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「お前、おとこおんなみたいだな!気持ち悪りぃ」

幼少のころからそんな風に言われ続けてきた。「自分らしく」振舞う事が周りが押し付けてくる「自分らしさ」とはかけ離れていた。

妹と同じようにバービー人形やおままごとをして遊ぶ事を許してもらえず、どうして妹は良いのに、僕はダメなのか。そのころは全く分かっていなかった。

世の中には「男」と「女」しかいないと教えられたが、「男」の身体をもつ自分が周りの「女」と同じものを選びたくなる理由も全く分からない。

それは、子供のころから大人になるまでずっと続いたが、年を重ねるにつれて、自分が周りの態度や言葉で嫌な思いをしなくても済む方法を選択することで何とかやり過ごしてきた。

しかし、トランスを始めた途端、それまで周りが求める役割を手放し、逆行しなければいけないという強迫観念に囚われた。

・女性に見えるように、スカートを身につけなくてはいけない

・女性に見えるように、ロングヘアにしなくてはいけない

・女性に見えるように、化粧をしなくてはいけない

・女性になるためには、胸が必要

・女性になるためには、脱毛が必要

・女性になるためには、ぱっちりとした瞳が必要

・女性になるためには、今すぐにもSRSが必要

化粧をしても、整形を重ねても、「首が太い」だの「身長が高すぎる」だの足りない所にばかり目を向けて、自己受容ができず、荒んだ心のまま何年も何年も過ごすことになった。

結局、大人になっても、だれかが作った「女らしさ」のイメージに振り回されている。

心の性に関わらず、本当の私の自分らしさについて、少しずつ気が付けるようになりたい。

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