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水野敬也『夢をかなえるゾウ』(2007)紹介と感想
水野敬也『夢をかなえるゾウ』飛鳥新社, 2011(文庫版)
あらすじ
うだつの上がらない僕は「変わりたい」と思っていながら、毎日の生活に流されて一歩を踏み出せていなかった。
しかし、ある時ガネーシャの置物と同じ姿をした神様が眼の前に現れる。
そして、ガネーシャとの奇妙な騒がしい共同生活が始まった。
自分を変えるためにガネーシャと契約した僕は、毎日ガネーシャが出してくる課題を実践していくことになった。
「靴をみがく」「食事を腹八分におさえる」などの課題に始めは半信半疑だったが、次第に本気になって取り組んでいく自分がいた。
紹介と感想
前から読もうと思ったまま先延ばしにしていましたが、ほぼ日の対談で水野さんが出ていたのをきっかけに読んでみましたが。
話題となった本には理由があることも分かり、読んで良かったです。
多くの成功した偉人の習慣や行動を教えてくれる指南書ですが、本書の素晴らしさは主人公とガネーシャが展開する物語形式にしたこと、実際に課題として行動を促していることだと思いました。
これにより、読みやすい上に、一方的に紹介するだけの退屈さを免れています。
また、ガネーシャにも人間臭い欠点があり、当然主人公も模範的な生活を送っている訳ではないため、「素晴らしい人が話す素晴らしい話をダメな自分が聞いている」感を感じないのも良かったです。
ガネーシャが言うような成功を目指している訳ではないですが、それでも自分の趣味や得意を人のために役立てながら生活できれば良いなとの思いはあるため、自分もガネーシャの課題を取り組める内容から即実践していきたいなと思いました。
「自分の言うとおりや。そうやって人は生きていくねん。未来に期待して生きていくねん。期待がなくなったら、絶望してしまうからなぁ」
そう言ったあとガネーシャはゆっくりと口を動かした。重い言葉だった。
「けどなぁ……期待してるかぎり、現実を変える力は持てへんのやで」
期待は希望なんじゃないかと考える主人公に対するガネーシャの返答
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