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出雲科学館の子ども天文クラブのお手伝い

出雲科学館では通年のプログラムとして小中学生を対象とした子ども天文クラブが開かれています(活動期間5〜2月). 月1回集まり, 1人1台の天体望遠鏡や双眼鏡を使って, 機材の使い方を練習し, 月や惑星, その他いろいろな天体を観察します. 8月以降は, 天気が良ければ, 市街地にある科学館より夜空が暗く星がよく見える古志町上新宮のエネルギーセンター駐車場に行き, そこで星空観察をしています.

出雲天文同好会の有志が(おしかけ)ボランティアでこの天文クラブのお手伝いしていて, 先日私も行きました. 夕方曇り気味の天気だったのが, 現地に到着してしばらくした頃に雲が晴れて, ちょうどクラブの活動時間の間, きれいな星空に恵まれて天の川や夏の大三角, 昇り始めた秋の星座の中の天体を見ることができました.

雲が晴れて夏の天の川が見えてきた!

西の空低く, 木々の中に隠れそうな金星を見ようと, 望遠鏡(Vixenポルタ8cm)を運んで駐車場内を移動して何とか見たり, 雲が晴れて見えてきた天の川や夏の星座・秋の星座の説明を先生から聞いたり, そうこうしている間に雲間から顔を出した土星を見たり, 同好会のおじ様持参の大きな双眼鏡で星雲や星団を見たり, 星空に恵まれてにぎやかな観察会となりました.

東に昇ってきたアンドロメダ座あたりを説明する先生
同好会のおじ様たちの機材も出てきた(笑)

私も, 来る時は曇り空であまり期待してませんでしたが, もしものためと思って持ってきていた小さな望遠鏡を出して, 電視観望で星雲などを見ていただきました.

子供たちが使っている8cm望遠鏡は月や惑星, 二重星(恒星)は感動的に見えますが, 淡い星雲や銀河となると, それほど慣れているわけではない子供たちや親御さんの目には, どうしてもショボく見えてしまいます. カメラとPCを使った電視観望だと, もっと小さな望遠鏡でも「淡い」天体をハッキリ見てもらって, どこがどうなっているのかを説明できるのがいいですね. 

ただし, 高倍率での月や惑星, 恒星の生の姿の美しさは, カメラを通した観察では味わうことができないことも, お話するようにしています.

この日観察できた星雲などの映像を保存したものをこちらに↓↓ 時々刻々とデータを重ね合わせて画像を改善するライブスタックの画面表示の状態をJPEG保存したものそのままです.

こぎつね座ダンベル星雲(惑星状星雲, M27)
アンドロメダ銀河(M31)
はくちょう座北アメリカ星雲(NGC7000)

使用機材: Vixen SD60SS, 0.8xレデューサ, IR/UVカットフィルタ, ASI533MC.
ソフトウェア・画像処理: Linux版 ASILiveでライブスタック
架台: SkyWatcher製 StarAdventurer GTi

星が一生を終えた後に残るシャボン玉のような丸い惑星状星雲, 水素ガスの雲の中から星が生まれること, 私たちの銀河系から250万光年も離れたところにある「お隣さん」のアンドロメダ銀河など, 子供たちも親御さんたちも目を輝かせて見てくれていました.

じっと画面を見ながら, 星って動いてるんじゃないの? と鋭い質問をしてくる子もいて, 望遠鏡の架台をモーターでゆっくり動かして, 日周運動に合わせて星を追いかけながら見てることを説明しました.

予めスケジュールの決まった観察会はいつも天気の心配があります. 年間10回のクラブの中でほとんど見られなかった年もあるそうで, 今年は「自由観察日」という予備の日を設けて, それらの日にも観察したい子供たちが科学館に来て望遠鏡を使えるようにしているそうです.

こうして小中学生の時期に自分で機材を動かして星を追う体験が, 彼らの人生にどんな影響を与えるのか楽しみです.

【了】

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