
ファインダ沼...
ちょっとマニアックな話なので, あまり関心のない方は飛ばしてください(笑).
はじまり…
安価に入手した5cmファインダ, Kenko 9x50にDIY暗視野照明レチクル(クモの巣!!)をつけて幸せな暮らしをしていたのだが, 倍率をもう少し下げたい(もうちょい視野欲しい)というヨコシマな欲望に駆られて...

5cmファインダ, 7倍くらいにしたい試み#1
たまたま手元にあった同仕様のSkyWatcher9x50ファインダの接眼部を改造し, SVBONYの23mm激安アイピースにDIY暗視野照明レチクルを入れて取り付けると, ほぼ7倍のファインダになった. が, 周辺像の甘さがだんだん気になってくる. どうやら焦点面の湾曲があってアイピースを抜き差しするとシャープな領域が中心から周辺への移る. 周辺が良像になると今度は中心がボケるという感じ.

別のアイピース(例えばKenko PL25mmとかSkyWatcherの付属品のSuper25とか)をつけると, もっと均質にシャープになるのだが, これらのアイピースは構造が問題で絞り環に糸を貼るDIYができないのだTT
お金で解決!?
というフラストレーションを抱えている時にちょっとしたお金が入ったりして, ふと出来心が湧いた結果, 現行のVixenの7x50暗視野照明付きファインダを買ってしまったりする(金で解決するのか!!).

すると, まぁ何ということでしょう! このメーカー品の像が満足できるものでは無かったりするのだorz... (なんか甘め? 周辺像の悪化が目立つ) ちなみに, DIY Kenko愛用品と比べて重さが100gも重い(520g vs 620g)のも愛せないポイントで, 重いのによく見えないとは...と思ってしまう.
5cmファインダ, 7倍くらいにしたい試み#2
一方で, 以前入手して放ってあったかなり古いVixen7x50ファインダ(現行品より対物の焦点距離が長そうで鏡筒が長い)のアイピースを, 愛用品のKenko 9x50 (DIY)に使ってみると, あら, 低倍率化できて周辺までかなりシャープ!!!
ということで, その後時間ができた時にこの古いVixenファインダのアイピースにDIY暗視野照明レチクル(もはや量産品!?)を仕込んで, Kenko 50を低倍率化することに成功した.

比較!
ということで, こうなるとドロ沼である. 沼に散らばってしまった品々を, 比較してみることにする.

銀シートが巻いてあるのは巻きフード. この2本が常用品になってる.
各ファインダの視野をコンデジ(Canon Poweshot S200)コリメートで撮って比較した. カメラのズームは広角端として画角1:1でアイピースを覗かせると, だいたいちょうど視野円が画角に収まる感じ. これでファインダたちの視野を撮影して比べた. (ちょうど昨日から雪が降り積もって, 向こうの山々は雪景色♪♫)
まず, 各ファインダの視野を撮影したものを…
1. SW6x30 : SkyWatcherの付属品6x30ファインダ, DIY暗視野レチクル入り(視野にLEDの頭が出てる)

2. Vixen7x50 : Vixenの現行品, 金で解決しようと思ったら不満が残ったやつ

3. DIY Kenko50 : 愛用していたKenko9x50+DIYレチクルのアイピースをVixen骨董品に変えたやつ

4. DIY SW50 : SkyWatcher9x50 (Kenkoと同じ)のアイピースをSVBONY激安23mm DIYレチクルに変えたやつ

次に, 違いが分かりやすいように, 中心部と右端を拡大して4つ並べてみる.
色調がちょっと違うのは, 日当たりが途中で少し変わったからしょうがないとして…


1は比較のため3cm6倍. 問題なくよく見えてる.
2のVixen7x50の像が, 中心もちょっと甘め(色収差が出てる?), 周辺で甘い.
3は沼をさまよった挙げ句にたどりついた答え. 十字線が1や2より太めだが, これは今ジョロウグモの巣がないのでポリエステル糸を解したのを張ってあるから. そのうち張り替えるかも. 倍率が7倍より低くなってるようで, 瞳径がでかすぎ(口径が無駄になってる)かもしれないが, 6.5xだとしても口径45mm分くらいは7mmの瞳に入るし, 瞳を頑張って7.7mmまで広げたら(できるんか?)50mm使い切れるからまぁいいとする. とにかく像が全体的にシャープで見ていて気持ちが良い.
4は最初に低倍率ファインダを企んでSVBONY激安アイピースでやってみたやつ. 周辺像の甘さはここにも見られるが, 2よりは鉄骨がちゃんと見える. ファインダ用アイピースではなく安めで広視界(68°)かつ比較的ハイアイポイントのアイピースだからか, 視野の外枠がコンデジの視野に入らずボケて終わっている.
さて, 2のVixen. 知人が持ってる同じモデル(のはず)だと, 見た感じそんなに悪くなかったので, どういうこと!?と思っていろいろ試してみた. まさか対物レンズが裏返しとか?(以前望遠鏡のメンテで間違った時に像が甘くなったことがある)と思って対物レンズを裏返してみたら, もっと見えなくなった. アイピースの方を, 別のもの(Kenko PL25とかSVBONY 23mmとか)に変えてみると, 周辺像がかなりマシになる!! ということで, アイピースに何か間違いがあるんじゃないかと思ってバラして試行錯誤してみたが, レンズの順番も裏表も, 今なっている以外の配置ではちゃんと見えないからこれで間違いないのだろう.
いろいろやりながら気づいたのは, 眼の位置に敏感に色収差が目立ったり像が流れたりすることだ.
ということで, お金で解決しようという下心で現行のVixen 7x50を買ってみたら, 幸せにはならなかったという話. (個体による品質のばらつきなのかな… ?? 使えないほど悪いわけではないので.)
ずいぶん前から使っていた安価なKenko 9x50が, 倍率がちょい高めで視野がちょい狭めなので良像を出しやすいということもあるだろうが, かなり高品質な像を見せてくれていたということなのかもしれない. Vixenの現行品「お金で解決」とはいっても5cmファインダーで7倍(広視野)で質感も良くコンパクトな暗視野照明を付けて1万円ちょいと言ってるんだから, このくらいで不満を言ってはいけないのかも.
ということで, 沼でもがきながら結局以前から愛用しているDIY KenkoをさらにDIYして広視野にして落ちついた, というお話でした.
【了】
PS: 気づくとこれが40本めなのだそうで. 記念すべき40本めの記事が, たまたまとは言え星空ガイドにあるまじき(?笑)マニアックな独り言になってしまったこと, ご容赦のほどをm(. .)m 呆れないで今後ともよろしくお願いします.