見出し画像

シリコンバレーに行ってきた

みなさんこんにちは。つい先日、JETROさんが行っている「飛躍」プログラムを通じて1週間ほどシリコンバレーに行かせていただき、とても刺激を受けたので記録に残そうと思い、投稿します。初noteです。(※個人的な感想で、会社の見解ではありませんのでお含みおきください)

そもそも飛躍プログラムって何ぞや

自分が行かせていただいた「飛躍」プログラムというのは、「高い技術力や優れた事業アイディアを持つ中小・中堅・ベンチャー企業等を日本全国各地から選抜し、イノベーション先進都市であるシリコンバレー、世界有数のIT企業がグローバル拠点を設置するベンガルールの2つのエリアに派遣」してくれる事業のことです。(JETROさんのページより抜粋)デロイトトーマツベンチャーサポートさんも運営に加わっています。

弊社パロニム株式会社も設立から2年少しのスタートアップですが、日本国内と中国で良い引き合いを多数いただいており、今回は米国進出の機会創出のためにこちらのプログラムを活用させていただきました。

シリコンバレーで実際に何をしていたのか

主に現地でやっていたことは、「レクチャーを受ける」「企業と面談をする」「ピッチをする」の3つでした。

レクチャーについては、JETROさんのパートナー企業の方々から、現地法人の設立や就労ビザの発行などの実務的な側面の知識やシリコンバレーのエコシステム、投資環境のトレンドから、現地の起業家の体験談などとても中身のつまった内容を教えていただき、めちゃくちゃ勉強になりました。ありがたやありがたや。

企業面談は、現地のMicrosoftやLinkedInといった誰もが知る有名IT企業を訪問させてもらえたり、弊社にマッチしそうな企業と個別面談をさせてもらえたり、という感じ。数社の企業と面談。たくさんの刺激とビジネスの機会をもらえてありがたかったです。

ピッチは、現地で開催されているピッチイベントでピッチしたり、後述するMind the Bridge社でのフィードバックを基にブラッシュアップを行ったりしていました。これがとてもありがたく実りのある活動でした。

結論、全てありがたい本当に良いプログラムでした。改めて本プログラムに関わっていただいた方々に感謝します。

現地では「飛躍」プログラムに採択された数社の日系企業様と一緒に、JETROさんのパートナー企業の1つであるMind the Bridge社のオフィスで主に活動していました。

"innovation advisory firm"として、スタートアップを大企業や投資家とつなげる支援を行っている会社です。基本的に毎日こちらに通っていました。

https://mindthebridge.com/

現地で驚いたこと

現地で活動していて驚いたことを下記、共有していきます。

・シリコンバレーは時代遅れに...?

現地でレクチャーを聞くところによると、VCの投資額は10年ほど前までシリコンバレーがNo.1だったのだが、ここ数年はサンフランシスコがNo.1となっており、有名なIT企業の多くもこちらにオフィスを持つようになってきているとのこと。

今では、シリコンバレーは「お金を持ったおじさん達がオフィスを構えるところ」でありちょっと古い、といった印象があるようで、新しくスタートアップをやる人達も他のところで始めることが多いようです。(ちなみに、今回の飛躍プログラムで活動していたエリアもサンフランシスコであり、厳密にはシリコンバレーではないのですが、そこはご容赦ください。)

↓の青枠のところがシリコンバレーと呼ばれるエリア。しかしオレンジのサンフランシスコの方に投資が移ってきていて、有名なIT企業もこちらにオフィスを持っていたりします。

・率直でオープンな人々

現地の人々は本当にフィードバックが率直でした。ピッチをしたときに、分からない点やConfusingな点があるとすぐにその場で聞かれましたし、改善案もどんどん遠慮なく指摘してくれました。これが個人的にはとても気持ち良かったです。

日本ではプレゼンがパッとしないものでも、とりあえずその場の雰囲気を読んで、(仮にもやもやする部分があっても質問や指摘をすることはせず)、パチパチと元気のない拍手が鳴り、成果もなければ改善点も得られない、ということはしばしばある気がします。

このような率直さは過ごす時間の密度を濃くし、生産性をあげ、各自の意識をよりクリアにするように感じました。

また、オープンさという点は、情報交換のスタイルにも現れているようでした。例えば、こちらではシード期のスタートアップのような、利害関係者が比較的少ない段階の企業では、投資家や協力者になってくれそうな人に対して、どんどんオープンに話し、NDAも要求しないことはよくあるそうです。そうすることで、双方がスピーディに情報交換し、取引につなげやすい風土があるように感じました。そのような文化のためか、ピッチの際にも結構突っ込んだ質問がバンバン飛んできていたように感じます。

↓ピッチを行う弊社代表

・Bigにスケールするビジネスしか相手にされない

プログラムを通じて印象的だったのが、スタートアップがシリコンバレーで求められているスタンスです。基本的にシリコンバレーでスタートアップに投資するVCやアクセラレーターは巨大な市場を取りにいけるようなものしか求めていないようでした。

