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銭形平次について

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銭形平次についての記事をまとめています
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2024年9月の記事一覧

大川橋蔵・主演 銭形平次 第146話「顔のない兄貴」(1969)紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ 脚本:岸 生朗 監督:佐々木 康 あらすじ 川辺で見つかった長持から顔を潰された下っ引の死体が出てきた。 顔は分からなかったが、左腕の傷跡から源太が兄貴の英造だと証言したのだ。 万七は英造が仕事で関わった人間を当たり始めるが、平次は英造周辺の人間関係を調べ始める。 そこで見えてきたのは、お紺を巡る英造と源太の争い。 二人の親分からもお紺からも悪い評判が聞かれる源太。 顔の潰れた死体の謎は、兄弟の確執を表沙汰にし、怪しい動向を見せる

大川橋蔵・主演 銭形平次 第147話「子供が見た」(1969)紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ 脚本:高橋 稔 監督:佐々木 康 あらすじ ある夜に起きた般若の仁兵衛が殺害された現場を目撃した子供がいた。 子供の名は大吉。平次は、大吉の命が狙われる可能性があると、子供の周辺を警戒することにした。 一方、万七は現場に落ちていた煙草入れから大吉の父親を捕まえる。 大吉の真剣さを信じる平次は捜査を続けるが、目を付けた容疑者は空振りで捜査は難航する。 そんな時、ふと耳にした言葉から事件解決へのヒントを得るのだった。 紹介と感想

大川橋蔵・主演 銭形平次 第148話「九尾の狐」(1969)+リメイク作 紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ 脚本:大野清子 監督:長谷川安人 あらすじ 夜の神社で斬られて死にそうな男から紙を渡されたお千代。 誰がやったのか尋ねると「き、狐……」と呟いて息絶えてしまう。 現場を調べていた平次は、彫り物の針が落ちているのを発見する。 殺されたのは雅扇堂の番頭だと分かるが、身体に立派な狐忠信の彫り物が入っており、堅気とは思えない。 第一発見者のお千代は思いを寄せる新助を庇って口を閉ざすが、その後を追う事で平次は事件の裏にある人間ドラマへと辿り

大川橋蔵・主演 銭形平次 第149話「胡蝶の印篭」(1969)紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ 脚本:東條正年 監督:佐々木 康 あらすじ 押込み強盗の一味の侍は胡蝶の紋が入った印籠をぶら下げていた。 その後、血の跡に気づいた蕎麦屋の親子が後を辿ると地面には印籠が落ちており、父・弥平は印籠を隠した。 平次達が事件の捜査に乗り出すと、血の跡が川の方へと続いていた。 平次は、蘭方医学を学ぶ高山真之助へと目を付け、その周辺を調べて行く。 苦労の末に長崎行きが決まった高山を軸に、蕎麦屋親子や蘭方医学の先生などとの絆を人情味たっぷりに

大川橋蔵・主演 銭形平次 第150話「謎の供養料」(1969)紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ 脚本:浅井昭三郎 監督:長谷川安人 あらすじ 凶悪な賊が江戸の町を騒がしていたが、なぜか押込み先の材木問屋で殺されており、直前に盗んだと思われる三百両も持っていなかった。 しかも、「おせんこうだい」と書かれた紙が置かれていたのだ。 明くる日、三百両は諦めたから捜査は諦めて欲しいと材木問屋の番頭・佐吉が現れ、平次の家へ菓子折りに包んだ大金を置いていく。 しかし、女将のお豊は菓子折りの事も、佐吉が捜査を止めるように働きかけたことも知ら

野村胡堂『銭形平次捕物控』第16話~第20話 紹介と感想

148話「九尾の狐」は以前別のタイミングで公開されたからか、今週はYouTubeでの銭形平次の配信が無かったので、久しぶりに原作の感想をあげたいと思います。 今回は、お品さんが活躍する連作のようなエピソードも含まれるここまでの総決算的な物語となります。 第16話「人魚の死」(『オール讀物號』1932年7月号) 野村胡堂『銭形平次捕物控(四)城の絵図面』嶋中書店, 2004, p.83-110 野村胡堂/著 末國善己/編『櫛の文字 銭形平次ミステリ傑作選』東京創元社, 20