったっていう。朝起きて、会社に行ってっていう生活があんまり合ってなかったんですね。これ、よくいうんですが、気持ちの余裕を持つって大事なんですね。気持ちの余裕を生むには、3つのものにどれかに余裕があるかっていうのを、解像度をあげて分析しましょうねっていう。それが、「体力・お金・時間」なんですよね。僕今、親指・人差し指・中指を見せて3つ、っていってますけど、この指に3つ当てはめてみてごらん、って伝えてます。
若い頃は、圧倒的に体力(中指)ですね。で、時間(人差し指)、お金(親指)。体力がある分、時間とお金を生み出すことはできないか、って考えられますよね。
お金がある(中指)なら、時間(人差し指)をお金で買って、体力(親指)を温存させることもできますよね。
他の人と比べないで、自分でどれだったら余裕があるかなって考えることが、大事かなと思います。
笹川:明確・・・。
澤:解像度を上げるのが大事。絶対やっちゃいけないのが、他の人と比べる。
笹川:女性は特にやりがちですね。
三浦:解像度を上げるとか、メンターの方に話すとか、具体的に一歩何かやるといいんですよね。動かないと不安になるので、一歩踏み出してみて、「やっぱやめた方がいいかも」というのも、学びだし。漠然と不安になるのがもったいないですよね。
やまざき:わからないということが、怖いということですよね。
踏み出すときに大事なのは、勇気じゃなくて情報量
澤:いきなりフルスイングじゃなくていい。とにかく打席に立つこと、って悩んでいる人には伝えてます。バントでいいから、とにかくバットを出す。フリでもいいから。
僕、青木真也さんって格闘技の方が大好きなんですけど、格闘技で一番重要なのって「知っている」ことなんですよね。力の強さや速さよりも。どこを攻撃されたら、自分は倒れるのか。相手はどこを攻撃すれば倒せるのか、自分の得意技は何で、相手が苦手なのは何か、とか知っていれば知っているほど、どんどん有利になっていく。
三浦:青木真也は僕の会社でもサポートしている大事な人であり、メンターでもあるんですが、彼も言っているのは、「踏み出すときに大事なのは、勇気じゃなくて情報量なんだ」と。例えば、相手がパンチの得意な選手ならどうよければいいか、と言っていました。情報がないと踏み出しようがない。
澤:でも、これは絶対言わない方がいいと言っているのは、「これから伸びる業界はなんですか」とか「職種はなんですか」という、その具体を外に求めないこと。
今回「エンジニア」がテーマですが、これは抽象度の高いものなんですよ。そうじゃなく、「どの会社が伸びますか?」というのは、具体が立ちすぎているし、自分でコントロールできないことなので、そこに合わせにいくのは、不幸の始まりかなと思います。
必ずしも会社を辞めなくても、心が動く仕事があるかもしれない
やまざき:ここまで、みなさんの経験を元にお話いただきましたが、次のテーマは「これからの女性がキャリアをアップデートするために必要なことは?」ということです。
コロナ禍で女性の7割が、今後のキャリアについて考え直したことがあるというデータがあって、転職や副業を考えたと。リモートもあるのかないのか、ということで、新たに生まれる職業もあります。また、日本はこれから共働き前提社会になっていく中で、仕事と出産が30代に凝縮してしまう日本の構造の中で、出産を予定されている方や、育児中の女性からもたくさん質問をいただいています。
これは笹川さんからお話を伺えますでしょうか。
笹川:30歳前で娘を出産してから、フルで働けなくなっちゃったんです。新人の頃のように、深夜の2時に出勤というのはできなくて。未来永劫働けるキャリアチェンジをしたかったので、私は独立したのですが、大きくは、子育てと仕事の両立というテーマがあったんですよね。
ご自身の仕事が好きでも、会社の制度としてどうしても両立できないとか、自分のいる業界が5〜6年は変わらなそうだな、という状況だったとして、その5年間耐えて待つのって、すごくもったいないですよね。30代って経験も積めるし信頼も勝ち取れるし、仕事の脂が乗りやすい時期じゃないですか。
自分の状況からどうしたいのか、という情報を出し切る。もしできないのであれば、もう動くしかないですよね。子供とか仕事の優先順位をつけること、だけかな。
やまざき:今日、みてくださる方は何かヒントが欲しい、という方が多いんじゃないかなと思います。
笹川:一回入った会社を辞めるのって、すごくもったいないって私は思うんですよね。アナウンサーとしてフルで仕事を受けきれないなら、部署異動できないかTBSでも探したんです。9時17時で働ける部署もあって、異動するか自分と向き合ったときに、心が動くのかどうか考えました。子どもを優先できるけど、アナウンサーという仕事は手放していいのか、と。最後は、やはり自分で仕事してみようという結論になりました。
必ずしも会社を辞めるという選択がいいとは思わないので、選択肢をいくつも検討してみて欲しいですね。
我慢はダメ、自己中心的に考える
やまざき:澤さんは、前職でマネジメントも経験されていたということですが?
