幡野広志さんのワークショップに行ってきた。 Part1
カメラで写真を撮り始めたのが確か去年の8月だった。
スマホのカメラではほとんど写真を撮らない人間であった僕が、これほどまでに写真にハマるとは思ってもみなかったが、今考えるとオタク気質な自分に合っている趣味のように思う。
一眼レフを手に入れて、(本当は借りていただけ)嬉しくて楽しくて、毎日学校へ向かう途中のありとあらゆるモノを撮っては、合間に現像する日々だった。
今の世の中、SNSを眺めていれば嫌でも上手い写真が目に入ってくる。それらと比較すると多くの自分の写真はどうしても拙く見え、悔しい思いをする日々が続いた。
そんな中、国試勉強の最中に「うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真」が発売されることを知り、勉強の合間に読もうと思って買ったら、面白くて1日で読み切ってしまったのをよく覚えている。
ちょうど自分の中で写真への向き合い方が迷走し始めていた時期で、どういうマインドで写真と向き合っていくべきなのか、指針を示してくれるような内容で嬉しかった。
その後行った卒業旅行でも、うまくはないけど、中々いい写真が撮れたと思っている。いつかnoteにまとめたいなあ。
本を読んで、いつかはワークショップに参加したいとずっと思っていたが、ついにそのチャンスを得ることができた。
もう1週間以上前からウキウキワクワクしていた。あの高揚感はお気に入りのアーティストの来日公演を観に行く時と同じだ。
新宿に向かう電車の中で、幡野さんの本を持ってくるのを忘れたことに気がついた。
サインもらおうと思っていたのになあ。
忘れ物は得意ワザなので仕方がない。
小田急線に初めて乗り、新宿から代々木上原へと向かう。
まだ向かっている時は蒸し暑さはそれほどでもなかったような気がする。
初めて行く街に向かう時のワクワクからしか得られない栄養素があると思う。
ワークショップはとても濃い内容だった。
本に書いてあった内容の復習+新たな内容、という構成で、本を読んだとき以上に衝撃を受けた。
本で読んだ内容も、幡野さんのリアルな言葉を通してまた学び直すことができた。
下手だけどいい写真を目指す、と仰っていたが、うまくなるための練習法やその実践のための時間が用意されていて、心のうちを見透かされているようで少し恥ずかしかった。
そういえば美術館にある静物画も、大概リンゴが入っているような気がする。芸術のエッセンスとなる成分が含まれているのかもしれない。
テーブルの上にあるものを撮るだけで、これほど奥が深いとは思わなかった。
もっと深い世界も知ってみたいが、とりあえず教えてもらったことをしっかり実践できるように練習していこう。
終わったのは18時を過ぎていたように思うが、あっという間の時間だった。
本を忘れてしまったので、書いていたメモにサインをもらった。
今となっては逆に記念になって、忘れ物をしてよかったかもしれない。
字が綺麗だと予想外の褒め方をしていただけて嬉しかった。いつも字が読めないとディスられるので。
あまりに濃い内容だったため、終わった時にはひと仕事終えたような疲労感だった。
行き当たりばったりが基本路線なので、当然宿を取っているわけもなく、とりあえず駅の中華料理屋さんに入ってビールを飲みながら作戦を練った。
なんとか宿を確保し、次の日の計画を立てながら移動した。
何事も計画を立てている時が1番楽しいものだ。
宿に荷物を置いたあと、飲みに出かけたがカメラは持っていかなかった。
いつもカメラを持って飲みに出ようか悩むのだが、酔っ払ってスマホの画面を破壊するような人間なので、カメラを壊したときのことを想像して守りに入ってしまう。
今度は持って出かけようかなあ。