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続・オールドワールドの始め方

ぼちぼち前回の記事の時と比べて、ミニチュアも続々と発売され、新規参入のハードルがだいぶ下がってきた頃合いなので、2024年8月現在におけるオススメのアーミーと、それぞれ好きなユニットを紹介していきたいと思う。ただし、めんd…大変なので気合を入れて紹介するのはメインファクションであるブレトニア、エンパイア、ドワーフ、ウッドエルフ、ハイエルフ、ウォリアーオブケイオス、ビーストマン、トゥームキング、オーク&ゴブリンに絞ってお届けしたい。また、海外のトーナメントレポートや、いつもぼんやりYouTubeで観ているバトルレポート、そして筆者の主観でアーミーの強さも評価するので、参考にしてほしい。

ドワーフは最近だいぶ始めやすくなったが、ハイエルフはまだ当分気軽に始めるのは不可能だろう。早いとこアーミー間格差を是正してほしいものだ。気長に待とう。

共通して必要なもの

共通して必要なものはダイス、テンプレート、メジャー、メインルールブック、やりたいファクションの所属しているアーミー本、そしてムーブメントトレイだ。

・ダイス
好きなものを買うんだ。ファクションダイスは高いが満足感はある。ちなみに出目は良くない(個人の感想)

買ってはみたがバトル中一度も参照しなかったドワーフカードと、肝心な時にアーティラリーが当たらない出目の悪いドワーフ専用ダイス。満足感と優越感のためだけに手に入れたようなものだ。無くても生きていけるがあると心が豊かになる。

・テンプレート
ブレトニアとトゥームキングのスタート箱に入っているものだが、単品でも買える。40Kの昔のやつや、ファンタジーバトル時代のものと同一なので、古参趣味人を揺するとドロップするかもしれない。

・メジャー
説明不要かと思うが、一応説明すると、これは特殊なメジャーだ。日本の規格だと法律の関係でインチ表記ができない(らしい)から、実はインチメジャーが買えるところは限られている。しかし、何故か1インチとピッタリ寸法の同じ「mv」という独自の単位が印字されたGWメジャーがあれば心配ない。

・メインルールブック
必要不可欠なやつ。銃弾が防げる厚さの物理書籍版と、仕事してるフリをしながら読める電子版の2パターンがあるぞ。参照性はホルスヘレシーのそれと同じで相変わらず良くないが、どこに書いてある付箋でもしておけばいいし、ストロングスタイルオールドワールドおじさんはだいたいルールを暗記している。マメな人は自分でリファレンスくらい作れてしまうだろう。

・アーミー本
善の勢力が収録されたForces of Fantasyと、悪の勢力が収録されたRavening Hordesの2冊だ。2冊買った方が楽しいから、2冊買ってしまおう。勢力を決めてから買うか、読んでから勢力を決めるかは悩ましいところだ。まぁほとんどの人はミニチュアを見て決めてるだろうから心配ないだろう。

・ムーブメントトレイ
一見すると無くてもどうにかなりそうだが、ルール上購入または自作を強いられてるもの。キレイに並んだ兵士が、隊列を保ったまま移動できればいいのでぶっちゃけ厚紙でも代用可能だが、公式ムーブメントトレイも出ている。だがおどろくほど高い。昔の2倍のお値段だ。たまげたなぁ。私はTAMIYAのプラ板とプラ棒で自作した。

0.3mmプラ板を適度な大きさに切り、縁に3mm四角プラ棒を貼り付けてボンドを塗り付け、砂をまぶして固め、黒サフしてドライブラシで色をつけたもの。いろんな形のものを用意しておくと、隊形に合わせて運用できる。


各勢力の現状と始めやすさ

ここからは各勢力にフォーカスして、それぞれの始め方と素敵なポイントをまとめていきたい。

Kingdom of Bretonnia

始めやすさ: S
強さ: S

ブレトニア王国。エンパイアの南に位置する領邦国家で、ブレトニア王を頂点とする騎士の国。アーミーの特徴はなんといっても重装騎兵による突撃の衝撃力。フルレンジ復活済みアーミーで、スタートボックスが発売されていて、初めての人には最適のアーミーのひとつ。十数年の時を超え、あまりにも待ち侘びたブレトニアの帰還だ!

