無印良品津南キャンプ場を拠点に清津峡と越後一宮を訪れるDay3『越後一宮居多神社、五智国分寺』
無印良品津南キャンプ場で迎えた新潟県最終日。
朝食を作る頃には雨が降り出し、タープの中での朝御飯となる。
降ったり止んだり繰り返しで、タープの中で用品を片付け車に積み込みを終え、残るはタープのみ。
風雨も強く雨雲レーダーによれば、20分も我慢すれば一瞬雲が抜ける予報だったのでしばらく待機。
最近の雨雲レーダーは随分と信用できる。
20分後「撤収しな」とばかりに、風も雨もピタッとやみその間に撤収。
車に積み込んだころ再び雨が降り出す。
チェックアウトを終え、この地方では知られた「塚田そば店」と最終日の目標「越後一宮 居多神社」に向け、国道253号線で一路直江津方向へ。
直江津までは約1時間50分程、峠越えのウネウネ道が続く。
豪雪地帯ならではの神社を巡る予定でいましたが、どうもキャンセルされてしまったようです。
ポツリと「あの寺社はいかない?」と聞くとすっかり忘れていたようです。
峠を越えて上越市浦川原区の国道近くの神社二社に寄り道する事になり、導いてくれたのが写真の剣神社。
新潟県上越市東部に位置する浦川原区は、旧東頸城郡浦川原村にあたり、上越市との合併に伴い2005年誕生した地域自治区。
東頸城丘陵の西端に位置し、西に頸城平野の東端にあたり、区内を流れる保倉川右岸に鎮座します。
ここまで下りてくると豪雪地らしい神社の姿とは少し違ってくる。
それでも屋根の傾斜はそれなりにきつい。
社殿は切妻屋根の平入拝殿と幣殿、鞘殿がひとつに繋がったもの。
上
剣神社社頭全景。
正面の鳥居は平成12年奉納のもので額には「剣神社」とあり、手前の石灯籠は大正10年寄進のものです。
当神社の詳細について新潟県神社庁上越市の神社一覧に登録がありましたが、創建や祭神などの情報は得られなかった。
左に「有明荘」という施設があり、調べて見ましたがこちらも公民館なのかよくわからなかった。
当地には「浦川原村史」という地史があるようなので、閲覧申請をしていますが、現状ではこれ以上の情報はありません。
下
拝殿内部の様子。
内部の木札から以下の改修履歴が掲げられていました。
・大正10年(1921)本社殿修膳。
・平成10年(1998)には拝殿改修。
大正時代の木札が本社殿修膳とあるので、創建は明治・江戸時代にまで遡るかも知れません。
拝殿内には「剣神社」の拝殿額と左右に一対の随神が安置され、大正15年に奉納された戦艦長門の写真が奉納されており、幣殿内にも随神の姿が見られました。
祭神は推測になりますが素盞嗚大神、氣比大神、忍熊王かと思われます。
今のところ剣神社についての情報はこの程度しかありません。
剣神社
創建 / 不明
祭神 / 不明
所在地 / 新潟県上越市浦川原区横川254
津南キャンプ場から剣神社 / 国道117号線津南駅入口左折、県道405号線で津南駅前を右折、県道49号線、国道353号線、国道253号線で直江津方向へ約1時間40分程。
剣神社を後にして、再び国道253号線(ほくほく街道)に戻り5~6分程先の浦川原区飯室の「石動神社」へ参拝に立ち寄りました。
国道の飯室山西の信号を右折し、右側の杉の杜に包まれて石動神社は鎮座します。
こちらも新潟県神社庁上越市の神社一覧に石動(いするぎ)神社の登録はあったがそれ以上の情報は得られらかった。
石動神社は、北陸地方の山岳信仰で、富山県と石川県の境にある石動山を本山とする石動信仰で、祭神は石動彦(石動権現)を祀る神社のようです。
神社一覧を見る限り、この辺りには石動神社が多く祀られている様に思えました。
下の写真は神社後方から見た社殿の全景。
社殿は奥の拝殿と本殿までがひとつ繋がりで、社殿を支える高い基礎が積雪の多さを感じさせます。
石動(いするぎ)神社
創建 / 不明
祭神 / 石動権現
所在地 / 新潟県上越市浦川原区飯室474
自分の目的地だった、豪雪地帯の神社の姿とは少し違いますが、これだけ高い基礎の神社もあまり見た記憶もない。
そう自分を納得させて、再び国道に戻り、保倉川沿いに直江津方向の「塚田そば店」までは20分少々。
保倉川が関川と合流する関川に架かる直江津橋を渡ってすぐに左折し、信越本線を越えた左側に目的の塚田そば店があります。
外観は普通の町のそば屋さん、時間が昼時なので大きな駐車場は満車。
ところが回転がいいのか次から次に車が出ていくので駐車場待ちは僅かです。
安い・早い・旨いが売りのこのお店、営業時間は朝8時から18時。
券売機でうどん・そば・中華麺の何れかと、トッピングを選択しカウンターで渡すと手際よくさっとカウンターに出てくる。
所謂セルフうどんに近いが、一切客は手を出さなくてもいい。
写真は「天玉中華」
出汁が効いた共通の汁に中華麺が入り天ぷら・玉子が乗ったもの、ネギをタップリ盛ってくれて380円。
これにおにぎり90円を追加しても懐に優しい庶民の味方、地元のソウルフードだ。
