【F1 Rd.16 イタリアGP🇮🇹決勝ハイライト🏎💨】
レースハイライト
様々なドラマが生まれた53周のモンツァ、決勝レースを制したのは紅い跳ね馬を駆る黒い騎士チャールズ・ルクレール🇲🇨(フェラーリ)!
ほとんどのチームがタイヤのデグラデーションを見て2ストップする中でホームレースのフェラーリはの1ストップを敢行。他のレースは落としてもこのモンツァだけは絶対に誰にも渡さない!そんな執念を感じる走りで見事トップでチェッカーを受けました。
スターティンググリッドでフロントローに並ぶのはマクラーレンの2台。ポールポジションのノリス🇬🇧(マクラーレン)はしっかりとスタートを決めホールショットを奪い、2番グリッドからのピアストリ🇦🇺(マクラーレン)がそれに続きます。一方で3番グリッドのラッセル🇬🇧(メルセデス)はピアストリの背後に並んでましたがターン1のブレーキングでピアストリに吸い込まれたのか危うく接触しそうに。なんとか避けたもののコントロールを失いシケインに迎えずエスケープロードを通過することになります。
ホールショットを奪ったノリスでしたが直後のターン4シケインでピアストリに仕掛けられます。ノリスがイン、ピアストリがアウトサイドでサイドバイサイドに。ノリスはポジションを守りきれずターン5でピアストリがトップに浮上。さらにノリスはターン5の立ち上がりでトラクションを失うとルクレールにも仕掛けられターン6で3番手まで交代してしまいます。
序盤ピアストリはルクレールにプレッシャーをかけられるもなんとか凌ぎ10周を超えると2人のギャップは徐々に大きくなっていきました。
その後ミディアムタイヤスタート勢は15周前後で続々とピットに向かいます。ノリスはピットレーンで激しく白煙をあげ看板を僅かにヒットし焦りも感じられます。
一通り各車ピットを終えると順位は変わってルクレールが3番手へ後退しマクラーレンはピアストリ-ノリスの1−2体制となります。
30周を終えた段階で気付いたのはマクラーレンが1−2+ファステストラップをマークすると獲得ポイントは44pt。コンストラクターズ争いをするレッドブルはフェルスタッペン🇳🇱が6位、ペレス🇲🇽が7位なのでこの順位で終わると獲得するのは14pt。このままいけばマクラーレンとレッドブルはポイントの上で並ぶことになる!タイム差を考えるとマクラーレンは盤石に見え、これは面白いことになってくるぞとワクワクしてました。
30周を超えてくると多くのチームが続々と2度目のピットストップへ。路面の舗装が新しくなってタイヤのデグラデーションが以前よりも大きいのかハードタイヤでも長く走れない様子が伺えます。
フェラーリも同様に2度目のピットがあると思ってましたが、途中から「いつ入るねん?」と少しずつ疑問が浮上します。そして40周を超えたあたりで気付きます、「これ、ワンストップで走り切るんじゃね?」
フェラーリは2台ともピットに入らずそのまま最後まで走ることを選びます。40周目の時点でトップのルクレールと2番手のサインツ🇪🇸(フェラーリ)の差は10秒、ルクレールと3番手のピアストリの差は17秒。残りは13周、追いつけるか?ピアストリは1周約1.5秒速いペースで追い上げを狙います。
45周目、ピアストリはサインツに追いついて2番手へ浮上。サインツはその後ノリスにも抜かれ4番手まで後退することになりました。
ピアストリは最後の最後まで攻めの走りを披露し終盤はルクレールよりも2秒近く速いペースで追い上げますが、トップに立つには周回数が足りません。最後は2.6秒差まで詰めましたが逆転は叶わずルクレールがトップでチェッカーを受け、ピアストリが2位、ノリスが3位という並びの表彰台で勝負は決しました。フェラーリは2台揃っての表彰台とはなりませんでしたがサインツは4位でフィニッシュ。2人とも非常に力強い走りを披露してティフォシにとっても非常に嬉しい結果となりました。
モンツァの表彰式では毎回ファンがホームストレートになだれ込むのですが、ルクレールの勝利とあってティフォシは大興奮。フェラーリのフラッグがホームストレートに大きく広がります。イタリア国家は君が代と違って非常に盛り上がる曲で皆で大合唱。僕もいつか1度はあの烏合の衆に埋もれたいです(1回だけで十分です笑)。
フェラーリが大喜びする一方で、落胆するのはマクラーレンの2人。ピアストリは2位とはいえ、勝てたと思ったはずのレースを落としてしまいフィニッシュ後の無線でも悔しさを露わに。見ていた僕も今回はピアストリがチームオーダーなしで優勝するかと思ってました。しかし彼の走りは最後まで非常に力強くそれは賞賛に値します。今後の彼の走り、期待したいですね。
