第一章 「二大まつり」で育つ~1970年代前半~(3)
早起きの習慣をつけてくれた再放送枠
テレビシリーズの話題を出したので、ついでにテレビネタを続けさせていただく。
『ゾーン』の放送とほぼ同じ頃、当時熊本に2局しかなかった民放テレビ局で、RKKの約10年後に開局した、フジテレビ系列のテレビ熊本(TKU)で、平日の“朝一”のプログラムとして放送されていたのが、特撮やアニメなど子供向け番組の再放送。全体的なテレビの放送時間は今と大違いで短めで、特にこの73年あたりはオイルショックの影響でテレビ界全体が時短営業、「早寝遅起き」だった。今回調べた結果、この枠も朝一と言っても朝7時から7時半頃からのスタートで、その後が全国ネットの『ママとあそぼう!ピンポンパン』だった。
ここは完全にアラフィフ世代の熊本人向けの話だが、この頃のTKUの放送開始と言えば、「君が代」に乗せて県内各地の風景が映し出されるもの。続いてイボコロリの5秒CMが流れた後に再放送枠が始まる、という流れ(いよいよもって映画と無関係な話)。
この再放送枠、72年頃から始まっていたようなのだが、私がはっきり覚えているのは、74年の正月あたりから始まった『マグマ大使』で、その次に1作目の『ウルトラマン』が放送されたのだが、これもちょうど私の小学校の入学式あたりから始まったようだ。
その後も、特撮ものだけでも『ウルトラQ』、『ジャイアントロボ』、『キャプテンウルトラ』、『怪獣王子』、レアなところでは権利関係の問題からか現在は封印状態で鑑賞が困難な『魔神バンダー』など、60年代後半の怪獣ブーム期に製作された作品が数多く放送された。この枠と「二大まつり」の全盛期がほぼ同時期だったことが、後の私の特撮マニア化のベースになったのは間違いないだろう。
余談ついでにもう一つ触れておくと、実はこの頃の私には、もう一つ熱心にハマっていたことがあった。車である。トミカのミニカーをたくさん買ってもらって集めていたのは大抵の男子と同じだが、この頃の私は、目の前を通る車の名前(カローラとか)をいちいち言い当てていたのだ。興味があることには徹底的にのめり込み、自分で調べる。すでに父親譲りの学者気質が顔を覗かせていて、これは後に映画にハマるようになってからさらに重症化することになる。
(つづく)
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