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オールドワールドのオモシロスペシャルルール5選

今回は割とどうでもいい話題だが、オールドワールドのゲームを盛り上げるオモシロルールをいくつか紹介しよう。オールドワールドには近年の40KやAoSではあまり見られないユニークなスペシャルルールがいくつも存在しており、臨場感を高めてくれるものもあれば、頭を抱えたり笑いを提供してくれるものまである。それでは見てみよう。

Timmm-berrr!!!(倒れるぞオオオオ!!!)

これは愛すべきバカユニット、ジャイアントに共通するルールだ。ジャイアントとは、要は巨人だ。こいつらはデカい。よって、殺せば当然その図体に押しつぶされる危険性がある。これはその様を表すスペシャルルールだ。逆に言うと巨人が死んだ時にだけしか使われないスペシャルルールだ。一応説明しておくが、オールドワールドではほとんどのスペシャルルールがいちいちユニットのページで解説されない。ほぼ全てルールブック参照だ。つまり、このルールはほぼジャイアント専用のユニバーサルスペシャルルールということになる。では何が起こるかというと、ジャイアントのプレイヤーがいずれかの方向を指定して、その方向にジャイアントが倒れ、D6発のヒットを巨人の攻撃力で与える。哀れな犠牲者は巨大に踏みしだかれてペシャンコになるというわけで、なんともファンタジー世界らしいルールだといえる。嘘みたいなほんとの話だが、昔は専用のテンプレートが売られていた

巨人が倒れるルールを表現するためだけに生み出された特級呪物、ジャイアントテンプレート。マヌケなツラとだらしない身体が無駄にキレのいいクリアパーツでモールドされていて不気味だ。アーミーブックにも印刷用テンプレートのページがあった。
ジャイアントのミニチュア。AoSには超大型巨人がいるので相対的に小ぶりに見えるが、オールドワールドではじゅうぶんデカいことがわかる。ちなみにジャイアントには専用の表が用意されていて、戦闘中に何をしでかすかわからないし、死んだらそれはそれで迷惑というとんでもなく面白いユニットなのでオススメだ。

Doomseeker(ドゥームシーカー)

アーケインジャーナル: ドワーフェン・マウンテンホールドからのエントリーだ。ドワーフ社会には、何らかの理由で死にたくて死にたくてたまらない奴らがいる。彼らの名はドゥームシーカー。文字通り破滅を求める者たちだ。しかしただ死ぬのはゴメン被るので、強敵との死闘の中で華々しく散りたいと考えている非常にめんどくさい連中で、この辺がルールにちゃんと落とし込まれている。Doomseekerは彼らにのみ与えられたスペシャルルールだ。他にあってたまるか。

鎖付きブーメランを両手に縛り付けて振り回す何とも物騒な連中だ。インパクトヒットも含めてとんでもない回数の攻撃を繰り出す。戦って死ぬことしか考えていないので防具の類は一切ない。誘導弾みたいにして使うユニットだ。

このドゥームシーカー、一見するとただの狂人なのだが、彼らの目的は華々しく名誉ある死を遂げることだから実際狂人だ。死ぬことで彼らの目的は達成される。逆に言うと、むざむざ生き残ることはあまりに不名誉なので、バトル終了時に彼らが生存していると、なんと相手にポイントを献上してしまうのだ。驚くのはまだ早い。死にたがりのドゥームシーカーを対戦相手が討ち取ったとしても、彼らは戦いの中で満足して死んでいるので、対戦相手はドゥームシーカーぶんの勝利点が得られない。

◇ユニット撃破したのになぜ・・・?

これが意味するところは、鎖付きブーメランでなりふり構わず突っ込んでくる、相手にするだけ損な狂人に仕方なくリソースを割くか、被害を覚悟してガン無視するかを相手に迫ることができると言うことだ。だが話はここでは終わらない。スレイヤーキングことウングリム・アイアンフィストをジェネラルに迎えた場合、ドゥームシーカーが1000ポイントにつき4人まで迎えられる。2000ポイントなら8人だ。アップグレード無しで一人50ポイントなので、こうなったら対戦相手は最低400点分のポイント回収不能な敵と戦わねばならない。ドゥームシーカー自身もルーンによるアップグレードが可能なので、回収不能な負債はさらに膨れ上がる。これの仕組みを最大限利用したロスターも考えられるが、誰か実験してみてはいかがだろうか?

Stupidity(愚鈍)

長いウォーハンマー史の中で、数々の戦場に笑いを提供した、伝統と栄光に彩られたスペシャルルール、それがStupidity(愚鈍)だ。その名の通り、おっそろしく頭が悪いことを表すためのスペシャルルールだが、ただ頭が悪いということを表現するためだけにユニバーサルスペシャルルールがわざわざ作られている(それもずっと前から)というのは驚愕に値する。キメラやゴアビーストやケイオススポーンなど、真っ当な知性など無さそうな生き物でさえこのルールは付いていないので、愚鈍持ちはよっぽどの大バカということになる。こうした大バカの代表はトロールだが、リザードマンやダークエルフの騎乗恐竜であるコールドワンも相当な大バカなようで、このルールが付いている。ビーストマンの獣人たちは場合によってはバトル中に突然バカになることもあり、決定的な場面で蝶々を追いかけたり、お尻をボリボリ掻き始めてプレイヤーを楽しませてくれる。具体的に何をするかと言うと、ターンの初めに士気の値を用いて愚鈍テストを行い、失敗すると何も考えずただ真っ直ぐ歩く。もちろん突撃も行進移動もできない。彼らは落としたオモチャを拾ったり、アリの巣を眺めてターンを終了するのだ。勝敗のかかった突撃を目前に、突然自分の尻尾を追いかけ始めるコールドワン(とその上に乗ってる哀れな乗り手)を想像して欲しい。敵が目の前にいるのに屁をこいて鼻をほじりだすトロールを想像して欲しい。あまりにバカバカしくて笑うしかない。バトルの後の打ち上げで美味しい酒が飲める。

