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銭形平次について

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銭形平次についての記事をまとめています
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2024年1月の記事一覧

大川橋蔵・主演 銭形平次 第114話「山刃の掟」(1968)

あらすじ 平次が寝ようとした直後、八五郎が御徒町の旅籠・大野屋で殺しがあったと駆けつけた。 万七が一足先に現場に駆け付けると、山窩が使用する山刄(うめがい)で宿泊客の男が背中を一突きされて殺されていた。 平次達も到着し、宿の関係者や宿泊客へ尋問を始めると、宿泊客の新藤半九郎の荷物から被害者の財布が見つかり、万七は半九郎を犯人と断定する。 宿からの帰り道、呉服の商いで宿泊していた安之助が犯人を見たと告げに来た矢先、賊の集団に襲われ話す間もなく安之助が殺害される。 平次は、宿

銭形平次捕物控10「七人の花嫁」(1932)+大川橋蔵・主演 第14話 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次・青春篇』講談社, 1996, p266-297 あらすじ 祝言の席で次々と拐かされる花嫁。 八五郎に利助、平次までもが、その目の前でさらわれてしまった。 平次はお静との祝言を早めて犯人を見つけ出そうとするが、お静まで拐かされてしまう。 果たして平次はお静を見つけ、事件を解決することができるのか。 紹介と感想 平次二十七歳、お静十八歳の時に起こった年明けの事件です。 利助との和解も描かれる、初期平次の完結編とも言える内容となります。 ミステリーとし

銭形平次捕物控35「傀儡名臣」(1934)+北大路欣也・主演 第2シーズン 第15話 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次捕物控(三)酒屋火事』嶋中書店, 2004, p.150-189 あらすじ のんびり詰将棋をしていた平次と八五郎のもとへ、妖艶な年増が手紙を持参してきた。手紙に名前はなく「至急相談したいことがある」と記されていた。 平次は八五郎を一人で使いに出すが、八五郎が戻ってきたのは戌刻の鐘が鳴り終わった後だった。 八五郎が話すところによると、散々方々を歩かされた上に、天王寺の前で侍に因縁をつけられ投げられてしまったとのこと。 話を聞いた平次は、夜が遅いのも気にせず

銭形平次捕物控65「結納の行方」(1937)+風間杜夫・主演 第4話 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次捕物控(六)結納の行方』嶋中書店, 2004, p216-251 あらすじ 商売が上手くいっていない大黒屋常右衛門。沢屋利助からの借金が返せず困っている所、江島屋の倅・良太郎が娘のお関に惚れて、結納として三千両をくれると渡りに船の提案をされる。 しかし、江島屋を出た時には小判が詰め込まれていた千両箱の中身が、大黒屋で確認すると砂利に変っていた。 平次たちが大黒屋へ行くと、今回の騒ぎを聞きつけた沢屋の用心棒・大川原五左衛門がお関を借金の方に貰っていくと騒い

銭形平次捕物控71「平次屠蘇機嫌」(1938)+大川橋蔵・主演 第36話 紹介と感想

野村胡堂『銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌』嶋中書店, 2004, p.46-85  あらすじ 元日、八丁堀への年始回りをした平次は、輪飾りが裏返しになっている料理屋『さざなみ』を見つけ、ふらふらと千鳥足で中へ入っていく。 店では番頭が手拭を配っており、白地と浅黄の手拭があった。番頭は白地を渡そうとするが、平次は浅黄が欲しいと番頭と言い合いになる。 しかし、それも全て不審に感じた平次が打った芝居だったのだ。 騒ぎの最中に八五郎がさりげなく手に入れた浅黄の手拭には、十二支と