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Photo: 環状線

ミャンマーにはヤンゴンの街中をぐるっと一周する、環状線が走っている。

わずか200チャット(20円)のチケット。存在しない時刻表。開けっ放しのドア。

雑多に乗り込む人。果物が売られる車内。お経だって大音量で流れていることがある。

開け放たれたドアの階段のところに座って外を眺めていると、結構全てがどうでも良くなる。爽やかに抜ける風、線路沿いの露店、流れ行く家の洗濯物。

ここに、この場所に命があるなぁと思う。人の温度を感じる。

いつかきっと無くなるのだろう。聞けば、今時速20kmで走るこの列車(超遅い)、

日本の会社のプロジェクトで時速60kmで走る計画が進んでいるらしい。

そしたら、道端の露店は、悠長に店を構えていれないだろうし

電車にも扉がつくのでしょ?

人が歩き回る線路なんて危なっかしいから、

さくができていくのでしょ?

だけどそれらと引き換えに、

多くの人の通勤が、

ぐっと楽になるのでしょ?

何かを失って何かを手に入れて

何かを手に入れるために、何かを捨てて

国も人も前に行く。

私たちはこの国に、一体何を残したいのだろう。

一体何が作れるのだろう。


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