ケイオスのキャラクターは神々の眼差しチャートで「1」が出ると突然バカになる。あのディーモンプリンスでさえも愚鈍の呪いからは逃れられない(マジックアイテムで振り直すべし)

Chariot Runners(チャリオットランナー)

地味すぎるスペシャルルールがメインルールブックからエントリーだ。チャリオットランナーはチャリオットを上手く操作したり、チャリオットにボーナスが付くルールではない。チャリオットに随伴もしくは護衛する兵のためのルールだ。気にしたことがある人はほとんどいないであろう影の薄いルールといえよう。何故ならこのルールを持つユニットがかなりレアだからだ。

ポイントは高いぞ(アップグレード)

何ができるかと言うと、
・チャリオットは、チャリオットランナー持ち歩兵の後ろから視線/射線が通るようになる
・チャリオットは、チャリオットランナー持ち歩兵を通過して移動/突撃することができる
・ただしスカーミッシュ隊形に限る

◇このルールの目的は・・・!?

これは相当にテクニカルだ。ひとつめ、まず視線が通るということはつまり、チャリオットの乗り手が前面に展開するユニット越しに射撃したり、マジックミサイルを唱えられることを意味する。まぁ、カッコいいしなんとなくわかる。が、射撃ができるチャリオットは結構希少だから活かせるユニットは限られる。次にチャリオットランナー持ちユニットの間を抜けて移動することができるということについてが、スカーミッシュユニットをチャリオットの盾として使い、ベストタイミングでチャリオットが隊列を割って突撃できることを意味する。これはかなり有効だ。練度の高いスカーミッシャーがチャリオットにサッと道を譲れるわけだ。上記の二つのルールをフル活用できるのは現状ではスケルトンソースアーチャー+スケルトンチャリオットか、シャドウウォリアー+ティラノックチャリオットが考えられる(他にもあるかもしれない)。前者はチャリオットと歩調が合うから有効だし、後者は射撃によるアドバンテージの他に撤退戦術などトリッキーな立ち回りが可能だ。いずれにせよチャリオットのインパクトヒットを確実に決めるために壁役として機能するのは非常に便利だし、オールドワールドではなかなか見られないスタイリッシュなムーブなので、考慮する価値はあるだろう。

シャドウウォリアーをかき分けて突進できるかは知らんが、ティラノックチャリオットは作ったのでちょっと試してみたい(旗がかっこいいだろう?)

Impetuous(勇猛果敢/猪突猛進)

オールドワールドにおけるデメリットルールの王であり、これが付いているだけで笑えるユニットに様変わりする、オモシロルールの中のオモシロルールだ。個人的にはこのルールが付いているだけで「うわぁ・・・」ってなる。このルールがついたユニットは基本的にキレやすいか、功を焦りがちだ。彼らは敵への突撃が可能な距離に入ったら、突撃宣言サブフェイズにD6を振ることになる。そして、出目が1〜3だと戦いたい衝動を抑えられなくなり、勝手に突撃してしまう

突撃(や)りてぇ・・・‼︎

愚鈍と違って士気値参照ではないので、将の威厳による修正やバトルスタンダードによる振り直しは存在しない。半分の確率でコントロールが効かなくなるとも言える。今まで積み上げた緻密な戦略が一気に吹き飛ぶ瞬間だ。そしてそうなったら最後、相手が誰だろうが、どれだけ距離があろうが関係なく猛然と突撃を開始する。もう彼らは誰にも止められない。制御を失ったユニット対してにできることは、祈ることだけだ。

止まるんじゃねぇぞ・・・

Frenzy(狂乱)は「必ず」突撃するし攻撃回数が増えるメリットもあるのでもう割と諦めがつくが、そうはいかないのがImpetuousだ。このルールが付いているユニットは能力値が強力なアタッカー系である場合が多く、ハイエルフなんかはエース級の重騎兵ユニットであるドラゴンプリンスがそれにあたる。初めてドラゴンプリンスのルールを読んだ時、

「アーマー2+!?攻撃回数2!?ウオオオオ!!!!そしてインペチュアス!?・・・なんだこのルール・・・?(膝から崩れ落ちる音)」

となったのを覚えている。後から知ったがオーク&ゴブリンのユニットにはたいていの場合標準装備されている。ブラックオークがいないとみんな勝手に突撃するという、なんともオークらしいルーリングだ。逆に、相手にImpetuousなユニットがいる場合、わざと突撃されるギリギリ最長の距離まで移動して、釣り出す戦術が取れる。そうすることで戦いを有利に運ぶ(逆の立場なら一気に不利な立場に陥る)ことが可能になるので、気になったユニットにImpetuousがあるかどうかは極めて重要と言えるだろう。ちなみにだが、マーチングカラム(行進隊形)のユニットはImpetuousが重なると自動的に突撃失敗となる。だが、Drilled(高度練兵)のルールを持つ場合は何故か急に冷静に戦闘隊形に隊列を組み直し(Redress the Rank)、そして突撃するから注意だ。

ベース貼り替え中のドラゴンプリンスとメイジ(エルフスティード騎乗)。ユニットの中に一人でもImpetuousがいれば、そのユニットはImpetuousだ。バカは伝染するのだ。

みんなのお気に入りのスペシャルルールは見つかったかな?今回はここまでだ!

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