長所: 圧倒的な攻撃力と機動力。主力がほぼ全員騎兵なので、有利な位置取りと突撃のイニシアチブを握れるのは相当強い。中でもロイヤルペガサスに乗ったデュークは人間を辞めた強さだ。モンスター一撃で屠るビルドはまさに台風の目と言える。ナイトの種類も豊富(やる事は全て同じだが)なためバリエーション豊かだ。

短所: 戦略の幅の狭さ。基本的に突撃して勝つことが念頭にあるアーミーなので、乾坤一擲の突撃を耐えられたり、キーになるユニットを射撃されたりするとまずい。初手でいかに殲滅するかが勝利の鍵だ!ちなみに徒歩ナイト以外の歩兵はかなり弱い部類にはいるし、強力な射撃はトレビュシェに頼る他ない。

オススメの人: 騎士モチーフが好きな人や、敵に正面から突っ込んで堂々と打ち破りたい人。鎧を着て、馬に跨り、長大なランスを構え、隊列を組んで(その名もランス・フォーメーション!)突撃する騎士に熱いものを覚えた君は今すぐ騎士の誓いを立てよ。汝に湖の淑女のご加護が在らんことを

始め方: 深く考えずにスタートボックスを買えば幸せになれる。湖の淑女を信じよう。ダイスもルルブも入ってて実際お得だ。これでコア枠とロード枠はOKなので、後はスペシャル枠のユニットを買い足せばよい。オススメはペガサスナイトで、ゲーム中最高峰の機動力と突破力を持つ。聖杯を賜りし騎士の中の騎士、グレイルナイトも超カッコいいのでオススメだが、新造形の徒歩ナイトも最高にクールだ。またはバトルスタンダードベアラーとして旗持ちロードを買うのも手だ。ちなみにバトルスタンダード(BSB)は陣形の崩壊を押し留めるためにも、アーミーを問わず可能な限り採用したい。

ブレトニアハッピーセット。これさえあればもう何も怖くない。槍を握り、馬に跨がれ。農民は税収源ゆえ大切にせよ。
激アツユニット紹介ブレトニア編はこのグレイルレリクエ。聖遺物と化したグレイルナイト(要は死体)をお神輿にして掲げている狂信的な農民の一団。ちなみにご利益があり、周囲のユニットが逃げなくなる。正気か?ウォーハンマー世界の平民たちの蒙昧さや理不尽さをこれでもかと体現しているミニチュアだ。ちなみにメタル製。

Tomb Kigs of Khemri

始めやすさ: A
強さ: A

オールドワールドの南方、アフリカ的な砂漠を支配するかつて人間だった人たちの古代エジプト的な王国。世界を制する野望のために、死者の軍勢を率いて戦いに赴く。アーミーの特徴はその打たれ強さと兵種の豊富さにある。元々死んでるから倒されても復活するし、強大な魔法使い(だった人)やモンスター(生き物とは限らない)も選択できる。こちはもフルレンジ復活済み。

長所: 圧倒的な継戦能力と豊富な兵種。すでに死んでるので怖くないから絶対に逃げない。というかこいつら自体が怖い。これはこのゲームの中ではルール違反とも言うべき特徴だ。また、ガイコツ馬が曳くチャリオットやミイラのお化け、巨大蠍に動くスフィンクス像や骨になったドラゴンなど、古代エジプトの歴史に忠実なユニットも実に魅力的だ。特にチャリオットがコアなのが熱い。

短所: 一般兵の弱さ。脇を固めるスペシャルユニットは光るものがあるが、いかんせん一般スケルトンたちの基本性能が低い。また逃げないとはいえ無敵ではないので、Unstable(存在の揺らぎ)のルールで一気に消えてしまうこともある。一撃で消し飛ばしてくるような強烈なパンチには注意だ。あと骨とかミイラは炎に弱い。比喩ではなくてルール上ホントに火に弱い。

オススメの人: 古代エジプトがたまらなく好きな人。骨を塗るのが好きな人。ある意味では最も芸術的なアーミーなのではないかと個人的には思っている。ちなみに今なら白サフ(もしくはレイスボーン)を吹いてコントラストカラーを使えばあっという間に骨色の完成だ。テクノロジー!

