広島東照宮境内社『金光(きんこう)稲荷神社・奥宮』
広島東照宮境内北側から双葉山麓に鎮座する金光(きんこう)稲荷神社、山頂に鎮座する奥宮に続く参道が伸びています。
今回は東照宮境内社の金光(きんこう)稲荷神社と奥宮を掲載します。
上
東照宮北側の朱の鳥居、ここから石段を上り、一般道を越えれば金光(きんこう)稲荷神社です。
下
道路を渡ると脇参道の入口が見えていますが、正参道は道路を右に進んだ左側になります。
上
金光稲荷神社社頭。
右に金光稲荷神社の解説が立っています。
ここから石段を上り、まずは本殿に参拝し、奥宮を目指します。
下
金光稲荷神社の解説。
例祭 月次祭 毎月1日、15日
春季大祭 4月1日、秋季大祭 11月1日
祭神 宇迦之御魂命
由緒 元禄(1700年)の頃より当権現山(二葉山)に祀られる、遠き昔より商売繁盛、家内安全など諸願成就の大神として神徳を得られ金光稲荷大神として称えられている。」
解説によれば奥宮へは約8分で辿り着けるとある。
それ位なら仏舎利塔は無理としても、奥宮までは行けそうです。
上
石の神明鳥居に掲げられた額は金光稲荷神社とある。
下
石段中ほどから見る拝殿。
社殿の建つ境内は意外に小さく、全景を入れるには自分のレンズではここまで後退しなければ入らない。
本殿も鬱蒼とした杜が遮り全く見通せなかった。
拝殿に掲げられている額と下が境内右側の境内社。
後方の鳥居は奥宮遥拝所。
社殿の鎮座する境内には三つの社が祀られており、上は境内左の流造の社で外削千木と5本の鰹木。
下は拝殿右奥の社、造りは同様で内削千木と4本の鰹木。
何れも社名札がなく社名は分からなかった。
東照宮の朱の鳥居脇には奥宮までの参道にお産稲荷社、出世稲荷社、三狐呂稲荷社、玉成稲荷社、玉秀稲荷社、高彦稲荷社とありますが、結論から言えば奥宮までには無数の社が祀られています。
二葉山の頂に鎮座する奥宮まで約8分とありますが、くねくねと方向を変え高度上げる参道は、約8分では奥宮に辿り着けなかった。
写真の時間情報から見ると奥宮までは、足元の悪い参道を20分程登った事になります。
そんな参拝者向けにこの奥宮遥拝所がある、ここで拝めば上に上らなくとも同じ御利益を得られます。
参道入口の光景。
これならば行けそうな気はしますが、奥宮にかけては更に参道は荒れていきます。
参考時間を書きますが、この写真撮影時からものです。16:33。
登り始めて1分程で神輿舎と参道右側の社。
お産稲荷社大神、ここで16:36
上
出世稲荷大神、16:38
三狐稲荷大明神16:40
上、三狐稲荷大明神の右側にも鳥居を構えた稲荷社。
玉成稲荷大神、16:42
上、玉秀稲荷大神、16:46
下、高彦稲荷大神、16:48
スタートが16:33なのでここまでが15分です。
ここまで来れば左手の高みに鎮座する奥宮も間もなくです。
奥宮鳥居到着が16:49、歩き始めてから16分を要しました。
それまで杜に包まれ遠景は見通せなかったが、参道の左側に西陽が差し込み空が開けた一画が奥宮。
上、鳥居の右の手水舎。
下、奥宮の社殿右側の山肌には巨岩があり、そこにも社が祀られていて、山肌には古い石垣が積まれ山城の趣があります。参拝後もう少し上まで登ってみます。
奥宮社殿から山側の眺め。
ここにも一枚の巨岩が聳え、岩の下側に穴が開いており、その前で狐が守護する社が祀られています。
狐は穴を好みます、奥宮までの小さな社にも穴を社にしたものもありました。
狐の巣穴として意味もあるだろうが、この巨岩自体が神秘的な磐座のようにも思えます。
岩の上を良く見ればそこにも祠が見える。
狐の巣窟です。
金光稲荷大神奥宮。
大きな一枚岩の上に祀られる社は流造。
眼下には広島市街を一望でき、原爆投下以降、ずっと街の繁栄を見続けています。
奥宮への約500段近くある急な道のりは正直言ってとてもきつい、しかし山肌に祀られた大小の社や数えきれない奉納鳥居、参道の整備状況を見ると多くの崇敬者に護られているのがよく分かります。
奥宮から眺める市街の眺望や遥か先には広島湾を望むことも出来、お勧めするには辛すぎますが、眺望は一見の価値があります。
奥宮への道のりは正直言ってとてもきつい、ここの登拝で全ての余力を使い果たした感がありました。
それでも、奥宮からもうひと登りして更に上を目指します。
上
奥宮社殿全景と眼下の広島東照宮方向。
下
広島市街と瀬戸内海の眺望。
標高139㍍権現山(二葉山)、奥宮から上に出ると尾根の上は城址のような光景となります。
幾つかの大きな窪みが作られ、壁は石垣が積まれています。
ここは高射機銃陣地址で第二次世界大戦の戦争遺構として保存され、当時の様子が解説されています。
広島市街を見下ろす二葉山には、こうした陣地や兵舎が築かれていたそうですが、一発の原爆で全滅しました。
大量殺戮の智恵を絞り、資源や資金を次ぎこむエネルギーがあるなら、一つの星として纏まる事にエネルギーを費やすのが道筋ではないだろうか、広島東照宮と金光稲荷、いや広島はそうしたことを考える機会を与えてくれる場所でもある。
そろそろ参道を下りるとしよう、こんな道が続くので油断は禁物です。
広島東照宮境内末社 「金光(きんこう)稲荷神社」
創建 / 元禄(1700年)頃
祭神 / 宇迦之御魂命
所在地 / 広島県広島市東区二葉の里2-1
境内社 / お産稲荷社、出世稲荷社、三狐呂稲荷社、玉成稲荷社、高彦稲荷社他
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