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妻が脳腫瘍になってからの接し方

2023年2月に妻が悪性脳腫瘍(膠芽腫)を患いました。その闘病生活の経験をnoteに投稿しています。

今まで日記形式で時系列的に書いていましたが、今回は接し方というテーマで書きたいと思います。

具体的には、配偶者が難治性のがんになったと分かったとき、どう接したらよいか?について自分なりに考えていたことを共有します。

今までの日記はこちらです。

※脳腫瘍、特に膠芽腫とは何か?余命がどれぐらいか?が知りたくない人は読まない方がよいかもしれません


医者の宣告を打ち明ける

まず最初に立ちはだかった壁は、医者からの余命宣告をどう伝えるか?です。もちろん伝えないという選択肢もあります。

伝えるか伝えないか

伝えるか伝えないかを決める要素は色々あると思います。余命の長さ、本人の性格やその時の状況、家庭環境など。

色々考えた結果、僕は伝える選択肢を選びました。

まず、膠芽腫の余命(正確には生存期間中央値)ですが、約14か月と非常に短いです。

終末期には寝たきり生活になるだろうことを考えると、産まれたばかりの娘と3人で穏やかに暮らせる期間は1年もないだろうなと思いました。

この短い期間で、できるだけ後悔なく人生を終えるには、余命を知った上で残された時間を大切に生きようというマインドが必要なんじゃないか、また、これこそ僕たちの状況的には一番大切な要素なんじゃないかと思いました。

伝え方

伝え方は正直かなり悩みました。病気のことは怖くて自分ではほとんど調べていない、と本人は言っていたので、膠芽腫の余命の短さは全く知らないだろうし、出来れば知りたくないんだろうなと察しました。
(医者から本人には、「いつかは再発するものだから、何十年も生きられないよ」という旨は伝えられています)

なので、余命は約14か月だよ、とストレートすぎる言い方はさすがにせず、「この病気になった人は2年以下で亡くなることもあるんだ。もちろんそれ以上の年数生きてる人もいるよ。」みたいな感じで伝えました。

5年・10年生きられる可能性ももちろん残っているけど、いつ再発してもおかしくないから、これからは毎日を大切に生きようね、ということを強調したつもりです。

伝えるタイミング

入院中は、コロナの影響で直接面会できる時間がほぼ無く、毎日テレビ電話をしていました。

入院期間は2か月と結構長かったのですが、その間は直接そばにいてあげられないので、言わないでおこうと決めていました。電話ではなく、対面でゆっくり話せる状況の方がいいなと思っていました。

もともと母子ともに同時に退院する予定だったのですが、新生児を自宅に迎え入れる体制を整える必要もあるため、妻と子の退院日を1週間ずらしてもらいました。

なので、1週間だけ、また自宅で妻と二人で過ごすタイミングができたのです。

悪い話は早い方がいいと思ったので、退院当日家に帰ってから、上記の話をしました。いきなり切り出したわけではなく、これからのことについて、しんみりムードで話し合い始めていたので、そこに乗っかる形で切り出しました。

伝えた後は、やはりショックを隠しきれないようでしたが、元々その日は落ち込みムードだったので、「今日はとことん落ち込む日だね」なんて半ば開き直りながら、二人で泣いて、必死に現実を受け止めていました。

日々の接し方

まずは本を読んで勉強

身近に重めのがんになった親戚とかはいないので、僕自身、妻にどう接したらよいのか考えあぐねていました。

最初はネットの記事とか見てましたが、浅い情報しか出てこないので、本を読もうと思い、図書館へと足を運びました。

家族ががんになったら読む系の本が色々と置いてあったので、つまみ食い的に読み漁りました。これが図書館の良いところですね。

結論:寄り添うことが一番大事

基本的に傾聴姿勢でいることが大事なのかなと思いました。良かれと思って色々なアドバイスをしたり、「頑張ろうね!」と無理に励ましたりすることは逆効果になることが多いようです(想像に難くないですが)。

それよりも、本人の気持ちに共感したり、いつでもそばにいるよってことを伝えたり、寄り添う姿勢が大事なんだと思いました。

あとは、いつまでもネガティブモードにならずに、いつも通りに振る舞うことを意識しました。変にポジティブを演出するのも違う気がします。
もちろん本人が落ち込んでいる時は一緒に落ち込みます。

そうしていつもの日常を送っていると、妻も徐々に現実を受け入れていったようで、達観した死生観を語るぐらいまでの気持ちの変化が見られました。


以上が、妻との接し方について考えていたこと、実践したことになります。

がんと向き合うのは中々エネルギーがいることだと思いますが、色々と手探りで闘っていくしかないのかなと思います。

1人で抱え込まずに、周りにサポートを求めることも大切ですね。

支える側が倒れないように、適度な休息も必要だと思います。

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