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「得意料理は実家のコロッケ」って言いたかった

仕事柄、料理のことを四六時中考えなきゃいけない時期がある。
冬なのに夏の料理とか、その逆とか。
南半球の人の生活を想像すればいいのかなあ、なんて思いながら書いている。

クリエイティブ業界には「料理が趣味」って人が結構いる気がする。
つくることがすき、つくっている間は何も考えずに集中できるとか、色々聞いたことがある。

私も料理は好きだけど、趣味って言えるほどではない。
生活のため、に近いのかも。
撮影の時も調理をするより、仕込みや片付けを手伝うことが多い。あと買い出し。

だから、「得意料理は何?」って聞かれると困ってしまう。
つくれるものはそこそこある。どれもそこそこだと思う。
でも胸を張って言えるくらいの料理があるのか?
多分ないんだよな……そのレベルのものって。

強いて言うなら、ポテトサラダと生姜焼き。

ポテトサラダは半分マッシュして、もう半分はお芋の形が残ったままゴロゴロしているやつ。
具材はその時の余り物次第だけど、ブロッコリーとにんじんは一緒に茹でて入れたい。
ハムもベーコンも捨てがたいけど、ツナ缶をたっぷり一缶使うのが好き。

生姜焼きはシンプルに、くし切りの玉ねぎと豚コマだけ。
ごま油で玉ねぎを強火のまま炒めて焦がして、桃屋の刻み生姜をたっぷりと、刻みニンニクは少しだけ入れる。
塩胡椒で味を整えたら、仕上げに酒とみりんと醤油でしめる。
これにキャベツを添えるだけで、白米がガツガツ減るおかずになる。

でも本当は、お母さんのつくる十日のコロッケを得意料理って言いたい。
レシピを聞いてつくっても、いまいちその通りに仕上がらない。

実家に帰るたびにねだってしまう、魔力を秘めたおいしさ。
いつになったらうまくつくれるようになるのか。
食べれなくなっちゃう前に、ちゃんと味を引き継ぎたいなあ。

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森田玲花
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