澤:日本ってマネジメントする人を管理職って言うじゃないですか。僕はこれめちゃくちゃ嫌いで、管理ってなんだよ、と思うんです。マネジメントってチームメンバーが全力疾走できるようにあらかじめ整備しておいて、「はい、いってらっしゃい!」って言うのが、マネージャーの仕事だと思うんですね。こけそうになったら、そのつまずきどうなものを取り除いてあげる。
キャリアアップデートをする上で、大事なのは、その本人が自己中心的にものを考えられるかどうかだと思っていて。
「会社がこうだから」「制度がこうだから」って言うことにハマろうとすると、思考がストップしちゃう。もう、超自己中でいい。自分が「こうしたいから」「こう生きたいから」って。
あとは「鍛錬」と「我慢」は違うということですね。鍛えられている状態と我慢している状態って似ているけど、全然違うんですね。ダンベルとか持って筋トレするのは鍛えられてる状態ですよね。よくわかんない状態で上司からめちゃ重いダンベル持たされるのは、ただの我慢なんですよね。下手したら怪我します。ポキッと折れて、会社に居られなくなる。
だから、「鍛錬なのか我慢なのかの線引きをする」こと。もう一つは、「次を考えるときは、何よりも自分の人生を中心にものを考える」。この2つさえ守っていればいいかな。それを後押しするのがマネージャーの仕事ですね。
やまざき:澤さんは去年「個人力」と言う本を出版されています。その中で「being=ありたい姿」をできるだけ定義してください、と書かれてましたね。
澤:会社で与えられているタスクとかは、「doing」なんですよね。好きでやる分にはいいんですが、「Human doing」にはならないんです。「Human being」なので。「being」の方が自分の人生を表しているので、これを選択することが大事ですね。
ありたい自分でありながら、周りに貢献するのが「最強のポジション」
やまざき:三浦さんにはGOには女性社員が増えてきているんですよね。
三浦:全体の35%くらいが女性ですね。5人いる各部門のリーダーのうち2人が女性ですね。
やまざき:いろんなライフステージを迎えられる方々だと思いますが、経営者の視点からその点をお話いただけますか?