始め方: ブレトニアと全く同じだ。スタートボックスを買えば君もセトラ王の夢見た世界征服を成し遂げたも同然だ。ただしパンチ力のあるユニットがボーンドラゴンだけなので、強力な戦力をいくつか迎えないとちょっと厳しいかもしれない。ユニットの復活を支援するリッチプリーストは是非とも欲しいし、スフィンクスは超かっこいい。遠距離兵器スクリーミングスカルカタパルトやウシャブディらは、あのカラー名の元ネタになった色だ。
エリートアーミーではないのでそれなりの数のミニチュアを用意しなくてはいけない点で、他と比べると初期投資のハードルはやや高いかもしれない。

ブレトニアと比べるとなんかすごい物量に見えるが、実際すごい物量だ。君の目に狂いはない。
激アツユニット紹介はこちら、不滅なるセトラ。8版では控えめに言ってやや使いにくかったあの王の中の王が(迷惑なことに)メタルとプラの混合キットで帰ってきた。厳しい4頭立ての戦車(チャリオット)に乗り、威厳に満ちたポーズ、どデカいベースと文句の付け所がない。汝も我に忠誠を誓い、我が意を成せ。

Orc & Goblin Tribes

始めやすさ: B
強さ: A

世界中ありとあらゆるところに蔓延る緑色の蛮族だ。体がデカくて頭が鈍いオークと、賢くて手が器用だが体が小さいゴブリン、そして猪やトロール、オークの近似種らしいスクイッグ、果ては巨人などで構成されるめちゃくちゃな混成軍だ。なおFB時代に大好評だった「内輪揉め」は過去のものとなった。だから圧倒的な接近戦火力とアレな兵器で敵をギタギタになるまでぶん殴るってスンポーよ。あとはわかるな?

長所: 単純な筋力と人数に任せた強力な接近戦能力が最大の長所だ。突撃時の火力は圧倒的で、暴力的な攻撃力で敵を蹂躙することができる。なにげに兵種もかなり豊富で、ゲーム中最大の多様性を誇るため、様々なタイプのアーミーが作れることも魅力だ。

短所: ンなもんねぇよ!!防御という概念が希薄なので打たれ弱い。また、自制が効かないので勝手に突撃をおっ始める(Impetuous)こともある上に、劣勢になると気持ちが挫けてしまいやすい点が難点だ。あとは大量のミニチュアが必要なので、作成難度というか塗らないといけないものが多い。

オススメの人: 緑は最高だ。お前もそう思うだろう?ギラギラした武器(貫通値が高い)を持ったイカした緑の大軍(1体あたりのポイントが安い)で敵をコテンパンにやっつける(接近戦が強い)ワケよ。あとアレだ。愉快な連中(ゴブリンとかスクイッグとかトロールとかアレ)の友情パワーも見逃せねぇな。

始め方: オウ、始める気になったか。ならOrk & Goblin Battalionを買え。そうすりゃオーケーだ。いやオーケーじゃねぇな。この箱にゃオーク・モブやチャリオットなんかが入っているが、肝心のボス(指揮官)がいねぇ。それにゴブリンが好きな物好き野郎にとっちゃゴブリンの数が少なすぎてハナシにならねぇ。「どくろ峠の戦い」も再販すると思ったがそんな感じじゃなさそうだしな。それならAoSのグルームなんとかギッツの箱を買った方がマシかもな。だがそんときゃ四角いアレが必要になるから気をつけな。あとブラックオークの兄貴たちなんかもいねぇから心細い。要はパンチがねぇ。正統派なオーク編成ならいいが、ゴブリン編成やトロール編成がしたかったらBattalionをパスして個別に買うのはアリかもな。だから好きなものを買えばいいんじゃねぇか?(暴論)そういう意味じゃ買うものに悩むアーミーだな。アタマが痛ぇぜ。

