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土星が月にコンタクト(2024/12/8)@笠岡

2024/12/8の土星と月の接近 or 土星食は, 山陰では雨・雪の冬型の天気. 前日は米子で星空案内人講座の実技試験(心配された天気もまずまずで実施できた!)のお手伝いがあったりしたので, そこから山を越えて「晴れの国」岡山に抜けて…という作戦に.

ところがSCWの雲予想を見ていると, 冬型の気圧配置ならば安定した晴れが期待できるはずの山陽でも雲が湧いたり雨が降ったりする所がありそうな不穏な動き… それで少し右往左往した末に, 結局, 福山〜笠岡あたりにぽっかり雲の穴がありそうなので, はじめに目星を付けていた場所のひとつ, 「笠岡ベイファーム道の駅」に行ってみました.

結果的にこんな感じで快晴:-) 風はやや強い

空の真ん中に月. 目を凝らすとすぐ近くに土星がくっついているのが見えました. (このワイドショットの写真では写ってない)

撮影を開始 …

街灯がありますが, 看板によると21時には消灯するらしい. 遅い時間には星空もわりとよくみえるかも. 近くの街明かりで低空は白いですが.

結果はこちら↓ 月の縁をかすめるように土星が滑っていく過程で, いちばん近づいた感じのところ.

土星の環が月の縁にかする感じ (18:32-33JST): MAK150, TeleVue 3xバーロー, IR/UVカットフィルタ, ASI533MC; ASICapでキャプチャ(土星: gain 500, ss 45ms, RAW16 500コマ, 月: gain 430, ss 25ms, RAW16 500コマ; 各々AutoStakkert!4で75%スタック, AstroSurfaceでwavelet分解処理してからGimpで合成.

この写真, 実は月と土星を別にとって合成したものです. 各々ちゃんと写るゲインと露出時間に設定して500コマの動画を撮り, それをスタックとかいろいろして一旦仕上げてから, ちゃんと写った方の土星と月をくっつけるとこんな感じ.

土星は1等級ですが, 月の表面の明るい所と比べるととても輝度が低いので, 土星と月を同時に適正露出で写すのは無理で, こういうワザを使う必要があります. ところが眼で望遠鏡を覗いて見ると, ちゃんと土星も月もよく見えるんですよね. 眼は自動的に「HDR」(Hight Dynamic Range)やってくれるんでしょうね. 普通のデジタルカメラや某スマホは最近はHDR機能があってそれなりに撮ってくれることもありますが, 天体用のCMOSカメラだと露骨に(月が)白飛びします.

しばらく後に, 望遠鏡にミラーレスカメラをくっつけて月の全体を撮ったものがこちら↓ 土星は右上にいます. カメラでHDRを設定していますが月が白飛びしないくらいにすると土星が暗いので, Gimpで土星のところだけトーンカーブを上げて少し見やすくしています.

しばらくたって18:56-57JSTごろ, 月の全体とその横っちょの土星: MAK150直焦点, Fujifilm X-T20 ISO1600 1/180s, JPG/L Fineで109コマ撮影, AutoStakkert!4で75%スタック, AstroSurfaceでwavelet分解処理, Gimpでトーン/WB調整.

西側には福山のJFEスチールの製鉄所. 工場の夜景ってのもおもしろいかも.

【了】

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