【カヌーポロ】目の重要性の話
気づけば年末になってしまいました。
とりあえず年内に1個は仕上げなきゃということで今回の記事。
テーマは「目」。視覚のお話です。
視覚について
視覚には「視力」と「視野」の2つの要素があります。
「視力」は文字通り視る力で、これが高いということは遠くの目標物が詳細に識別できます。
「視野」は見える範囲の広さで、特定の目標物ではなく周囲の状況を認識する能力を表しています。
視力
「視力」と言えばC(ランドルト環)のどちらが空いているかという「視力検査」でおなじみですが、視野の中で最もよく見える中心部の視機能を指します。
どれだけ遠くの距離を詳細に見えているか、という指標ですね。
ちなみに私は昔から視力だけは良くて、子供のころに暗い中で本を読もうが1日何時間テレビを見ようが影響を受けませんでした。
今も1日中パソコンに向かう仕事が多いのですが、両目とも1.5以上をキープできています。
視野
「視野」は目を動かさないで確認できる範囲を指します。左右の目を合わせると180度以上あり、片眼では鼻側が約60度、耳側が約100度、上方向が約60度、下方向が約70度あります。このうち知覚できる注視野の広さは個人差があるものの、平均的には単眼視では各方面約50度、両眼視では各方面約45度程度と言われています。
視界
視野と似た言葉で「視界(しかい)」という言葉があります。
視界とは、視覚の要素ではないですが、「目で見通すことのできる範囲」を意味しています。視野と視界の違いは、視野が定点的な観測により見える範囲を表しているのに対し、視界はその制限がありません。
どういうことかと言えば、頭や体、眼球を動かして視点を変えても良いわけです。首を横や縦に動かせば見える範囲は広がりますし、目線を動かすだけでもある程度見える範囲は広がります。周りが見えなくなったり、知識・思慮の範囲が狭い人のことを「視野が狭い」と表現するのが一般的になっていますが、言葉のニュアンスを正しく表現するならば「視界がひらけていない」という事だと思います。
ここからが本題
球技においては「視力」と「視界」が重要です。ある説によれば球技においては外部情報の80%を視界から得ていると言われています。視界に入ってくる情報から、現在の状況を把握し、それを基に周りの動きを予測したり、自分の動きを選択したりするのです。たくさんの情報があればそれだけ可能性と選択肢が広がります。
車の運転を例にしてみるとわかりやすいです。
直進、曲がる、停止。いずれも視界に入ってくる道の状況を見て行動していると思います。また、信号、標識、歩行者など周囲の状況も判断の材料になっています。
視力が悪ければ車の免許が取れないということが示す通り、視覚による情報を処理ができないと正しい判断ができません。
カヌーポロの目
球技で言えば、素早く情報を収集するにはある程度の視力が欠かせません。
ボールのスピードや距離、相手や味方の動作、さらには目線や表情などを正確に捉えられず、パフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。
じゃあ、目が悪いとカヌーポロは上手くなれないの?と言えばその限りではありません。
視力が低い場合は、コンタクトレンズやスポーツ用のメガネなどで矯正することで、パフォーマンスの向上や安全面での配慮が期待できます。
メガネについて言えばカヌーポロにおいてはどうしてもレンズに水滴がついてしまい視界を邪魔します。※ついでに言えばフェイスガードの色についてもできることなら視界に入って邪魔にならない色を選択するべきだと筆者は思います。
「見て」そして「動く」
一番わかりやすいのはパスを出す、もらう時。目からの情報がないと難しいですよね。その他のアクションも無意識に味方や相手、ボールの位置関係を把握し、状況に応じてパスやドリブル、シュートまたはボールキープをします。
目からの情報が入りにくくなるのは外的要因により行動が制限され視界が狭められた時です。行動が制限される代表的なシーンは、相手にプレスをかけられている時です。
プレスが速ければ当然、味方や相手、ボールの位置関係を把握する時間が短くなります。
状況の把握が遅れれば、パスコースもシュートコースもなくなるなど、次のアクションの成功率が下がります。
視覚と認知
相手との実力差があれば判断が遅れてもフィジカルやテクニックで上手く処理できることもありますが、実力が均衡あるいは格上の相手と戦うためには素早い判断が求められます。
そのためには「視覚」からの情報を「認知」する必要があります。
目から入った映像を脳で正しく認識できないと、自分自身は見えているつもりでも、正しく情報処理ができず次のアクションを間違えてしまうことがあります。例えば、ボールを全く見ていない味方にパスを出してしまうとか、速攻の際にフリーの味方がいるのに、無理にシュートを撃ってしまう、などのミスは視覚からの情報が上手く処理できていないと起こりやすいです。※もちろん「焦り」「緊張」など他の要因もあるかとは思います。
まとめ
今回は目の重要性の話をしました。
スポーツ、特に集団で行う球技においては視覚から正確な情報を得て、適切に処理することが求められます。
情報処理能力が低いと、競技パフォーマンスに影響を与え「練習通りに力が発揮できなかった」「自分のプレーができない」といった本来の能力を発揮できない原因となります。
情報処理能力を上げるためには脳みそを鍛える必要があります。某U21代表監督が「スポーツは頭が良い人がやるべき」というのは、この辺りにも大きく関わってくる話だと筆者は思います。
2024年も数は少ないながらも継続して記事を書くことができました。
これらの記事が何かのヒントに繋がれば幸いです。
それでは、また来年お会いしましょう!