いい箱だが、ちゃんとしたアーミーにしようとすると買い足さなきゃならねぇものが多い。この箱に加えてキャラクター、スペシャル枠の戦力とか、お前が賢ぇ野郎なら、こんな感じで割としっかり購入計画を立てねぇとな。
お前がもしケンカが好きなマジモンのオーク野郎なら、コイツを2箱買ってボスをいれりゃいい。
激アツユニット紹介オーク&ゴブリン編は、この度新規造形されたブラックオーク・ウォーボスだ。キャストに精密されたファインではなく、フォージワールドレジンでできているから安心安全の暴力装置だ。一眼見てオールドワールドのオークであることがわかる解像度の高いイカしたデザイン、キッキレのモールド、どでかい武器やデコレートされた足元などが、30mmベースの上に奇跡的なバランスで調和している傑作ミニチュアだ。

Dwarfen Mountainholds

始めやすさ: A
強さ: B

背が低く、頑強で、卓越した技術力を持つ誇り高きオールドワールドの古き民、ドワーフ。強力な火砲の数々を持ち、気炎万丈・不撓不屈の歩兵部隊を中核にした精鋭系アーミーだ。射撃で敵を撃ち減らしつつ、どっしりと敵を待ち構え、巌の如きディフェンスでガッチリ迎え討とう。

王を讃えよ!シールドベアラーに乗ったキングは無双の強さだ。この気品、情報量、騎馬戦めいて盾に乗せて担ぐという馬鹿馬鹿しさなど、これほどウォーハンマー的ドワーフをありありと表現したミニチュアは他に無いだろう。

長所: 優れたアーティラリーと射撃武器、そして鉄壁のディフェンスに定評のある歩兵が長所だ。歩兵の戦闘力と耐久力は前アーミーでも屈指の強さで、士気が極めて高いので最後の一兵まで戦い続ける脅威的な粘りを見せる。ルーンを刻んでマジックアイテムをビルドする、カスタム性の高さも魅力だ。

短所: ゲーム中最も移動力の低いアーミーで、基本的に移動や突撃のイニシアチブを相手に握られ続けることになる。マジで致命的に足が遅い。また兵種もジャイロコプター系を除いて歩兵かアーティラリーのみで、多様性に乏しく戦術が限られているため、割と難しいアーミーといえる。能力値は確かに強いが、何も考えずに運用するとジリジリと負けていく。だが最近アーケイン・ジャーナルが発売されて風向きが変わりつつある。

オススメの人: 髭が長い人、ガチムチな人、タフって言葉が似合う人。真面目にいうと、ディフェンスからの一転攻勢の戦型が好きな人。というのは、ドワーフは射撃以外では能動的な攻撃が難しいので、戦法が守備に偏りがちだからだ。緻密な陣形や搦手の運用、そしてアーティラリーの有効利用を研究しよう。

始め方: 迷わずBattalionでよい。最も基本的な歩兵であるウォリアーは腐らないとして、クォーレラー/サンダラーのデュアルキットは、実はゲーム中最優秀な性能を持っていると言っても過言ではないレンジャー(レンジャー!!)も作成できる。また唯一の機動戦力であるジャイロコプターも2機入っていて、捨てるところが全くない。この箱にキングやルーンロードといったキャラクター、そしてハンマラーやアイアンブレイカーといったエリートを加え、最後にお好みのアーティラリーを添えれば立派なアーミーの出来上がりだ。ちなみにミニチュアは背が低いから持ち運びも楽チンだ。

完全無欠のお得ボックスだ。非の打ち所がない。あとは王を迎え、精鋭を揃えるのみだ。
ドワーフの激アツユニットはアイアンブレイカーだ。耐4に加えてフルプレートアーマー+シールドで脅威の3+セーブ、おまけに6++ワードセーブとグロムリルアーマーによるセーヴィング1振り直し、そして士気値9とガチガチのガチだ。まさにら荒ぶるドワーフ魂の体現者たちだ。

Warriors of Chaos

始めやすさ: A(確信に近い予想)
強さ: A

ついにプレオーダーが発表された、超最強のアーミーの登場だ!!筋肉モリモリ、マッチョマンのマローダーから、異形すぎて直視しかねる混沌の化け物まで、最大規模のミニチュアレンジを誇る勢力だ。信仰する神や、好みの編成によって千変万化の陣容を見せることのできる、実に多様性に富んだアーミーといえる。接近戦、射撃(あのヘルキャノンのこと)、騎兵、ウィザード、巨大なモンスターまで全てが揃っていて隙がない。まさに超最強だ。