三浦:さっき澤さんがおっしゃったことが、共感できるなと思って聞いていたんですが、社員全員が思いっきり自分らしく輝けるように、環境を整えるのが我々経営者の仕事だし、結果的に社員のみなさんが本気で輝いてくだされば、会社のためにもなると思うんです。
会社のためにも、自分らしい人生と仕事の仕方でやって欲しい、と思ってますね。
「高齢者と暮らしているので、在宅にしたい」とか、アートが好きで京都芸大で講師をしたり、ヨガの先生をやったりしている社員とか。あと、知らない間にタレントさんのマネージャーの仕事を始めた社員とか(笑)。さすがに言ってよ、と思いましたけど(笑)一応、報告だけしてね、っていう。
やまざき:思いっきり働ける時期と、ライフスタイルに合わせてと言う時期とありますよね。
三浦:利己的であるべき、って澤さんがさっきお話しされてましたが、日本の教育だと「我慢した方がいい」って考え方になっちゃうんですよね。
澤:美徳にされているんですよね。
三浦:女性が我慢しやすいってあると思うので、変わっていかなきゃいけないかなと。「女の子だから、静かにしてなさい」「女の子だから我慢しなさい」とかよく言われがちだと思うんです。そういう思考のクセを一回外して、自分がどうしたいか自分に取材するって言うのをやった方がいいと思いますね。僕これはっきり言いますけど、子どもを産むことだけが幸福だとも思わないし、子どもを産むことも幸福だと思うし、子どもを産んで仕事をすることも幸福だし、いろんな幸福の形があって自分は本当は何がしたいんだっけ?って自分に確認した方がいいと思うんですよね。周りに押し付けられがちだから、幸せのロールモデルを。
結婚したいの? 仕事したいの? 子ども産みたいの? って言うのを、世の中の常識とか周りの人の意見を一回無にして自分自身に一回取材するって言うのをやるのが大事だと思うんです。
笹川:一個、質問してもいいですか? アナウンス部っていうところにいて、輪を乱さないってことに気をつけて8年やってきたんですが、自己中になっていいってこと、退社して初めて思ったんですよ。
でも、会社やコミュニティに属して働いてらっしゃる方が、見ている方々で圧倒的に多いと思うのですが、そう言う場合、利己的になっていいって言うのは、手始めに何からやっていけばいいんですか?(笑)。
澤:自分がどうありたいか、と他者に対してどうふるまってもいい、というのは全く違うことなので。
ありたい自分になるというポジションに立ち、その中で、他者に対して貢献すること。これが仕事だと僕は思っているんです。
貢献の仕方を自分で選ぶ、っていうのが仕事の選び方であって、決して輪を乱すことや「私はこういうやり方しかしない」って我を通すって、意味が違いますよね。
ただ、そういう時でも、苦手な部分を無理してやろうとすると結果的に全体のパフォーマンスを下げるだけです。
よく話してますが、「自分が最強になれるポジションを選んでいきましょう」って。
三浦:社員によく言っているのは、僕以外のメンバーが有名になるようにしたい、って。
さっきお話した、京都芸大で講師をしている人がいるんですが、彼女は、アートを本格的に学んでいて、僕よりも優秀で、講師の話が来たとき本人もやりたいと。さらに、「私が前に出ることで、会社のメンバーの顔が見えるようになるからいいですよね」って言ってきたんです。自分のやりたいことと、組織がやりたいこと、あるいは上司のやりたいことの共通項を探っていく。相手のやりたいことに即して自分のやりたいことを説明するってことが大事なのかなって思いますね。
笹川:納得です! 言い方次第と言いますか、上司も理解してくれた上で活動する方がやりやすいですもんね。
三浦:会社で僕が想像もしてなかったことを言ってくる人もいるんです。全部聞いた後に、「なるほど、おもしろいね。それをやることによってうちの会社にとってもプラスになる接点ってどこにあるか考えてくれる?」って返すこともあります。
やまざき:ここまでの議論を踏まえて次のテーマが「女性にエンジニアという選択肢、どう思いますか?」ということです。
