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【カヌーポロ】とてもレアな反則に遭遇!
先日、カヌーポロのルール解説の記事を書きましたが、ルールブックには、反則の概要は書かれていても具体的なケースというものは書かれていません。なので「こうしたケースはどうしたら良いんだろう?」なんてことが多々あります。今は便利な世の中でyoutubeで「canoepolo」と検索すると最新の大会の映像が簡単に出てきます。ただ、1大会まるまるライブ配信しているので、その全てを観ようと思ったらかなりの時間を要します。
その中からさらに、反則だけを探すとなるととても骨の折れる作業です。今回は偶然見つけた貴重な反則シーンをご紹介します。
きっかけはゴール・ペナルティ・ショットの反則
先週末、ヨーロッパクラブ選手権がドイツのデュースブルクにて開催されていました。ヨーロッパ各国の優勝・準優勝チームに参加権利があるようで、強豪国のクラブ同士が戦うとても見応えのある大会です。イタリアのPro Sco. ChiavariとオランダのViking Venloの試合でその反則は起こりました。
6:38:30頃~ Venlo(黄艇)2番の選手の後ろからChiavari(青艇)8番の選手のパドルが手に当たり、ゴール・ペナルティ・ショット(以下GPS)の反則が取られました。
GPSの反則となると、イエローカードも付与され選手は2分間の退場となり4人で戦うこととなります。ちなみに、GPSとはサッカーのPKのようなもので、ゴール下から4mの位置からキーパーと1対1(※)でシュートを行います。
※実際にはGPSには2種類あり、反則時の状況によってキーパー有りとキーパー無しの場合があります。
そして、それは突然起こった
今回はキーパー有りのGPSで、シュートを放ったところボールはゴールポストに弾かれ、コート内に残ったため試合は継続、Venlo(黄艇)が再度ボールを保持し、シュートを決めました。
問題のシーンはシュート後。
ゴールが決まった後、なんと先程イエローカードを貰ったはずのChiavari(青艇)8番の選手が、コートに入ってきたのです。
この事により、8番の選手はレッドカードを貰いChiavariは残りの時間を4人で戦う羽目になり、結果負けてしまいました。
何でこんなことが起きてしまったのか
はたから見るとすごくしょうもない反則ですが、彼は何でこんなことをしてしまったんだろうか・・・。本人に直接聞く機会もないので、真相はわからないが状況を鑑みて私なりに考察してみました。
イエローカード・パワープレイの誤解
実は、イエローカードには2つのパターンが存在します。。GPSを伴う反則か、そうじゃないかで得点後の対応が変わります。
単純なオーバーメンバーや、グリーンカードの累積などGPSを伴わないイエローカードがあります。この場合、退場時間は最大2分間となります。最大2分間というのは、相手チームがこの2分間の間に得点した場合、イエローカードが解除され5人目が復帰できるというルールです。これを「イエローカード・パワープレイ」と言います。
今回のケース、GPSが行われましたがゴールポストに弾かれ、その後のオフェンスの流れで得点をしました。恐らくここで勘違いが生じたと考えられます。青の8番は、GPSが実行されたという事実から、イエローカード・パワープレイに移行していたと考えたのかもしれません。
GPSの結果は関係ない
GPSは、あくまで反則により与えられた権利でしかなく、GPSを行った結果、得点があろうがなかろうが反則の効力は続きます。「GPSの行使」ではなく「GPSを伴う反則」というものに対しイエローカードの効力が発生しているということす。ここを勘違いしてはいけない、という非常にレアなケースでした。
この反則には別の疑問が残る
今回は同じ選手が再入場したことにより、イエローカードが累積しレッドカードで退場となりました。これが仮に別の選手だったらどうだったのでしょう。以下の図のように2人目のイエローカードとなり、3人で試合をしなければいけなくなります。
さて、別の選手がオーバーメンバーした場合、いくつかの疑問が生じます。
【疑問①】誰が退場するの?
コート内に①②③④の選手がいます。先程退場した8番と別に⑤の選手が入ってきたとします。反則したのは⑤だから、⑤に対しイエローカードなのですが、コート内に入れるのは3人です。①②③④の誰かが退場するのだろうけど、これについて規定は書かれていません。
【疑問②】2つ目の反則はイエローカード・パワープレイになるの?
2人目が退場し、すぐさま相手チームが得点するとします。2つ目はGPSを伴わない反則なので、2人目の選手は復帰できることになります。先に退場した選手を追い越して復帰するという、これまたレアなケースが発生します。
まとめ
今回は非常にレアケースの反則を紹介しました。カヌーポロをよく知らない人からしたらなんのこっちゃ?な話ですが、とても面白いケースなので書いてみました。また、別のケースがあった際には紹介したいと思います。