イギリス

今日は僕の頭の中のイギリスをお披露目したいと思います。
イギリスは僕にとって、皆さんが思い浮かべるクウェートと同じようになんてことない国です。皆さんクウェートときいて何を思い浮かべますか?
おそらく何も浮かんでこないと思います。もしもクウェートに関する何かが思いつくとすれば、それはクウェートに行ったことがある人なのではないかと思います。
そうです、僕はイギリスに行ったことがありません。(ちなみにクウェートもないです。)訪れたことがない、それにも関わらず、僕はイギリスという国がどんな景色なのか想像することがあります。そしてその景色を思い浮かべるとき、イギリスはいつも曇っています。曇っていて、少し雨が降っています。断続的なため、傘を差すほどではありません。小雨によって髪が濡れていく速度と髪の毛が乾いていく速度がほぼ同じ若しくは、少しどちらかが速い。そういった天気が目の前に広がっています。(地上に何が広がっているかははっきりとはわかりません。)
そのような空を見ると、昔ポケパークに行ったことを思い出します。
僕がポケパークを訪れた時もそのような天気だったのです。
おばあちゃんの家に行った時、おばあちゃんに本屋さんに連れて行ってもらいました。そこで何か雑誌めいたものを買ってもらいました。その日はイギリスよりも、もっと暗く、たくさん雨が降った日でした。買ってもらったものを読んでいると、そこにはポケパークが開園したといった内容の文と園内写真が掲載されていました。小学2年生の僕はこれに行きたいと強く思いました。両親にポケパークに行きたいと言ったかどうかは覚えていません。おそらく言ったのでしょう。その年のゴールデンウィーク旅行はポケパークに行きました。アディダスの黒いショルダーバッグにリーフグリーンの挿さったゲームボーイアドバンスSPを入れて向かったことを覚えています。ですが、ポケパークで何をしたかという記憶が全くありません。ただイギリスのような天気の園内を歩いたことと、ポケパーク限定Edyカード、ミュウが描かれた薄紫のカードホルダーの2つを入手したことは確かです。(今でも大事に持っています。)帰りの事も覚えていません。そう考えると、全く意味がわかりません。普通はアトラクションが楽しかったことや、園内での出来事を覚えているはずなのに、行きの持ち物や天気のことしか覚えていない。もしも天気のことを忘れてしまったら、手元にはEdy しか残りません。このEdyを持っていることだけがポケパークに行ったことのある証明です。体験したという貴重な思い出は消え、行った形だけが残っています。Edyを持っているだけの人間はポケパークの話ができません。ポケパークに行った事があるのに中身の記憶が1つもない。それは、はたして行ったと言えるのでしょうか。体験談を忘れてしまうのだから、その日の天気などいつか忘れてしまうでしょう。それを防ぐために僕はイギリスという大きな空っぽの容器に当時の天気を入れています。

にゃーん