例えば、YCombinatorの卒業生として教育系のITサービスを展開する南米出身の起業家が体験談を語ってくれたときに、「南米一国の市場を相手にしてたらアクセラレータに見向きもされない。けど、これが南米全体の市場を取りに行くものなら彼らは話を聞いてくれるんだ。」と言っていました。将来見込める規模が小さいorそこそこのものは相手にされないようです。

もちろん、規模が小さくとも堅実にリターンが見込めるビジネスもありますし、そのようなところに投資するファンドもあるのでしょうが、それはスタートアップ投資のメインストリームとはまた違った世界なのでしょう。そう考えると日本一国を視野に入れて活動するようなビジネスは彼らにとってどれほど魅力的なのか?シリコンバレーでスタートアップをするなら、本当に"Think Big"のスタンスが求められるように感じました。

・超シンプルでEntertainingなピッチスタイル

日本と異なり驚いたものの一つが、ピッチのスタイルでした。シンプルに、分かりやすく伝えるのが大事なのは日本でも同じだと思いますが、シリコンバレーではより洗練された、超シンプルで聴衆を楽しませるようなピッチが求められているのだと感じました。

500Startupsが主催するイベントに特別に参加させてもらえる機会がありました。彼らのアクセラレーションプログラムに採択され、そこでメンタリングを受けているシード期のスタートアップ達がピッチを行う、というイベントだったのですが、もう雰囲気がまるで違いました。

まず、ピッチを行う人が入ってくる際にバックミュージック(ロッキーのテーマや、クラブミュージックまで人によって様々)がジャジャジャーンと流れてきて、本人が拍手で出迎えられる。そして、2-3分で課題やソリューション、そしてファクトとなる売上や調達金額をシンプルにまるでテレビ番組かのように抑揚をつけて話して、最後はまた聴衆から拍手で送られていく。

映像を共有しないとなかなか伝わらないのですが(SNS等にアップはNGとのことで、気になる人いれば連絡ください)、スタイルが全く違いました。別のピッチイベントでは音楽の演出などなかったので、これは500Startupsのイベント特有のものだったのかもしれません。ただ、ピッチに求められるエッセンスは各イベントで共通していたように感じます。


サンフランシスコの街について

サンフランシスコの街についての気付きは以下の通り。基本的に人は気さくで話しやすい雰囲気でした。

・意外とアナログな街

現地での移動はUberやLyftといったライドシェアを使って移動することがほとんどでした。こう言うと、さすがハイテクの街は進んでるなあ、という感じを受ける読者の方もいるかもしれない。ただ、街そのものは結構アナログ感漂う感じでした。例えば、1時間に1本しかこない電車や、街を行き交う路面電車の向きを手動でくるくる回して変えるおじさん。

ITは非常に進んでいるハイテク都市のはずなのに、なぜこのような状態かというと、地方政府が特にこういったインフラに投資をしない、ということがひとつの要因らしい。民間企業は自由にビジネスをしてね、政府は干渉しないし投資もしないよ、というスタイルなのだろう。

もちろん国土が広くて基本的に車社会、という背景もあるのだが、東京や大阪のような公共交通機関がよく整備された都市というイメージとは少し違った街でした。なお、サンフランシスコ自体には90万人しか人が住んでおらず、意外と人は少ない都市(現地ではVillageと呼ぶ人もいました)のようです。

・坂が多い

坂が多く、なかなかアップダウンがある街でした。急な坂も結構あり、そこでは斜面に垂直に駐車された車がズラリ。

・物価が高い

訪問前に聞いていたが、現地の物価は高いです。レストランに入るとチップ込みで一回の食事で15-20ドルくらいはしました。しかし最も驚いたのは傘。今回の滞在中に雨が降ったため、現地のスーパーで傘を買ったのだが、何と透明のビニール傘が16ドル。日本円にして1800円ほど。日本のコンビニで買えば700円くらいなのに。

たまらず、せっかくなら他の傘を、と探してみて買ったのが↓の傘。もはやパラソルに近い巨大な傘で、くるっと止めるところが2箇所もある。これで18ドル。透明傘と2ドルしか差がないプライシングは謎です。サンフランシスコは雨が少ないようなので、需要が少ないという要素もありそうですね。

・結構見かける和食店

現地を散策していると、和風のお店をちらほら見かけました。そして驚いたのが何と現地に一風堂があったこと。結構人気で並んでました。普通に美味しく、また日本では売ってないメニューも提供しており、店内もおしゃれな感じの内装。

お店の力の入り具合を感じながら、醤油ラーメンを美味しくいただきました。

まとめ

シリコンバレーへ行って感じたことをつらつらと書いてみました。もっと伝えたいことはたくさんあるのですが、弊社についての文脈を長々と共有しないと伝わらなかったり、noteでお伝えするのも適さない分野の話題が多々あるので、一旦ここまでにします。

とにかく今回の訪問で自分たちはかなり刺激をもらえましたし、数々の熱を帯びたフィードバックをもらって、さらなる挑戦をする勇気をもらえた気がします。個人的には、投資家やメンターの方から"Sexy"なプロダクトだ、と言ってもらえたことが印象に残っています。

最後に飛躍プログラムを企画、運営してくださった方々、貴重な機会をくださり本当にありがとうございました。長文お読みいただき、ありがとうございました。




いいなと思ったら応援しよう!