【星読みエッセイ】2024年7月6日★蟹座新月:自分の基盤を見直す。仮想現実は心の拠り所になりえるか?
二十四節気で小暑の頃。
西洋占星術でいえば、太陽は蟹座の後半度数を運行し始めます。
蟹座を進行する太陽が月に重なって起こるのが、蟹座の新月です。
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天体図を見てみます。
今回新月が起こるのは11ハウス。
友、ネットワーク、公共の利益といったテーマを管轄する室です。
蟹座と調和する魚座では、集合的無意識を管轄する海王星と、人生の課題を管轄する土星がそろって逆行中。
「感情」「精神的世界」にかんする見直しを行っている、とも読み取れます。
天頂の牡牛座では、革新を促す天王星と、能動的エネルギーをもった火星が同座。
内面を見つめなおすことで、自己改革を促しているのかもしれません。
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蟹座は、心の基盤を司る星座でもあるので、毎年蟹座期間は自分の心の基盤と向き合う期間である。
と解釈することもできます。
日本ではちょうど梅雨の期間と被るので、家の中でじっくり内省してみる時間をつくるのにピッタリです。
ところで、心の基盤とはなんでしょう?
それは、誰に否定されず、存在を抑圧されず、感情を攻撃されない、心の安全基地とも呼べる場所のことです。
そんな家庭に生まれたら、どんなに幸せでしょう。
けれどもし、そういった家庭に恵まれなかったら?
家の中でこそ、傷つけられたりしてしまったら?
諦めるしかないのでしょうか?
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メタバースというインターネット上の仮想空間で生活が少しずつ広がりをみせてきています。
仮想空間へ依存するなんて、精神的に不健全ではないか?
リアルな体験こそが本物なのではないか?
といった声もありますが、物質的なモノだけが「本物」なのでしょうか。
たまたま生まれた家庭が、国が、自分を迫害してくるのなら、
フィクションの世界に心の安全を預けるのもアリでしょう。
居場所を見つけられない思春期に、文学作品などのフィクションの世界に逃避するのは誰にでもある経験です。
「サピエンス全史」によると、人間は言葉を獲得し、フィクションを共有することを可能にしたことで
ほかの動物とは異なる進化の過程を進んだといいます。
フィクションの世界とともに歩んできた人類史を思えば、
バーチャルの世界に心を預けることも決して突飛な行いではないはずです。
大事なのは、傷つけらない居場所を確保すること。
「こうあるべき」という思い込みを手放して、本当に大切なものは何か?と向き合う。
そうして足元を固めなおしたら、新しい自分へ向けて世界を広げていく。
そんな促しをしてくれているような、蟹座の新月です。
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