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銭形平次について

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銭形平次についての記事をまとめています
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#ミステリー

銭形平次捕物控48「お藤は解く」(1936)+映像化作品 紹介と感想

あらすじ 甲州屋万兵衛が風呂場で首を切られて殺された。 事件の調べを笹野より直々に頼まれた平次は現場へ赴く。 妾に倅、番頭に弟と家中の者が怪しいが、行儀見習で住んでいる娘・お藤が次々と皆の疑いを解いていく。 容疑者が次々と消えていく中で、果たして事件の真実はどこにあるのか。 平次は少しの矛盾も逃さずに事件を解決へと導いていく。 感想 平次の捜査能力のすごさだけでなく、縮尻平次としての人情も見所です。 もちろん、縮尻平次の真意を理解している笹野様も素晴らしい。 お藤の真

銭形平次捕物控142「権八の罪」(1943)+映像化作品 紹介と感想

原作紹介 今回は平次から八五郎へ事件が持ち込まれる。仏として知られている善人・相模屋総兵衛が殺された。調べを始めると、下男の権八が金を盗んで消えており、十年分の給金が支払われていない事で主人を恨んでいたとの情報が入る。下手人は権八だと思われたが、平次は人間関係を紐解くことで真の下手人を見つけ出す。 ページ数が少な目な事もあり、骨格は良いのですが、内容は標準的な平次短編でした。 映像化作品 骨格の面白さがあるからか映像化は多く、大川橋蔵版、北大路欣也版、風間杜夫版と3

銭形平次捕物控211「遠眼鏡の殿様」(1949)+北大路欣也・主演5-6「遠眼鏡の中の女」 紹介と感想

あらすじ 弁慶の小助親分から四谷伊賀町で起きた殺しについて助けを求められた平次。 四谷伊賀町の三千石の旗本・伊賀井大三郎が遠眼鏡で清水屋の娘・お君の笑顔を見たのが事の発端だった。 お君に惚れた大三郎は、焼妬焼の妻・弥生をひと間に押し込め、お君を奉公に上がらせろと、清水屋へ迫っていた。 伊賀井家出入りの植木屋の妻・お滝の協力のもと、金ずく、義理ずく、力ずくで清水屋を説き伏せる。 しかし、ついに明日は伊賀井家に奉公へ上がろうかという晩、お君は家の裏口で、お滝が御仮屋横町の入口