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【MotoGP Rd.11 オーストリアGP🇦🇹決勝ハイライト】


MotoGP

28周に渡って戦い抜いた決勝、レースを制したのは圧倒的速さを示したフランチェスコ・バニャイヤ🇮🇹(Ducati)。2周目にトップへ立つと徐々に引き離し、最終的には後続に3秒以上もの大差をつけての圧勝となりました。
2位にはチャンピオンを争うホルヘ・マルティン🇪🇸(Pramac/Ducati)、3位にはエネア・バスティアニーニ🇮🇹(Ducati)が入る表彰台となりました。

前日のスプリントレースではバニャイヤがホールショットを奪いましたが決勝のスタートではマルティンも見事な蹴り出しでトップを守ります。

しかしバニャイヤは2周目のホームストレートでマルティンに並ぶとターン1で一気にトップへ躍り出ます。またその後方からはバスティアニーニもミラー🇦🇺(KTM)を交わして3番手へ浮上。

マルティンはなんとかバニャイヤに食らいつこうとしますが15周目のターン5でややオーバーランを喫し離されてしまいます。この後は確実にポイントを重ねるためか無理にバニャイヤを追うことはなく、3番手のバスティアニーニも大きく離れていたためこの2番手のポジションを守りトップ3は最後まで変動なくフィニッシュを迎えました。

トップ3が膠着した一方でレースを盛り上げてくれたのはM.マルケス🇪🇸(Gresini/Ducati)。3番グリッドのフロントロースタートでしたが、そのスタートでモルビデリ🇮🇹(Pramac/Ducati)と激しく体当たりを喫し姿勢を乱して大きくポジションを13番手まで落としてしまいます。しかしそこから怒涛の追い上げを披露し1台、また1台と前に進みます。4周目には10番手、18周目にはなんと4番手戻ってきました。流石にそれ以上はギャップも大きかったので追いつけませんでしたが、最終的にはオープニングラップから9つポジションを上げ4位でフィニッシュ。スタートの失敗は痛かったですがその後はこのレースを誰よりも盛り上げる力強い走りを見せてくれました。

日本勢はYAMAHAリンス🇪🇸が16位、クアルタラロ🇫🇷18位。HONDAは中上🇯🇵(LCR)14位、ミル🇪🇸(Repsol)17位、ザルコ🇫🇷(LCR)21位、ブラドル🇩🇪(HRC Test Team)22位、マリーニ🇮🇹(Repsol)は5周リタイアとなりました。

この週末を終えてのポイントスタンディングはこちら。

バニャイヤがスプリントと決勝を制したことで再びポイントリーダーへ浮上。しかしマルティンも両レースとも2位で終えているため差は広がらず僅か5pt差となってます。マルティンは今回指の怪我の影響もあって伸びなかったところもあると思いますが次戦は万全の状態で戻ってくるでしょう。ここから9戦、気の抜けない戦いが続きそうですね。

Moto2

優勝:セレスティーノ・ヴィエッティ🇮🇹(KTM Ajo)
2位:アロンソ・ロペス🇪🇸(SpeedUp)
3位:ジェイク・ディクソン🇬🇧(Aspar)
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21位:佐々木歩夢🇯🇵(VR46)

優勝を飾ったのはヴィエッティ。PPからスタートすると1周目はカネット🇪🇸(Fantic)にホールショットを譲るも2周目にトップへ返り咲き。その後は順調なレースペースで後続に1.8秒ものギャップを築き危なげなく勝利を掴みました。
一方で激しかったのは2−3−4番手の表彰台争い。ファイナルラップまで激しくポジションを争い、最終的にはロペスとディクソンに軍配が上がり、カネットは4位となりました。今年のMoto2は上位でこのようなクローズバトルが非常に多く見応えがありますね。良いレースを見せてくれました。

チャンピオンを狙う小椋藍🇯🇵(MT Helmets)は今回土曜日のFP2で転倒を喫しなんと右手を骨折。残念ですがこの週末は欠場となってしまいました。
次戦までは2週間あるのでしっかりと回復して戻ってきて欲しいですね。

このレースを終えてのポイントスタンディングはこちら。

小椋の欠場は痛かったですが、ガルシアもロングラップペナルティによる後退があって14位フィニッシュの2ptしか計上出来ず差が広がらなかったのは小椋にとって幸運。小椋は次戦には戻ってくると思われるのでここから20pt差を詰めに行って欲しいですね。

Moto3

優勝:ダヴィド・アロンソ🇨🇴(Aspar)
2位:ダヴィド・ムニョス🇪🇸(BOE)
3位:ダニエル・ホルガド🇪🇸(GASGAS Tech3)
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12位:鈴木竜生🇯🇵(Intact GP)
13位:山中琉聖🇯🇵(MT Helmets)
15位:古里太陽🇯🇵(Team Asia)

優勝を飾ったのはポイントリーダーのアロンソ。しかしその戦いは非常に熾烈でファイナルラップまで5台による優勝争いが繰り広げられました。アロンソが最後逃げ切ったものの2位はフィニッシュの瞬間にムニョスとホルガドが横一線。僅か0.005秒差でムニョスに軍配があがる、Moto3らしい非常に手に汗握るフィニッシュとなりました。

このレースを終えてのポイントスタンディングはこちら。

アロンソが優勝しオルトラ🇪🇸(MT Helmets)が9位で終わったことでアロンソのリードは71ptまで広がりました。一方でオルトラ、ホルガド、フェイヤー🇳🇱(Intact GP)は僅差で続いており熾烈な戦いとなってます。アロンソがこのままシリーズを突っ走るのか、それとも誰かがじわじわと追い上げてくるのか。Moto3は数戦でチャンピオン争いの行方がはっきりしてきそうですね。

小椋藍、MotoGPへ

このオーストリアGPの直前、我々日本人にとって非常に喜ばしいニュースが飛び込んできました。現在Moto2でチャンピオンを争う小椋藍、来季ついにMotoGPクラスに挑戦します!しかもチームは今まで予想されていたLCR HONDAの中上のシートではなくAprilia勢となるTRACKHOUSE RACING🇺🇸で、なんと2年契約。モータースポーツの世界では単年契約を結ぶことが多い中でこの複数年は非常に大きな意味があります。しかもHONDAではないメーカー系からということは純粋に彼の走りが評価されてのオファーだったと思われます。
まだ今季のMoto2タイトル争いがありますが、小椋のMotoGPでの戦い非常に楽しみですね!

次戦

第12戦は1週空けてアラゴンGP🇪🇸。昨年は開催されなかったので2年ぶりの1戦となります。スペインでありながらも周りが砂漠地帯で囲まれ、8月末とはいえ高い気温が予想されます。過酷なコンディションが一体どんな戦いを作り出すのか?次戦も見逃せません!


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