正直、和風の出汁に中華麺は如何なものかと思っていたが、食べて見ると実に美味しい。
名古屋にも「うちゅう・うそ」として知られる店もあるが、このご時世なんでも高くなり、庶民には有難い存在だ。
塚田そば店
所在地 / 新潟県上越市東雲町1-1-6
目的のひとつをクリアして、ここから約10分程西にある越後一宮居多神社と五智国分寺に向かう。
上
居多神社社頭、道路向かいの駐車場に駐車すれば目の前です。
社頭から石段を上ると鳥居があり、広い境内に社殿が現れます。
この鳥居、実は二ノ鳥居で、一ノ鳥居跡は社頭から真っすぐ伸びる参道の先の古い社号標が立つあたりとなります。
五智国分寺は一ノ鳥居跡から左に進んだ先になります。
下
越後一宮 居多神社全景。
境内右側には境内社の高皇産霊神、神皇産霊神を祀る雁田神社と本殿右側に稲荷神社が祀られています。
居多神社の祭神は大国主神、奴奈川姫、建御名方神(諏訪神)を祭神とする古社で創建は不明。
祥元元年(1207)親鸞上人が越後国府に配流となり、居多ヶ浜に上陸、最初に参拝したのが越後一宮 居多神社とされ、その時「すゑ遠く法を守らせ居多(こた)の神 弥陀と衆生のあらん限りは」と詠み神前に供えて祈願したところ、一夜にして境内の葦が片葉になったという。
この片葉の葦は「親鸞上人越後七不思議」のひとつとされ、社頭右手の社標周辺で見ることができます。
親鸞上人は後の建保2年(1214)に常陸国に旅立つまでの越後で生活した。
境内右に親鸞上人の像が立てられています。
平成20年(2008)に現在の綺麗な新社殿となる。
それだけに特に魅かれるものはないかもしれないが、広々とした明るい境内に建つ社殿は立派なものです。
社頭から道路を渡り参道を進むと一ノ鳥居跡に出ます。
鳥居は既になくなり、古い社標や常夜灯が残るのみです。
写真の右手に進めば五智国分寺は目と鼻の先です。
越後一宮 居多神社
創建 / 不明
祭神 / 大国主神、奴奈川姫、建御名方神(栞より)
境内社 / 雁田神社、稲荷神社
所在地 / 新潟県上越市五智6-1-11
五智国分寺
上
五智国分寺門前の全景。
南向きに伽藍が配置され、参道の先に仁王門を構えています。
五智国分寺は天台宗の寺院で、山号は安国山、院号を華蔵院と称し五智如来を本尊とします。
広い境内の右側に上越地方唯一残る三重塔、左に経蔵と白山神社(現在再建中)が鎮座します。
正面の本堂とこの地に上陸した親鸞上人が草庵を構えた竹之内草庵が主な伽藍。
開基や創建時期は定かではなく、寺伝によれば永禄5年(1562)、上杉謙信により現在地に移転・再興されたとされます。
移転前の場所については諸説あるようで、海岸浸食で没したとする説もあるようです。
下
仁王門。
天保6年(1835)に建てられた切妻屋根の三間一戸の八脚門。
扁額は「安國山」、左右の間に安置されている仁王像は天保7年(1836)のものとされる。
現在の本堂は平成9年(1997)に再建されており、この仁王門も近年屋根は吹き替えられているようです。
竹之内草庵の手前に親鸞上人像が安置され、左手の岩に親鸞上人が腰掛けたとされる腰掛石がある。
当地には空海も訪れ、本尊の五智如来は空海が安置したものといい、松尾芭蕉もこの地を訪れ、その際に詠んだ句碑が残されています。
五智国分寺
宗派 / 天台宗
山号 / 安国山
院号 / 華蔵院
開基・創建 / 不明
本尊 / 五智如来
所在地 / 新潟県上越市五智3-20-21
以上で最終日の目的地は全てクリア、時計を見れば既に14時になろかと云うところ。
あまりの暑さにお茶をしながらクールダウンし、地元のスーパーでこの地の食材や酒を買い求め高速に乗る。
岡谷の分岐の工事の影響は大きく、車線規制区間は40㌔以上で流れているのだが、その流れにスムーズに合流できない者、車間を取らずブレーキばかり踏む者、全体の流れは止まる。
帰りの中央道上りの多治見土岐の工事区間では追突事故が起きたばかりで通行止めになっていました。
車間をとって50㌔規制の流れに乗ることができないんだろう。
降りるに降りられない後続のドライバーにとっては傍迷惑な話だ。
下りはいたって順調で夕方には守山のCostcoで給油して日暮れまでには帰宅できました。
久し振りのキャンプ、無印良品津南キャンプ場は空いていて印象が良かった。
難があるとすれば、標高が低く暑いのと風呂がないのが残念ですが、次回は釣竿を持って長期滞在したい。
また、キャンプ場までの道が酷評されますがあんなものでしょう。
個人的には三つのキャンプ場で一番快適なのはやはり南乗鞍だと思いますが、施設の更新(特に釣り桟橋)がされず、無印自体あまり積極的にこの事業やりたくないような気がしてならない。
かみさん曰く「キャンプブームは去った」ということのようだ、クマをはじめとする野生動物も増え被害も頻発しています、キャンプはリスクが伴うのでTVに感化され、流行でやるものではないかもしれない。
訪問日 / 2024/07/18・19・20