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銭形平次について

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銭形平次についての記事をまとめています
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#北大路欣也

大川橋蔵・主演 銭形平次 第148話「九尾の狐」(1969)+リメイク作 紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ 脚本:大野清子 監督:長谷川安人 あらすじ 夜の神社で斬られて死にそうな男から紙を渡されたお千代。 誰がやったのか尋ねると「き、狐……」と呟いて息絶えてしまう。 現場を調べていた平次は、彫り物の針が落ちているのを発見する。 殺されたのは雅扇堂の番頭だと分かるが、身体に立派な狐忠信の彫り物が入っており、堅気とは思えない。 第一発見者のお千代は思いを寄せる新助を庇って口を閉ざすが、その後を追う事で平次は事件の裏にある人間ドラマへと辿り

銭形平次捕物控7「お珊文身調べ」(1931)+映像化作品 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次・青春篇』講談社, 1996, p178-205 あらすじ 八五郎と平次も参加した文身自慢の会を騒がした、腹に蛇の文身をした男と体中に十二支の文身をした女。 平次は、何かしら騒ぎが起こるだろうと検討を付けていたとのこと。 どうやら、十二支組の一味が次々と殺されている事件と関係していると狙いをつけ、調べの為に顔を出したらしい。 十二支組の生き残りは残り三人。 奇妙な発端と、そこから推論された平次の鋭い着眼が事件を解決へ導く。 紹介と感想 初期平次なので

銭形平次捕物控31「濡れた千両箱」(1934)+映像化作品 紹介と感想

原作紹介 材木問屋・春木屋の主人が寄進した三千両が煙のように消え失せた。 笹野様に頼まれた平次は、万七の縄張りという事もあり八五郎を派遣する。 八五郎は寺の敷地から千両箱を見つけるが、中には砂利が詰まっているだけで、小判は見つからなかった。 平次は運ぶ途中に夕立で休憩をとった茶店と、その時分に起こった浪人と遊び人の喧嘩に目をつける。 消えた三千両の行方が気になり、上手く興味を持続させている一編です。 映像化紹介 映像化は3つあります。 小金井勝・主演「濡れた千両箱

銭形平次捕物控35「傀儡名臣」(1934)+北大路欣也・主演 第2シーズン 第15話 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次捕物控(三)酒屋火事』嶋中書店, 2004, p.150-189 あらすじ のんびり詰将棋をしていた平次と八五郎のもとへ、妖艶な年増が手紙を持参してきた。手紙に名前はなく「至急相談したいことがある」と記されていた。 平次は八五郎を一人で使いに出すが、八五郎が戻ってきたのは戌刻の鐘が鳴り終わった後だった。 八五郎が話すところによると、散々方々を歩かされた上に、天王寺の前で侍に因縁をつけられ投げられてしまったとのこと。 話を聞いた平次は、夜が遅いのも気にせず

銭形平次捕物控85「瓢箪供養」(1939)+北大路欣也・主演 3-15/村上弘明・主演 1-5 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次捕物控(七)平次女難』嶋中書店, 2004, p.7-45 あらすじ元金物問屋をしていた佐兵衛は、飄々斎と名乗って雑排三昧で暮らしていた。大酒飲みで有名だったが、身体が酒に付いていけなくなったと断酒をし、集めた瓢箪三十六個を思い切って向島土手に埋めて『瓢箪塚』と彫った石を建てた。 その瓢箪供養をした日の夜、飄々斎が庭の池に上半身を突っ込んで、麻縄で首を絞められて死んでいるのが発見された。 利助の縄張りだったが、お品から「飄々斎が死んだのは、人に殺されたに違

銭形平次捕物控105「刑場の花嫁」(1940)+映像化作品 紹介と感想

あらすじ 三文字屋の大旦那・久兵衛が殺された。 事件を調べる島吉の解決を手伝う事になった平次は、下手人として養子の小三郎を捕まえた。 しかし、それから二ヶ月後、久兵衛の娘・お美乃が小三郎は犯人ではないと訴え驚きの真実を告げる。 明後日に迫るお処刑までに平次は真犯人を探し出せるのか。 処刑までの時を稼ぐために、お美乃は大胆な行動に打って出る。 映像化作品 後半の展開がドラマチックなため映像化も3つと多いです。 大川橋蔵版 第8話「刑場の花嫁」(1966) 風間杜夫版 

銭形平次捕物控211「遠眼鏡の殿様」(1949)+北大路欣也・主演5-6「遠眼鏡の中の女」 紹介と感想

あらすじ 弁慶の小助親分から四谷伊賀町で起きた殺しについて助けを求められた平次。 四谷伊賀町の三千石の旗本・伊賀井大三郎が遠眼鏡で清水屋の娘・お君の笑顔を見たのが事の発端だった。 お君に惚れた大三郎は、焼妬焼の妻・弥生をひと間に押し込め、お君を奉公に上がらせろと、清水屋へ迫っていた。 伊賀井家出入りの植木屋の妻・お滝の協力のもと、金ずく、義理ずく、力ずくで清水屋を説き伏せる。 しかし、ついに明日は伊賀井家に奉公へ上がろうかという晩、お君は家の裏口で、お滝が御仮屋横町の入口