長所: 高水準の戦力と強力な魔法使い、豊富な騎乗オプション、それをサポートする安価なユニットや混沌の眷属がラインナップされて、兵種の豊富さでは完全無欠だ。さらに神々の恩寵で不思議パワーを付与して味付けできる。ただでさえ超最強なユニットを魔法や混沌の恩寵でさらに強化して、順当に戦えば負ける理由が見当たらない。

短所: 全体的に高コストで、マローダー編成にでもしない限り数的劣勢を強いられる。ユニット数の違いは盤面上では決定的な戦術的不利を生む可能性もある。また、魔法による強化を要とする編成は確かに強力だが、そこを突かれると途端に瓦解する危険性を孕んでいる。

始め方: これまたBattalion箱が発売予定なので、初めての人はこっちを買う選択肢が無難だろう。AoSの新造形StDミニチュアをコンバージョンして使うことも無理ではないが、AoSのミニチュアはオールドワールドのそれに比べてかなり自由なポーズをしているので、そのまま四角ベースに乗せるだけだと隊列に並ばない可能性があることに注意だ。ダークオースやウォークライのミニチュアをマローダーとして上手くアーミーに組み込む猛者もいるので、君の腕を見せてほしい。ちなみに高コストアーミーゆえ作成しなくてはいけないミニチュアが少ないという利点もあるぞ。

オススメの人: 強力なユニットで敵を踏みしだきたい人。南方のヒョロガリ人類に「真の男」とは何かを見せつけたい北方のマッチョメン。禍つ神々の信奉者。

大量のケイオスウォリアー、ナイトが10騎にチャリオットが2台と、ウォリアー系エリート編成にもってこいな内容だ。バタリオン箱の例に漏れずキャラクターが入っていないので、好みの指揮官をピックしよう。この内容でもかなりのポイントなので、あと数点好きなユニットを揃えれば、なかなかの規模のアーミーが編成できる。
激アツユニット超最強編。こいつを見てくれ。こいつをどう思う?ケイオスウォリアー32体が並んだ姿だが、さすがにキモすぎて笑う。というのも、古参兵はFB時代にこのユニットに苦杯を飲まされてきた記憶が甦るからだ。オールドワールド環境では、コストの高さと能力の下方修正もあってあまり現実的ではないかもしれないが、ロマンはある。

Beastmen Brayherd

始めやすさ: C
強さ: S

太古よりオールドワールドを荒らす混沌の野獣の群れ。武器すら自前では作らない野蛮さで文明を破壊し、平和に暮らす人々に悪夢を見せてきた獣人たちだ。これまた混沌の恩寵や、戦闘時の狂乱など、ランダム性は強いものの強力な効果で敵を圧殺することができる。他にもヘヴィ級モンスタラスインファントリーから嫌がらせに使える軽騎兵、そしてジャイアントを含む巨大モンスターまでよりどりみどりの編成ができることも見逃せない。

長所: 接近戦時の爆発力と機動力の高さ、そして幅広いユニット選択肢が魅力だ。不思議なワイルドケイオスパワーでキャラクターがどんどん強化されたり、戦闘時にユニットの攻撃回数が上がったりと、危険な強さを見せる。また、敵の妨害や撹乱に使える低コストな騎兵や、単騎でも超強力なドラゴンオウガなど、痒い所に手が届く。

短所: ドラゴンオウガなど一部のユニットを除き、ほとんどアーマーらしいアーマーを着ていないため防御力に難がある。また、獣なので士気が低く、戦線崩壊の危険性が常に付きまとう。アーミールールのランダムバフ効果にはデメリットも存在し、他にも酔いどれ、到着判定、Primal Fury(原初の怒り)などは都度判定が必要なため安定性という面では不安が拭えない。デメリットを帳消しにするためのコストが必要なのが弱点だ。ま、獣人だから、多少はね?

