ごめんなさい、は万能じゃない
子どもが何かよくないことをした時。お友達とけんかした時。「ごめんなさい」を言わせようとしていませんか?確かにごめんなさいが言えることは大切ですが、「ごめんなさい」と言ったからと言って、自分のしたことがチャラになるわけではないのです。重要なのは、2度と同じ「ごめんなさい」の状況を作らないこと。今日はそんなお話です。
ごめんなさい、は何のために言うの?
こんなことがありました。
ある女の子が、「友達みんなに無視される」と相談に来ました。話を聞くと、「この前のけんかの時、ちゃんと『ごめんね』って謝って、それで相手も『いいよ』って言ってくれたのに、なんか無視されてます。」
その子が言う、「無視をしてくる」相手の子どもたちにもよく話を聞くと、「あの子はいつも、勝手に怒りだして、勝手に『言い過ぎてごめんね』って言うんですよ。でも、こっちは本当は怒った理由も分かってないし、正直『意味わかんない』って感じなんだけど、『ごめんね』って言われたら『いいよ』って言わないといけない雰囲気になるじゃないですか。だから『いいよ』って言ってるんだけど、本当は納得できてないから、ちょっと距離を置きたくなっちゃったんですよね…」
この話を聞いて、「あぁ、小さい頃から『ごめんね』『いいよ』をやらされてきた結果がこうなっているのだな」と感じました。
被害者の気持ちは、『ごめんね』では全く癒やされていないのですから、この場合の『ごめんね』は、加害者側の罪の意識を軽減させる以外の何物にもなっていません。
『ごめんね』と言っても、やってしまったことはチャラにならない
我が家でこんなことがありました。
我が子が突然、「ママ太ってるね。かっこ悪い(^皿^)」と私に言ってきました。
太っていることは事実だから、まぁ怒らなくてもいいかなとは思ったのですが、もしこれと同じ発言を、幼稚園でお友達や先生に向かって言っていたら大変です。ですから、怒ることにしました。
○ 痩せていて、あなたが思う素敵な体型の人だったとしても、お友達や先生に思いやりの気持ちをもって接することができなければかっこ悪い。
○ 太っていたって、いつもお友達に優しく、先生に礼儀正しくしている人はとても素敵。
○ ママは確かに太っているけれど、気にしていつもダイエットしているのだから、「太っている」とあなたに言われてとても傷ついた。
すると我が子は
「ごめんなさい」
と言ったのです。
それに応えて、
● 大好きなあなたに、「太っている」と笑われたことは本当に悲しい出来事だった。きっと一生忘れられないと思う。
● ごめんね、と言ったからといって、あなたがママに「太っている」と言った事実はなくならない。
● 一度口から発せられた言葉は、相手に聞かれたら最後、『ごめんなさい』と言っても取り消すことはできない。だから、何を言うかはよく考えて話さないといけないよ。
と言いました。
冒頭の女の子のトラブルは、『ごめんね』と言った彼女は全てがチャラになったと思っていて、言われた側のお友達は『納得できていないのに』という温度差から来たトラブルだと考えました。でもきっと、彼女たちも幼い頃からの集団生活で『ごめんね』『いいよ』をやらされ続けてきたのでその手段しか知らなかったのでしょう。
腹を割って話すことはめんどくさい。でも本当に仲良くなりたかったら避けては通れない。
その後、彼女ら全員を呼んで、お互いの思っていることをしっかり話をさせました。やはり、『ごめんね』と言ってケロっとしている彼女の態度に周りの女の子たちは傷ついているようでした。周りの女の子たちには言葉を選んでそれを伝えさせ、「無視されている」という訴えをしてきた女の子としっかり話合いをさせて、お互いに思っていることを洗いざらい話をさせました。
その後私からは、【ごめんねは魔法の言葉じゃないんだよ。傷つけてしまわないように、お互いによく考えて接していこう】と話をしました。
まとめ
けんかをした時、悪いことをした時、我が子に「ごめんなさい」を言わせようとしていませんか?大事なことは、「どうしてこの状況になったのか」「どうすれば同じトラブルに陥らないで済むのか」ということを子どもに理解させることです。子どもは語彙が少ないので、分かるように話すことは大変かもしれません。でも、親や教師は、短絡的に「ごめんなさい」をさせるのではなく、言葉を尽くして「ごめんなさいは万能じゃない」と説いていかなければいけないのではないでしょうか。
今夜は、思いついたことを勢いで書いてしまいました。誤字脱字がありましたら是非ご指摘お願いします。また、記事に対するご意見も歓迎いたします。
今日もお読みいただいてありがとうございました。
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