今回のMs.Engineerは、女性が短期間で世界に通用するレベルのエンジニアになるための、プログラミングスクールです。エンジニアは、コロナによってリモートワークがもっとも進んだ職種の1つで、8割がフルリモートというデータもあります。
この先の転職でも売り手市場ですし、収入も他に比べて高い。コロナがあったことによって、女性にとって働きやすい職種になったんじゃないか、というのが今回の発想のきっかけでした。今日ご覧の方で、「エンジニアというアイデア自体がなかった」という方も多いのではないかと思いますので、そういう方へのきっかけになるように、お話を聞きたいです。
プログラミング言語は世界共通語だから、知るだけで世界とつながることができる
まずは、エンジニア経験がある澤さんからぜひお願いします。
澤:今までの、特に日本におけるIT市場のエンジニアのあり方に自分の思考を合わせる必要はないと思うんですね。それも含めてアップデートしていかなければいけなくて。
アメリカやヨーロッパと日本の企業で比べると、アメリカやヨーロッパのエンジニアは7〜8割自分たちの会社の中で内製しているんです。日本はSler(エスアイヤー、企業から委託されて開発を行うエンジニア)、ベンダー側にエンジニアがいるので、事業会社がプログラミングを外注するのが前提になっているんですね。ビジネスをする側がエンジニアを抱えていないっていう状況になっていて、結局、外側にいる人たちが「よくわかんないけれども、プログラミングをして納品」する構図になっているんです。
そうすると、自分たちはこういう風に思ってなかった、というものが次々に出来上がってきちゃって、これがバブル期以降、日本の衰退を招いていると僕は思っているんですね。
だからITが世の中の中心になってきたとき、ついていけなくなり、国力が低下したっていうのが僕の見立てなんです。
今からそのアップデートがかかってくると思うんです。その時点で、エンジニアの職種についている時点で成長曲線の原動力になれる、というのが1つあります。
もう一つが、グローバルの視点で見ると、プログラミング言語って世界共通言語なんですよね。それにもし、英語っていうのが付け加わったら、マーケットがめちゃくちゃ広くなるんですよ。世界規模になるので、いきなりそこまでいけるのは一流だけじゃないのと思うかもしれないけれど、僕は決してそうじゃないと思う。
まずは、プログラミング言語を1つでも知っておくこと。そうするとちょっとでも手伝えるようになるので。そこからスタートでもいいんじゃない、と。さっき言った、フルスイングで入るんじゃなくて、ちょっとでも入ってみると、「ここの部分だけ書いてくれるエンジニアが欲しいんですけど」って求人サイトとかであるんですよ。海外とかでも。やってみたら、少しお金もらえるかもしれないんです。そういう成功体験でも構わないと思うし、そのためのインフラも整ってきている。女性、っていうのが、ハンデにならなくなるんですよ。これが、ポイントですね。
やまざき:一つ知るだけで世界とつながれるキッカケになりますよね。ジェンダーギャップを縮めていきたい、というニーズもあるので、どんどん伸びていきそうですよね。
エンジニアの役割は昔からジェンダーフリーだった
澤:変な例えしますけど、僕、サイバー犯罪の専門家なんですけど。やる方じゃないですよ、守る方ですよ(笑)。
僕、サイバークライムセンターのセンター長もやっていたんですけど、サイバー犯罪ってコスパいいんです。ROIが高くて、数年前のデータですけど、1225%って言われてたんです。1億投資すると12億2500万円返ってくるっていう世界。かつ、働き方改革が進んでいる業界なんです。まず、フルリモートだし、お互いの顔も氏素性もわからないけれども、JOBをサーチするための仕組みはダークウェブっていうところにあって、そこで自分を売り込んで報酬を得るっていうのが、出来上がっているんですよ。
つまり、名前もわからないんだから、性別なんて関係ないんですよ。最初からジェンダーフリーだし、国籍も関係ないし、っていうのが先にダークウェブの方が進んでたんですよね。
この発想って、犯罪だけじゃなくリアルビジネスでも生かせるから、女性であることがハンデにならないし、むしろ強みになる。
やまざき:三浦さんは女性がエンジニアになる、というのはどう思いますか?
