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銭形平次について

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#捕物帳

大川橋蔵主演「銭形平次」(1966~1984/全888話)+映画1本(1967)

1966年5月4日から1984年4月4日まで全888話が放送された、大川橋蔵が銭形平次を演じたシリーズです。 初期の10年位は毎週休みなく放送されていました。 同一主演で全888話を演じたドラマシリーズは世界最長の記録となります。 (ちなみに、松平健が徳川吉宗を演じた「暴れん坊将軍」は、全823話になります) また、この時期のドラマとしては珍しく、全888話の映像が全て残っているドラマでもあります。 ドラマ『銭形平次』(1966~1984)について 勧善懲悪捕物帳ドラマ

大川橋蔵・主演 銭形平次 第114話「山刃の掟」(1968)

あらすじ 平次が寝ようとした直後、八五郎が御徒町の旅籠・大野屋で殺しがあったと駆けつけた。 万七が一足先に現場に駆け付けると、山窩が使用する山刄(うめがい)で宿泊客の男が背中を一突きされて殺されていた。 平次達も到着し、宿の関係者や宿泊客へ尋問を始めると、宿泊客の新藤半九郎の荷物から被害者の財布が見つかり、万七は半九郎を犯人と断定する。 宿からの帰り道、呉服の商いで宿泊していた安之助が犯人を見たと告げに来た矢先、賊の集団に襲われ話す間もなく安之助が殺害される。 平次は、宿

大川橋蔵・主演 銭形平次 第130話「潮風の歌」(1968)紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ 脚本:高橋稔 監督:長谷川安人 あらすじ 髪床で働いているが不器用で上手くいかない源助は、今日も客や店主に怒鳴られていた。 所変わって万七と清吉は、評判の女中・お波に惹かれて料理屋へ足を運ぶ。 二人で酒を飲んでいると、女中の悲鳴が響き渡り、駆け付けると蝮の池松が死んだ場面に立ち会うことになる。 平次も駆けつけ捜査を始めると、源助が捜査線上に上がってきた。 源助とお波、それに文吉を加えた3人は同じ故郷から江戸に出て来た幼馴染だった。

野村胡堂『銭形平次捕物控』第11話~第15話 紹介と感想

第11話「南蛮秘法箋」(『オール讀物號』1932年2月号) 野村胡堂『銭形平次捕物控(三)酒屋火事』嶋中書店, 2004, p.224-261 野村胡堂/著 末國善己/編『奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選』PHP研究所, 2008, p.149-190 野村胡堂『銭形平次捕物控傑作選1』文藝春秋, 2014, p.63-99 あらすじ 質屋で大身代を築いた田代屋又左衛門が毒矢で狙われ、左腕を一本失った。 その疑いは、次男・又次郎の嫁・お冬に向けられた。 事件に乗

銭形平次捕物控7「お珊文身調べ」(1931)+映像化作品 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次・青春篇』講談社, 1996, p178-205 あらすじ 八五郎と平次も参加した文身自慢の会を騒がした、腹に蛇の文身をした男と体中に十二支の文身をした女。 平次は、何かしら騒ぎが起こるだろうと検討を付けていたとのこと。 どうやら、十二支組の一味が次々と殺されている事件と関係していると狙いをつけ、調べの為に顔を出したらしい。 十二支組の生き残りは残り三人。 奇妙な発端と、そこから推論された平次の鋭い着眼が事件を解決へ導く。 紹介と感想 初期平次なので

銭形平次捕物控10「七人の花嫁」(1932)+大川橋蔵・主演 第14話 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次・青春篇』講談社, 1996, p266-297 あらすじ 祝言の席で次々と拐かされる花嫁。 八五郎に利助、平次までもが、その目の前でさらわれてしまった。 平次はお静との祝言を早めて犯人を見つけ出そうとするが、お静まで拐かされてしまう。 果たして平次はお静を見つけ、事件を解決することができるのか。 紹介と感想 平次二十七歳、お静十八歳の時に起こった年明けの事件です。 利助との和解も描かれる、初期平次の完結編とも言える内容となります。 ミステリーとし

銭形平次捕物控31「濡れた千両箱」(1934)+映像化作品 紹介と感想

原作紹介 材木問屋・春木屋の主人が寄進した三千両が煙のように消え失せた。 笹野様に頼まれた平次は、万七の縄張りという事もあり八五郎を派遣する。 八五郎は寺の敷地から千両箱を見つけるが、中には砂利が詰まっているだけで、小判は見つからなかった。 平次は運ぶ途中に夕立で休憩をとった茶店と、その時分に起こった浪人と遊び人の喧嘩に目をつける。 消えた三千両の行方が気になり、上手く興味を持続させている一編です。 映像化紹介 映像化は3つあります。 小金井勝・主演「濡れた千両箱

