カナダの学校で性教育。「ママはどうしてわたしを産もうと思ったの?」と娘に聞かれた話
先日、子どもたちの学校で「性教育ウィーク」のようなことがありました。
授業は親には公開されていないので具体的にどんな内容を学んだかは想像でしかないのですが、それを受けてか、Z世代の娘に唐突にこう聞かれました。
「ママはどうしてわたしを産もうと思ったの?
だって、子どもなんてお金かかるし、反抗するし、世話も大変でしょ」
と。
今日は、そんな質問にこんなふうに答えましたよ、という小ネタと個人的な雑談、海外教育移住と性教育について、などのお話です。
子どもなんて、ぜんぜん好きじゃなかった
今でこそ、どこの子どもにも目を細め、わが子の友達はどんどん家に呼ぶような私なのですが、妊娠出産年齢のころまでずっと、子どもが好きではありませんでした。ぜんぜん。
自分に自信がなかったし、自分のことを好きでもなかったし、仕事も忙しかったし、他人のお世話より自分のことで精いっぱい、という自覚があったので、
「こんな私が子どもを持っていいわけない」
と思っていました。
妊娠出産を意識するような年齢の当時、仕事で子どもと関わることがたまにありました。ものすごくきちんとしている躾のよい女の子から、いうことをまったくきかないけどママに溺愛されている男の子から、5歳なのに大人顔負けの素晴らしい落ち着きを見せる男の子など、いろいろな子に接する機会がありました。早くに結婚した友達の子どもに会うこともたまにありました。
で、結論。
「子どもっていったって、人それぞれ。可愛い子は可愛いし好きだけど、そうでない子は苦手」
「自分が生む子がどういう子かもわからないし、積極的に子を持ちたいと思えない」
そんな私がなぜ急に子どもを持つ気になったのか、というと、きっかけは1冊の雑誌だったのです。
「夏の肌見せワンピース」特集
ある日、美容室だったか会社だったかどこかで女性ファッション誌の「JJ」を眺めていました。
その当時ですでにJJ世代(女子大生くらい)よりは上の世代だったのですが、夏の服はちょっと可愛いのもいいかな、と思ってパラパラとページをめくっていました。
そのとき、雑誌に載っている可愛らしい純白のワンピースを見ていました。
そのとき、急にふと思ったのです。
(こんな服着られるの、あと数年だよなぁ)
と。
そして同時に、
いや。
夏ワンピは何歳で着ようと思えば着られるけど、
子どもはもしかしたら今を逃すと生めなくなる可能性がある。
って思ったんですよね。
娘の反応
「……と思ったら、いま子どもを産もうと決意するのも悪くないのかなー、と思って。みたいな?」
という説明を娘にしました。
それを聞いた娘の反応はというと、
「ハァ?それだけ?そんな軽いことでいいの?」
ですって。まあ、そう思うよね。
でもそれが本当のところだから、これ以上のオチもないし、お話は以上終わり、Period. です。
そして、その後。
やさぐれ系妊婦、とつぜん破水する
「白いワンピースと同様に、妊娠出産もいまだけ、かも」と、子どもを産むこととワンピを同列に扱ってその後、どうなったかというと。
結局、そう思ったら幸いにもすぐに妊娠することができました。
しかし、本意ではあったものの突然の妊娠ではあったので、すぐに授かれて非常に幸運だと思う反面、いろいろな葛藤がありました。
そのため、マタニティフォトだマタニティビクスだ、両親教室だ、産院仲間のプレママ友と豪華ランチだ、と浮かれることが皆無なまま、わりと淡々と、体調管理だけに気をつけて10か月を過ごしました。
(思えばやさぐれ系妊婦でした。もっと楽しめばよかったです)
そして迎えた臨月。
街なかの交差点で信号待ちをしていたときに、突然破水。
陣痛より先に破水が起こるなんて知りませんでした。
そんな「破水が先」系出産で、上の子が生まれました。
(けっこう少数派ですよね。もし同じく「破水が先派」の方がおられたらぜひコメントで教えてください)
仙人がこの腕に
それでも、生まれた子どもは、本当に天使か仙人のように尊かったです。
子どもが生まれることへの期待値がまったくなく、「大変だろうなあ」とばかり思っていたので、逆に「思ったより大変じゃないぞ」と落ち着いて新生児期を乗り切ることができました。
新生児って寝てばかりなので、生まれたばかりのときってそんなに大変ではなかったです。子育てってこうやって徐々に慣れていくことができるんだ、産んでからわりと猶予があるんだ、と知りました。
出産前にネガティブな想像ばかりをしていたので、意外に子育てにつまづかなかったのもうれしい誤算でした。期待していなかったけど、赤ちゃんっていうのは見ていて本当におもしろいんです。お笑い芸人は絶対、赤ちゃんをみてヒントをもらっているんだ、と真剣に思いました。
なので、妊娠出産が不安な妊婦さまがもしこの記事を読んでおられたら、それでいいんじゃないかな、と個人的には思います。そのくらいの方が、産んでから気が楽です。
ママから娘へ「初めての彼氏の作り方」を指南してみる
そして、赤ちゃんの頃からの写真を見ながら、娘とのひと時を過ごし、
👧彼氏なんかまだいらない。
同級生はすぐ付き合ったり、別れたりしているけど、ばかばかしい。
とか
👧いま付き合ったってどうせ2週間とかで別れるし。
それか、毎週「もう別れるかも」って言ってる(で別れない)
みんな、Too much Drama。
(Dramaというのは、ゴタゴタのことです)
とかいう娘ちゃんの話をふんふんと聞いて、
👩いきなり彼氏じゃなく、まずは親友になりなよ。うちにも連れてきたり、2人で出かけたり、一緒に試験勉強したり、2人やみんなでいろんなところに行って、たくさんの時間を一緒に過ごしなよ。それから、付き合うなら付き合えばいいよ。
とか
👩いいな、と思っている男の子に告白されたら「ありがとう、とてもうれしい。考えさせて」って答えるんだよ。
モテる男ほど、即答を求めてないからね!
