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大川橋蔵・主演 銭形平次 第148話「九尾の狐」(1969)+リメイク作 紹介と感想
原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ
脚本:大野清子
監督:長谷川安人
あらすじ
夜の神社で斬られて死にそうな男から紙を渡されたお千代。
誰がやったのか尋ねると「き、狐……」と呟いて息絶えてしまう。
現場を調べていた平次は、彫り物の針が落ちているのを発見する。
殺されたのは雅扇堂の番頭だと分かるが、身体に立派な狐忠信の彫り物が入っており、堅気とは思えない。
第一発見者のお千代は思いを寄せる新助を庇って口を閉ざすが、その後を追う事で平次は事件の裏にある人間ドラマへと辿り着く。
三万両を狙う凶賊との戦いに若者同士のドラマも描いた記念作。
紹介と感想
フジテレビ開局十周年記念としてカラー放送され、後に北大路平次の本放送第1話として時間拡大スペシャルでリメイクされた作品になります。
記念放送としての話だけあり、凶賊との殺陣、因縁の間柄である二人の若者だけでなく悪党にも情けをかえる平次の優しさ、暗号の先に隠された三万両の財宝など盛り沢山で展開されます。
三万両の正体に一捻りしており、悪党共への皮肉な展開となっていました。
万七の出番は控え目ですが、しかり平次と協力して仕事を行い笑顔も見られます。
物語の動きも多く強敵との戦いに、久しぶりの近距離連続投げ銭まで見られるサスペンス感満載の展開は、最後まで楽しく観ることができます。
※YouTubeの東映時代劇YouTubeに昨年11月に期間限定公開された本作が、再アップされています(期間は不明)。
また、アマプラの東映オンデマンドでも観れます。
キャスト
ゲスト
新助/早川 保
お千代/沢 宏美
次郎吉/香月涼二
森戸典膳/城所英夫
大川橋蔵版レギュラーキャスト(当話出演者のみ)
銭形平次/大川橋蔵
八五郎/林家珍平
お静/八千草薫
万七/遠藤辰雄
清吉/池 信一
お弓/鈴村由美
北大路欣也・主演 第1シーズン 第1話「九尾の狐」(1991)
70分のスペシャル枠でのドラマ化になっています。
前年にパイロット版はありましたが本放送としては初放送になるので、最初に平次一家が芦屋道満大内鑑の保名住家の段を見物中に乱入してきたゴロツキを軽く退治するエピソードが入っています。
最初に死んだ男が、大川版では髪を振り乱して恐ろしい形相でしたが、北大路版ではそこまでではないなど、演出面での違いが主で大筋は大川版と同様になります。
オリジナルにないシーンとしては、山城屋の御稲荷様の社が壊され、この一件から泉屋へと繋がるエピソードが追加されています。
また、制作された時代の関係もあり盲関連のエピソードは無く、最後の殺陣のシーンも地下での戦いは短めに済ませて、地上に出てからの町方役人総出の捕物へと変更になっています。
時間が長くなった分オリジナルにあったスピード感は薄まっていますが、新シリーズの本格的な開始エピソードとしてしっかり印象に残る作品になっています。
ゲスト
雅扇堂/江原真二郎
お千代/水島かおり
森戸典膳/亀石征一郎
辰蔵/花沢徳衛
北大路欣也版レギュラーキャスト(当話出演者のみ)
銭形平次/北大路欣也
八五郎/三波豊和
お静/真野あずさ
三輪万七/伊藤四郎
清吉/山西道弘
保科源次郎/三浦浩一
菊村数馬/丹羽貞二
並木籐兵衛/中村梅之助
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