銭形平次捕物控48「お藤は解く」(1936)+映像化作品 紹介と感想

あらすじ 甲州屋万兵衛が風呂場で首を切られて殺された。 事件の調べを笹野より直々に頼まれた平次は現場へ赴く。 妾に倅、番頭に弟と家中の者が怪しいが、行儀見習で住んでいる娘・お藤が次々と皆の疑いを解いていく。 容疑者が次々と消えていく中で、果たして事件の真実はどこにあるのか。 平次は少しの矛盾も逃さずに事件を解決へと導いていく。 感想 平次の捜査能力のすごさだけでなく、縮尻平次としての人情も見所です。 もちろん、縮尻平次の真意を理解している笹野様も素晴らしい。 お藤の真

銭形平次捕物控65「結納の行方」(1937)+風間杜夫・主演 第4話 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次捕物控(六)結納の行方』嶋中書店, 2004, p216-251 あらすじ 商売が上手くいっていない大黒屋常右衛門。沢屋利助からの借金が返せず困っている所、江島屋の倅・良太郎が娘のお関に惚れて、結納として三千両をくれると渡りに船の提案をされる。 しかし、江島屋を出た時には小判が詰め込まれていた千両箱の中身が、大黒屋で確認すると砂利に変っていた。 平次たちが大黒屋へ行くと、今回の騒ぎを聞きつけた沢屋の用心棒・大川原五左衛門がお関を借金の方に貰っていくと騒い

銭形平次捕物控74「二度死んだ男」(1938)+大川橋蔵・主演 第118話 紹介・感想

野村胡堂『銭形平次捕物控(五)金の鯉』嶋中書店, 2004, p42-79 あらすじ 町内の本道・服部良庵が平次に相談へ来た。お蔵前札差衆の一人・大徳屋孫右衛門が亡くなり、死骸を診に行ったが、前日にすれ違った時とは別人になったようで腑に落ちないとのことだった。 平次は、八五郎を大徳屋へ偵察へ出すと、大徳屋では甥と番頭、三人の妾、三年前から居候をしている草間六弥が睨み合っていた。 その日の真夜中、大徳屋の奉公人・勘次が、主人の孫右衛門が匕首で殺されたと飛び込んできた。 平次

銭形平次捕物控80「捕物仁義」(1938)+大川橋蔵・主演 第5話「捕物仁義」(1966)紹介と感想

あらすじ 平次のもとへ縄張り内に謀反人がいると八五郎が駆け込んでくる。 一年前に町内へ越してきた皆川半之丞という浪人が怪しいと言うのだ。八五郎としては、半之丞の美しい妹・お京も気になるらしい。 八五郎を弟子として忍び込ませるが、お京が八五郎へ物を教え、半之丞は自分の弟子とともに奥へ籠っていた様子。 更に捜査を進めていると、謎の手紙を残して消えた八五郎、半之丞の妹・お京殺しなど様々な出来事が平次に立ち塞がる。 鋳掛勝という下っ引の力を借りながら平次の調べは進む。 紹介と感

銭形平次捕物控85「瓢箪供養」(1939)+北大路欣也・主演 3-15/村上弘明・主演 1-5 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次捕物控(七)平次女難』嶋中書店, 2004, p.7-45 あらすじ元金物問屋をしていた佐兵衛は、飄々斎と名乗って雑排三昧で暮らしていた。大酒飲みで有名だったが、身体が酒に付いていけなくなったと断酒をし、集めた瓢箪三十六個を思い切って向島土手に埋めて『瓢箪塚』と彫った石を建てた。 その瓢箪供養をした日の夜、飄々斎が庭の池に上半身を突っ込んで、麻縄で首を絞められて死んでいるのが発見された。 利助の縄張りだったが、お品から「飄々斎が死んだのは、人に殺されたに違

銭形平次捕物控105「刑場の花嫁」(1940)+映像化作品 紹介と感想

あらすじ 三文字屋の大旦那・久兵衛が殺された。 事件を調べる島吉の解決を手伝う事になった平次は、下手人として養子の小三郎を捕まえた。 しかし、それから二ヶ月後、久兵衛の娘・お美乃が小三郎は犯人ではないと訴え驚きの真実を告げる。 明後日に迫るお処刑までに平次は真犯人を探し出せるのか。 処刑までの時を稼ぐために、お美乃は大胆な行動に打って出る。 映像化作品 後半の展開がドラマチックなため映像化も3つと多いです。 大川橋蔵版 第8話「刑場の花嫁」(1966) 風間杜夫版 

銭形平次捕物控137「紅い扱帯」(1942)+大川橋蔵・主演 第110話 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次捕物控(十四)雛の別れ』嶋中書店, 2005, p165-191 あらすじ 袋物問屋丸屋六兵衛は、跡取りの甥・染五郎を土蔵に閉じ込め、その嫁・お絹を実家へ帰してしまった。 二人は、六兵衛の亡き女房の姪・お半から提案されて、昔からの密かな秘密通り、紅い扱帯を合図に会う事にした。 次の日、六兵衛が背中から一突きされ殺されているのが発見される。 その場に居合わせた八五郎はお絹を捕まえるが、次の日には万七がお半を捕まえる。 困った八五郎は平次に助けを求める。果た