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銭形平次について

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#時代小説

銭形平次捕物控7「お珊文身調べ」(1931)+映像化作品 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次・青春篇』講談社, 1996, p178-205 あらすじ 八五郎と平次も参加した文身自慢の会を騒がした、腹に蛇の文身をした男と体中に十二支の文身をした女。 平次は、何かしら騒ぎが起こるだろうと検討を付けていたとのこと。 どうやら、十二支組の一味が次々と殺されている事件と関係していると狙いをつけ、調べの為に顔を出したらしい。 十二支組の生き残りは残り三人。 奇妙な発端と、そこから推論された平次の鋭い着眼が事件を解決へ導く。 紹介と感想 初期平次なので

銭形平次捕物控137「紅い扱帯」(1942)+大川橋蔵・主演 第110話 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次捕物控(十四)雛の別れ』嶋中書店, 2005, p165-191 あらすじ 袋物問屋丸屋六兵衛は、跡取りの甥・染五郎を土蔵に閉じ込め、その嫁・お絹を実家へ帰してしまった。 二人は、六兵衛の亡き女房の姪・お半から提案されて、昔からの密かな秘密通り、紅い扱帯を合図に会う事にした。 次の日、六兵衛が背中から一突きされ殺されているのが発見される。 その場に居合わせた八五郎はお絹を捕まえるが、次の日には万七がお半を捕まえる。 困った八五郎は平次に助けを求める。果た

銭形平次捕物控326「八五郎子守唄」(1954)+映像化作品 紹介と感想

あらすじ 平次のもとへお静が「大変なんです」と駆け込んでくる。 どうやら八五郎に何かあったらしく、向柳原の八のおばさんが平次の家を訪れたのだ。 おばさんによると、昨夜、八五郎との子どもだと言い置いて少女を置いて行った女が来た、八五郎は見当も付かないといいながら子どもを可愛がっているとのこと。子どもは、お雛という名前だった。 平次の推理と八五郎の調べによると、母親はお半という矢取女で、現在は半田屋で働いているという。 お半に遠くから拝むように頼まれた八五郎は、お雛を育てる事