オススメの人: 「汚い」ミニチュアが好きな人。「綺麗に」塗らなくていいのはそれだけでペイントハードルを下げてくれる。そして単純な筋力と衝撃力で敵を蹂躙したい人。心を野獣と化し、始めて、どうぞ。

始め方: 残念ながらゼロからミニチュアを集めるのは現在不可能とまではいわないが、結構厳しい。なぜかと言うとAoSでのビーストマンのサポート終了と共にミニチュアが手に入らなくなったからだ。そしてオールドワールドとしてのリリースはまだ情報すら無く、早くてもおそらく来年の夏以降になるだろう。次に来るアーミーがエンパイアとハイエルフでそれも2025年(の具体的にいつかはわからない)の話だからだ。なのでAoSのスタコレ箱やバトルフォースなどを見かけた人は、何であれゲットしておこう。

見つけたら即ゲット推奨。オールドワールドを始めるにはあまりに心許ない頭数ではあるが、ビーストマンであることに違いはない。とはいえミニチュアが既にある程度揃っている人でない限り、あと1年は待たないとまともにスタートすることは叶わないだろう。
ビーストマンvsドワーフの図。ミノタウロスの突撃は脅威だ。よく見ると右翼を完全にチャリオットに抜かれていて、背後を取られかけている。この機動力と衝撃力がビーストマンの強さだ。
ビーストマンで一番好きなユニット、ベスティゴール。ツノがデカすぎます。というのも、彼らはツノの大きさが物を言うゴール社会の頂点に位置する先輩たちだからだ。厚い鎧で身を固め、アンゴールなどでは持つことすら叶わないグレイトウェポンを振り上げる。ストームヴァーミンもそうだが、私はどうもこの手のユニットが好きな傾向にある。


Empire of Man

始めやすさ: C
強さ: B

エンパイアとは、(地方としての)オールドワールドにおける人類最大の国家である。40Kの《人類の帝国》と似たような感じだが、あちらと違ってエンパイア以外にも人類の国が多数存在することに注意だ。オールドワールドのタイムラインである帝国歴史2250年におけるエンパイアは、北はケイオス、東はグリーンスキン、南はトゥームキングの侵略に晒され、内に帝位の乱立というまさに内憂外患の極めて厳しい状況にある。しかし、かの如く暗き時代においても、持ち前の高い技術力と勇気を武器に、敢然と敵に立ち向かう!

割と文明レベルや世界観が近い

長所: 歩兵、騎兵、砲兵、魔法使い、モンスター、戦車など、兵種の豊富さではオールドワールドでぶっちぎりのバラエティを誇る。ユニットもそれぞれ安く、自由な編成と多様な戦術を楽しむことができる。敵の長所をうまく潰し、弱点となる兵種で敵軍の穴を突く運用が勝利への鍵だ。個々の兵士は弱くとも、団結と戦略と勇気でそれを補うのだ。

短所: 能力やスタッツが平均的で、これといった強みが無いのが最大の弱点である。敵のパワーユニットには力で対抗せず、アーティラリーには速さで挑み、騎兵には防御を固め、隙あらば挟撃や包囲を狙うといった即応性の高い運用が求められるため、司令官の練度を求められるアーミーと言える。逆に言えば、これほどまでにオールドワールドのゲーム性を深く楽しめるアーミーは無いだろう。

オススメの人: いわゆる「軍隊」が好きな人。ブレトニアが中世的であるのに対し、エンパイアはかなり近世的な軍隊であり、同じ人間のアーミーでもかなり趣が違う。高度な柔軟性を保ちつつ、臨機応変に対処する軍事シミュレーション的要素が好きな人には特にオススメだ。

始め方: 現状未発売のアーミーのため、効率的な始め方は存在しない。だがAoSのシグマーの城塞都市に、FB時代のエンパイアの生き残りが少しばかり存在するので、待てない人はそこからスタートしよう。城塞都市のミニチュアをステートトループとかナイトに見立ててもいいが、ビジュアル面はかなり異なるのでそこらへんを許せるかがポイントだ。2025年一発目に発売を予定されている勢力なので、後数ヶ月の辛抱だ!