またこのレースでは新たなルーキーがデビューを迎えました。ウィリアムズは今季サージェント🇺🇸を起用してましたがここまでの振るわない彼の成績とクラッシュなどがきっかけとなり、このイタリアGPからはF2を戦っていた育成ドライバーのコラピント🇦🇷を起用。マッツァカーネ以来23年ぶりのアルゼンチンドライバーとなりました(因みにコラピントは21歳…笑)。
初出走しかもシーズン途中での出番となりましたが予選Q1ではチームメイトのアルボン🇹🇭から約0.5秒落ち、決勝では1台しかリタイアがない中18番手スタートから最終的に6つポジションを上げ12位でフィニッシュ。デビュー戦としてはこれ以上ない結果を持ち帰ってくれたのではないでしょうか。
決勝後はホームストレートになだれ込んだファンの中にいたアルゼンチン人ファンたちから求められたサインや写真にも応じており、初レースの後で疲れていたにもかかわらず非常にプロフェッショナルに振舞ってました。来季のウィリアムズのシートは既に埋まっているため現状彼の出番は今季の最終戦までではありますが、これからの彼の活躍を楽しみにしたいですね。
ポイントスタンディング
このレースを終えてのスタンディングスはこちら。まずはドライバーズ。
フェルスタッペンとノリスの差は62ptとなりました。フェルスタッペン優勢は変わりませんが、今のレッドブルの状況を考えるともちろん持ち直す可能性もあればその逆の可能性も否めません。万が一フェルスタッペンがリタイアするようなレースが出てくればノリスの逆転チャンピオンも見えてくるのではないでしょうか?フェルスタッペンとレッドブル陣営は久々に緊張と焦りが出るこれからのレースになるかもしれないですね。
続いてコンストラクターズ。
コンストラクターズはついにマクラーレンがレッドブルに対し8ptまで迫ってきました。マクラーレンがこのイタリアGPを1-2で終えていたら逆転もあり得ましたが、今回はフェラーリがアッパレだったので仕方ありません。そのフェラーリもマクラーレンに対し31pt差なのでちょっとしたきっかけで距離を詰めることが出来ます。マクラーレンもフェラーリもドライバー2人でしっかりとポイントを重ねることが出来ている中、レッドブルはフェルスタッペンがなんとかじゃじゃ馬マシンをコントロールしてポイントを稼いでいる状況。レッドブルは立て直せるのか、それともマクラーレンが超えていくのか?久々にトップ争いがドキドキするシーズンになってきましたね。
マグヌッセン、次戦出場停止
上位陣が激しい優勝争いを繰り広げる中で、後方では後方のトラブルが。ガスリー🇫🇷(アルピーヌ)と接触しペナルティを受けていたマグヌッセン🇩🇰(ハース)、なんと累積のペナルティポイントが12に達しこれで余剰がなくなったため次戦での出場停止が決定となりました。
しかしこの接触については非常に軽微なものであり、ハースサイドだけでなく接触を受けたガスリーですら「ペナルティには当たらない、撤回してほしい。マグヌッセンを擁護する。」など声を上げてました。
ハースはこの裁定に対してどう動くのか?もし出場停止を受け入れるなら誰を乗せるのか?次戦までの動きに注目ですね。
アントネリ、ついにF1へ
この土曜日、メルセデスは来年の2人目のシートを発表しました。かねてから噂はありほぼ間違いないだろうと思われてましたが、実際に発表になるとワクワクしますね。
メルセデスはラッセル🇬🇧のチームメイトとして現在F2を戦う期待の育成ドライバー、アンドレア・キミ・アントネリ🇮🇹を起用します!
僕自身はアントネリのことはF4の頃から注目をしてました。F4では世界一レベルの高いイタリアで無双し、ドイツF4と併せてダブルタイトルを獲得。昨年はフォーミュラリージョナルを戦い冬季のリージョナル中東、メインシーズンのリージョナルヨーロピアンの両方を制し昨年までの段階でスーパーライセンスポイントを55ptにして既にスーパーライセンス申請に必要な40ptをクリアする活躍をしてました。
今季はF2のマシンが一新されたことでPremaという強豪チームじたいがレースに苦しんでいることもありチャンピオン争いには絡めてませんが、そのPremaでも力強い走りで特に雨が降るコンディションでは光る速さを示してました。
僕自身はレースをフラットな目で楽しむためにも「この人!」という押しは作らないようにしてましたが、このアントネリだけはずっと楽しみにしているドライバー。僕の想像よりもかなり早いステップアップでいきなりメルセデスというトップチームからのデビューになりますが、才能の塊であるアントネリがF1でどんな戦いを見せてくれるのか?2025年が楽しみですね!
次戦
さて、次戦は1週空けてアゼルバイジャンGP🇦🇿。ヨーロッパラウンドはこれが最後でその後は再びフライアウェイになります。高速と低速が入り混じる市街地サーキットで今度はどんなバトルが生まれるのか?見逃せません。