9歳年上の彼氏との思い出①
現在の夫であるBAKUと付き合うことになる直前まで付き合っていた9歳年上の彼氏SHINくん。当時彼は30歳、私が21歳。
SHINくんは性的指向がバイセク寄りのノンケの地方公務員だった。彼との出会いについては話せば長くなるため割愛する。
付き合っていた1年8か月という期間は楽しいことばかりではなかった。彼は結婚を約束した女性と破断になり寂しさを抱えて過ごしていた。そんな中私と出会ったのである。
もともと、年下の男の子に少し興味があったが、思い描いた中性的な子に出会う機会がなく、私と出会ったときは衝撃だったと聞いたことがあった。
ご両親は学校の先生をしているまじめな家庭で育った彼。
職場の上司が破断となった結婚の傷をいやそうと、彼にお見合いの話をいくつも持ってきていた。
「キノくん、俺、明日見合いすることになった。」
「・・・!なにそれ!ボクがいるのに、お見合いなんてしないで!!」
「仕方ないよ、俺、公務員だし、立場的に上司の面目をつぶすわけにはいかないんだよ・・・・」
そんなやり取りが何度あっただろう・・・
いずれ女性と結婚していくだろう彼氏と、女性にもなれず男性というにはあまりにも未完成な自分・・・
休みの日は、彼の愛車パジェロでドライブしたり、競馬を見に行ったりと楽しく過ごした時間もあったが、いつも捨てられるという不安を抱え、未来が見えないまま過ごした1年8か月。
後半は、別れたり戻ったりの繰り返しで、私は相当疲れていた。何度目かの別れている期間、BAKUに出会い急激に接近することに。そのことは以下のURLから
SHINくんから電話がかかってきた時、私は新たに好きな人ができ、あなたとは元に戻ることはないと伝えた。
「キノくん、わかったよ・・・それじゃぁ、俺の家にあるキノくんの荷物を届けに行くよ。いつがいい?」
「もう必要ないから、捨ててくれていいよ」
「え、でも、この前俺が買ってあげたセーターもあるし、持っててほしい」
そんなやり取りがあり、半ばほだされる形で会う約束をした。
BAKUには元彼にあってくることを伝え、荷物を受け取った5分後に車で拾ってもらう約束をした。待ち合わせ場所は、互いの家の中間にある "幌平橋駅" の地上出口に19時。3月の札幌はまだまだ雪も降っていて寒い夜だった。
見慣れた白いパジェロが到着し、助手席のドアを開けて荷物を受け取ろうとしたが渡してくれず、車に乗れと促される。
5分後にBAKUが迎えにくるから車に乗りたくない私は抗ったが次の言葉で従わざるを得なくなった。
「ニセコタワーで撮影したビデオを職場や家族の元に送られたくなかったら、車に乗れ!」
現在のリゾナーレトマムに旅行した時、二人ジャグジーでいちゃついていたビデオをダビングしてばらまくと脅されたのだった・・・