完全にエンパイアの面影を残してAoSに転生したスチームタンク。まだウェブストアで買えるから欲しい人は手に入れてしまおう。オールドワールドに再び転生させて、アーケインジャーナルが来るのを待とう。
人類最強の戦力の一つ、デミグリフ・ナイト。人間が幻獣に跨り、共に人外の化け物と戦うといういかにも「ファンタジー」な光景からしか得られない栄養がある。エンパイアは人間讃歌のアーミーだ!
つい先日発表されたロードマップ。将来的に最も早いリリースはエンパイア、続いてハイエルフとなっている。

High Elf Realms

始めやすさ: C
強さ: B

世界で最も高貴な種族(自称)にして、世界秩序の守護者(自称)、そして最大最強の武力と魔力を持つ者たち(自称)だ。指輪物語でいう「上のエルフ」にあたる存在。最も基本的な兵種でさえも多種族のエリート兵を凌駕する性能を誇り、中でも敏捷度は平均値がゲーム中最も高い。ドラゴンやフェニックスなど強力な騎乗動物を操り、至高の魔法体系(High Magic)にアクセス可能な安定性の高いウィザードがアーミーの底力を支えている。エレガント極まるモデルも魅力だ。

ロードの騎乗オプションはエルフスティード(馬)、チャリオット、ライオンチャリオット、大鷲、グリフォン、フェニックス、そしてドラゴンと豊富だ。こちらはティラノック・チャリオットに乗ったロード。

長所: ハイエルフの長所はなんといっても戦技の高さだ。大抵の場合突撃されても同時攻撃か、常に先手を取る。なので相手のファイティングランク(最前列)を削りきれれば攻撃を受けることなく一方的に攻撃できてしまう。また「接」も基本値が4なので相手のヒットロールも減滅できる。オールドワールド最強の生き物であるスタードラゴンを擁し、エリート歩兵も無類の強さを誇る上に移動力が高い。理論上は完全無欠だ。

短所: 当然というかなんというか、高性能なユニットの宿命で、全てのユニットのコストが高い。また耐3と打たれ弱く、アーマーもヘヴィアーマー止まりなことが多いため防御がかなり弱い。一部を除いて強烈なパンチ力があるわけでもないため、魔法で強化しつつ慎重な運用を心がけたい。ドラゴンの強さが際立つが、実は難しいアーミーだ。

オススメの人: 華麗なアーミーを求めている人。魔法生物が好きな人。何気に兵種も多く、設定もかなり熱い。少数精鋭だがペイントカロリーは高い。そこを乗り越えられれば無双の軍勢がウルサーンなら平和と秩序を守る!

始め方: 来年まで待て。今は全てのミニチュアが軒並み絶版で、何も手に入らない。来年発売されるであろうバタリオンボックスの中身はきっとスピアマン、アーチャー、チャリオット、そしてシルバーヘルムだろう。これにドラゴンを足し、エリート歩兵であるホワイトライオンや、最強の騎兵ドラゴンプリンス・オヴ・カレドールを加えて無敵の軍団を作り上げるのだ。君の手でウルサーンの栄光をこの手に取り戻せ!

再販が待たれる「流血島の戦い」。ローザン・シーガードは優秀な歩兵だし、アークメイジは必須級の強さ、小回りが効いて使いやすいグリフォンとエリリオン・リーヴァー、そして誰もが一度は恋に落ちる《ホエスの白き塔》の守護者ソードマスター・オヴ・ホエスが手に入る。私はあと4箱分の在庫を抱えているからもう無敵だ。
ハイエルフのミニチュアといえば全会一致でこのローザン・スカイカッターだろう。魔力で浮く小舟を大鷲が引くという奇天烈なユニットだ。ちなみに騎乗として選択できる。大漁旗をはためかせ、圧倒的迅さで縦横無尽に戦場を駆けよう!