とか
👩その上で、「あなたのことは好き。でも付き合う前に親友になりたい」って言うのがいいと思うよ。それで、彼氏としてではなく友達としての期間をとって、たくさん遊ぶの。
それで「彼女になってくれないなら要らない・他の子に行く」っていうような男の子なら、それだけの気持ちなんだよ。
とか
👩急いで彼氏作ろうとか思わない方がいいよ。
初彼氏なんて、遅い方が価値があるよ。
とかの個人的意見を話したり。
「👧ママは昭和脳!」と笑われちゃうかな、と思ったけど、わりときちんと、納得しながら聞いてくれていました。
で、カナダの性教育はどうだった?
で、カナダの性教育がどうだったかというと(観測範囲の話ですが)。
という感じです。
もちろん学校や学区によっていろいろだと思いますが、わが子の学校に来られた専門家の経歴を調べると、近隣の他の公立校・私立校の多くでも講演しているようでした。
(マレーシアで小学校に通っていたときは、学校の先生ー保健や体育の先生でなく、学年主任的な先生とか生徒に人気かつ保護者からの人望も厚い先生ーが、その授業を行っておられました。こちらも11~12歳前後の学年でした。なお、このときは「Sexialなんとか」という「性教育」の授業ではなく「Talk(お話)」という名前の授業でした。
性教育と若者の自殺
ちょうど今朝のラジオニュースでたまたまやっていたのですが……
カナダでも若者の自殺はわりと深刻な問題になっています。今朝きいた話は、SNSでの性的な脅しによる自殺の話でした(また別記事で詳しく書きます)。
ニュースでなく身近でも、近い話は聞きます。
パーティ文化のある北米ならでは、ですが、ほんのティーンエイジャーの子どもたちが親のいない家でパーティを開催し、そこでいろいろあって(性的なこと)、そこから深刻ないじめ、不登校、ときに自殺にまでつながったり……
(こちらも詳しくは別記事で)
まあ、なんというか、日本も同様かもしれないですが、「普通のいい子」がそうした性的なトラブルに巻き込まれたり、変なことを主導する困った子がいたりするのは、多かれ少なかれ、どこにでもある感じがします。
ただ、カナダの性教育は、
・プレゼンテーションが上手
・講演の専門家が、明るいオープンな雰囲気でトークショーのように話す
という感じがあります。
性教育だけでなく、インターネットセキュリティの話もそんな感じでしたし、普通の学校の進路指導や校長先生のお話なども、YouTuberかトークショーのように話し上手です。
教育移住の親のこころがまえ
そんなわけで、教育移住などで海外にいると(しかも母子移住で、物理的に近くにいるのが母親だけ、などであると)、「性教育どうしよう」なんて思うこともあるのですが、インターナショナルスクールや現地校でも、知識面については日本と同じような内容を学校でやっている、と考えておおむねよいのではないかな、と思います。
親としてするべきことは、子どもから関連する話があったタイミング(たとえば、今回のように学校で性教育的授業があったときなど)に、自分の経験や考えを伝えてあげればいいんじゃないかな、と。
思春期になるとけっこう照れくさくなってしまうので、小学生時代にマンガなどの読みやすい性教育本をあたえておくのがいい、という人は身近に多いです。
そのために、親として知識のアップデートのために性教育本を読んでおくとか、親しみやすい本を家に置いておくというのは準備としておすすめです。
こうした人気と高評価のある本と学校の授業で、知識としてはカバーできます。
加えて、海外では、日本にいるときよりも、SNSでの詐欺や恐喝、デートDVや、パーティでのレイプドラッグなどの実態を知り、具体的に気をつける方法を知っておくとよいのではないかな、というのが実感です。
(このあたりの話は、地域的な特徴もあるし、教育移住をしている場合は現地のママ友に聞くのがリアルです。YouTubeなどでも留学経験者などがリアルを語っているものがあります)
教育移住をしていると、こうした第二次性徴を迎えるのが海外になりがち。学校の授業、本だけでなく、ママの話や講演会などに積極的に参加すると、実態と具体的な対策を知ることに役立ちます。