理系は男性が得意、という日本特有のイメージを変えていく
三浦:すごくいいと思っていて、コロナによって在宅勤務が可能になったということと、知的生産業なので、レバレッジが利きやすいっていうこと。あと、日本全体がそもそも優秀なエンジニアが足りないので、どんどん増やしていった方がいいということもあり、めちゃくちゃいいと思ってます。現実的には少ないんですよね? これも、教育の話になると思うんです。理系に進む女性が少ないですよね。それが結局こういった現状を作っているんじゃないかなと思っています。
ロンドンに、テクノロジーとアートを両方やる大学があるんですけど、ダイソンの創業者とか著名なプロダクトデザイナーがそこから輩出されているんです。イギリスが、ジェンダーギャップを埋めようとしていて、国として取り組んでいるんですが、そこの大学のパンフレットとか、著名な卒業生はみんな男性なんですよね。
だから、イギリス政府からジェンダーギャップ埋めるように指示されたらしいんですが、男性の方が成績がいいので無理です、って話になったそうで。でも、広報活動で外に出す人を女性にするなど努力した結果、5年後には入学者の女性比率がすごく上がったそうなんです。
やまざき:やっぱり理系じゃないですけどいいですか? とか、聞かれることも多いので、イメージを変えていくことが大事だなと思ってます。
澤:文系・理系って言っているのは日本だけですからね。
やまざき:日本は男性の方が理系が得意と言われがちですが、ぶっちゃけ個体差じゃないかって思うんですよ。
三浦:そうそう、俺、理系苦手だし(笑)。リケジョって言葉がよくないよね。文系男子を「ブンダン」とか言わないからね。
やまざき:笹川さんは、エンジニアをあまり知らないということでしたが、どうですか?
笹川:一般論みたいになってしまいますが、珍しい職種の人や少数派の人って話のきっかけになるし、応援してもらえるところがあると思います。
今の時点で、女性エンジニアってレアケースだと思うんですが、あえてそこに切り込んでいくってすごくいいと思います。女性エンジニアの先駆者になると思うんです。
プログラミングがやりたい、と思う人はいいと思いますが、例えば、自分の個性を持ちたいと探している人って私の周りにいるんですよね。
やりたいことがない人は、今はニッチと呼ばれる分野に挑戦するのはいいと思います。
年齢神話ではなく「何歳でも自分できめる」のがスタート
やまざき:質問が来ました。「今、35歳ですが、30歳を超えて未経験領域に行くのはハードルが高いと思います。年収を下げてまで挑戦する意味はあると思いますか?」ということです。
どうでしょう?
澤:自分で決めればいいんじゃん?って思うんですよ。周りの人に言われているんだったら
うるさい、って思えばいいんですよ。やりたいんだったら何歳でもはじめたらいいと思うんです。年齢は言い訳にしないでいい。
三浦:ケースバイケースですよ。僕の父は、20年くらいホームレスみたいな暮らしをしていて、最近、僕が援助するようになってからダンサーとして活躍していて。今、83歳で現役でダンサーで、この間、映画に出てました。
澤さんのいう通り、自分で大丈夫って思うなら、できると思いますよ。フツーのことしか言えませんけど(笑)。長生きするつもりでやればいいんじゃない?
やまざき:年齢神話に縛られちゃってますよね。
笹川:一時的に年収が下がってもその後自分が頑張れば、上がっていきますからね。平均的な年収と比較してもそれこそケースバイケースだし。
三浦:自分の年収が今の1.5倍になってもつまらない仕事するのと、毎日スッゲーワクワクして8がけの給料になる仕事と、自分で選べばいいことだから。
澤:さっきの話に戻ると、お金に余裕がなくても体力と時間に余裕が持てると、そのうちお金の余裕も生まれるっていうのがありますね。
余裕がどんどん削られていくっていうのが、最悪の状態。
やまざき:元LINEの社長で今C CHANNEL社長の森川さんに聞いたのは「転職するなら年収半分になる覚悟をしないとダメだよ」っていうお話で、それでこそ人生が切り拓けるというか。
三浦:今、ファミリーマートのCMやっている安達さんは、NianticっていうポケモンGOの会社で、その前はマクドナルドで、最初、P&Gからなんですけど、「俺、転職するたんびに年収下がってるんだけど、面白い仕事ばっかやっちゃうんだよね」っておっしゃってましたね。
やまざき:色々な立場からお話を伺えたので、何かヒントを持ってかえってもらえたらと思います。きっかけは行動にうつすことで未来が変わると思います。ぜひ、行動に移してもらえたらと思います。ありがとうございました。
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