Wood Elf Realms

始めやすさ: C+
強さ: A

アセル・ロゥレンの森(ローレン・フォレストの元ネタ)に住まうエルフ達で、指輪物語でいう闇の森のエルフに近い。レゴラスめいて皆一様に弓が上手く、その弓もやたらと強い。圧倒的な射撃と高い機動力、そして森から森への瞬間移動や偽装退却などで変幻自在の動きを見せるため、このアーミーだけは完全に別ゲーだ。何気にフォレストドラゴンといったモンスターも擁しており、ツリーマンやドライアドといった森のフレンズもいるので隙がない。

長所: 凄まじいまでの遠距離攻撃能力を持つ。貫通値が高い弓が四方から飛んできて、的なユニットはあっという間に溶けるだろう。捉えようにも偽装退却され、撃って仕留めようにもスカーミッシュ隊形なのでかわされてしまう。うまくすれば一方的なゲームを演出することも可能だ。またエルフなので基礎能力も高く、接近戦も侮れない強さを持つ。特にフォレストドラゴンやツリーマンは脅威だ。

短所: アーマーがハイエルフよりも薄い。なんならアーマーを着ていないユニットも多い。コストも高い傾向にあるので、素早いユニットで蹴散らしてしまえばまとまった反撃能力を喪失してしまう恐れがあることが弱点と言える。魔法や飛行モンスター、そして騎兵などで蹂躙されると脆いことが弱点だ。敵との距離を適切に保ち、打たせず打つ(撃つ)ことが肝要だ。

オススメの人: 自然と指輪物語を愛する人。いわゆるステレオタイプなエルフで、非常にとっつきやすい。トリッキーな運用が好きな人にはオススメのアーミーだ。

始め方: まだ全く音沙汰がない。来年の秋以降の発売だろう。だが案ずるなかれ。ドライアドやツリーマンといった森のフレンズはAoSのシルヴァネスと共通なものがまだあるので、ミニチュアを持ってない人はここから集めることが可能だ。シルヴァネスのミニチュアをコンバージョンするのもクールだが、デザインにはかなり隔たりがあることに注意だ。

ウッドエルフのバタリオンが発売されるとしたらきっとこんな感じだろう。グレイドガードやグレイドライダー、ドライアドなどを中心に、もしかしたらエターナルガードなども入っているかもしれない。
激カッコいいフォレストドラゴン。この見た目で眠りに誘う息を吐く。火炎とか毒霧じゃないんだ・・・

最後に、今すぐオールドワールドを始めたい人におすすめのアーミーを5段階でレーティングして終わろうと思う。今回はレジェンドアーミーも含めたレーティングだ。

ブレトニア⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
今すぐ騎士の誓いを立てよ。

トゥームキング⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
汝、只今より砂漠の王となりて世界を統べよ。

オーク&ゴブリン⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
今、スゲェアレがバーンときてるからガッと初めてポンよ。いいな?

ドワーフ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ドワーフは待つのが得意だ。だがオヌシはどうかな?

ウォリアー・オヴ・ケイオス⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
超最強になりたくば今すぐプレオーダーせよ。

ビーストマン⭐︎⭐︎
まだ待った方がいい。はっきりわかんだね。

エンパイア⭐︎⭐︎⭐︎
シグマーに誓ってしばし待て。だが買えるものは買っておくとよい。

ハイエルフ⭐︎⭐︎
エルフの寿命は永遠。(2025年まで)待つのは苦ではない。

ウッドエルフ⭐︎⭐︎⭐︎
森のフレンズが好きなら先に揃えておいてよい。

リザードマン⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ほとんどAoSのミニチュアがそのまま使える。スランだけはアホみたいにデカくなってるから注意。

スケイヴン⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
新製品ラッシュだ!乗り遅れルな!ポイズンウィンドグローバーディアやジェゼイルがプラ化されたゼ!Yes, yes!

ディーモン・オヴ・ケイオス⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
これもほとんど40KやAoSのミニチュアがそのまま使えるぞ!

オウガ・キングダム⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
AoSのミニチュアはほとんど全てファンタジーから変わっていない。作るミニチュアも少ないから超オススメだ。

ダークエルフ⭐︎⭐︎⭐︎
数は少ないものの、何故かまだAoSでも買えるミニチュアが数多く存在している。ウルサーン奪還に備えよ!

ヴァンパイア・カウント⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
こちらも新規造形のAoSミニチュアがほとんど使えるからオススメだ。

ケイオスドワーフ⭐︎
どうしろと?

長くなったが今回は以上だ。

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