バンクーバーに増えるイラン人医師
今日はちょっと、社会的なお話です。
興味のある多くの人に知っていただきたい話題ですが、政治的にデリケートなことも含むため、有料記事で書かせていただきます。
私自身、カナダ人の複数の知人友人を持たなければ見えなかった問題だと思います。現地を訪れての所感を記します。おそらく、日本語ではあんまり出ていない情報なんじゃないかな、と思います。
カナダ人も憧れる高級住宅地、ウエストバンクーバー
カナダのブリティッシュコロンビア州、バンクーバー市街地の北側、ライオンズゲート・ブリッジを渡った先に、ノースバンクーバー/ウエストバンクーバーと呼ばれるエリアがあります。
このエリア、特にウエストバンクーバーは歴史的に高級住宅地であり、地元でも憧れをもって語られる「ブランド・シティ」です。
日本でいうと、ブランド感としては東京なら元麻布や田園調布、関西なら芦屋のような街、といったところでしょうか。
便利な都会であるバンクーバー市街地よりも地価が高いことで知られ、豪華なコンドミニアムや瀟洒な邸宅が建ち並ぶこのエリア。
2ベットルーム(2LDK)の中古コンドミニアムでも1億円を下回る物件は皆無、と言っていいほどで、不動産会社の広告誌には販売価格6億円、8億円もの豪邸が並んでいます。
南はバラード入り江(Burrard Inlet)に面し、ビーチや港など水辺に面する解放感あふれた雰囲気。水辺の公園やカフェには明るい雰囲気があふれ、レストランや美術館といった文化的施設にもファミリーやカップルなどおしゃれな人々が集います。
北米らしい明るいスーパーマーケット、きれいなクリニック、さまざまな店が建ち並ぶタウンエリアから少し北に行けば、そこはすぐマウンテン・エリア。
スキー場や本格的なキャンプ場、広大なゴルフ場まで住宅地から車で20分ほどの距離です。世界的に有名なスノーリゾートであるウィスラーも、ここから車で2時間ほどで到着。ワーク・ライフバランスを大切にし、オフタイムの充実を求めるカナダ人や、海外からの富裕層移民に人気の土地なのです。
永住権が取れる国、カナダ
先日のカナダ政府の発表によると、カナダは今後数年、年間50万人もの移民を受け入れる計画です(※1)。今現在でも、国民の4人に1人が外国からの移民というカナダ。同様に人口減少に悩む先進国の中でも、「移民の割合は突出して高い」といいます。
※1 Notice – Supplementary Information for the 2024-2026 Immigration Levels Plan - Canada.ca
数年前だと、「バンクーバーは中国人(チャイニーズ)ばかり」と言われていました。現在も、確かに中華系の方々は年齢層を問わず多い印象です。
ブリティッシュコロンビア州内でも地域によって、チャイニーズ系住民の多いエリア、フィリピン人住民の多いエリア、インド系住民の多いエリアなどがあります。自国の政治的事情などで出国してきた難民も国として受け入れていることから、子どもの学校の同級生にウクライナ人がいる、というケースなども珍しくないでしょう。
そして、近年「イラン人が多いエリア」であるのがノースバンクーバーとウエストバンクーバーなのです。
どんな人が移民してきているのか
日本でも「カナダなら永住権を目指せる」として幅広い層から留学先として人気ですが、それは日本だけではなく、さまざまな国の人がカナダへの移民・永住権取得を目指しています。「日本だけでない」どころではなく、日本人の比にならないほどの熱意と真剣さがあります。日本人ほど悠長なことを言っていられない事情をかかえた国や地域、という存在に気づきます。
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