ポーランドを愛し愛されるポーランドドーナツのカフェ「ポンチキヤ」@調布・柴崎 【調布ブレス Vol.10】
調布に息づく人々を紹介する調布ブレス。
今回ご紹介するのは、ポーランドに魅了された店主がポーランドの食文化と魅力を伝えるポーランドドーナツを看板としたカフェ「ポンチキヤ」です。
幼少期に始めたピアノをきっかけに、ポーランドを代表する作曲家ショパンに魅了され、大学でポーランド語を専攻して留学したという店主。
ポーランドで中世から伝わる伝統的なドーナツ「ポンチキ」は街のいたるところで売られていて、毎日のように食べていたポンチキを日本で紹介したいと帰国時に決意したそうです。
一般企業で働きながら料理学校やレストランで調理の修業をして、2014年からキッチンカーで、マルシェや国際交流イベントなどでの移動販売やケータリングのポンチキ販売を開始しました。
ポーランドには、イースターに向けて断食に入る直前に栄養価の高いポンチキをたくさん食べる「脂の木曜日」と呼ばれる慣習があり、それに合わせてポーランド大使館やポーランド広報文化センター、ポーランド航空、ポーランド食器メーカーなどに協力してもらったイベントなども開催してきました。
店主が作るポンチキは好評を得て、イベントや通信販売などを通して多くの人々に提供してきましたが、一番おいしい揚げたてのポンチキをいつでも食べられるお店を作りたい、ポーランドの文化や魅力を伝えたいと、移動販売を開始した当初から調理場として使用してきた店舗を改装し、2018年6月に実店舗をオープンしました。
ポーランドのおばあちゃんの家をイメージしたという店舗は、ピンクを基調に、スーツケースやミシンを店主自らリメイクしたテーブルやアンティーク調の家具などが置かれた異国空間。ポーランドの食器やポーランド語訳の「Dr.スランプアラレちゃん」などの書籍が置かれ、異国情緒を高めています。
オープンと時期を同じくして行なわれたサッカーワールドカップ日本対ポーランド戦では、観戦イベントを実施して、日本とポーランドのサポーターが入り交じって観戦を楽しみ、ポーランド料理を提供する店としてテレビ局なども取材に来ていました。
京王線柴崎駅の小さな商店街の外れに、ポンチキ目当ての外国人を見かけることはまれでなく、店内の壁にはさまざまな言語のサインが見られます。
見た目も可愛いまん丸のポンチキは油で揚げているにもかかわらず軽い食感。グルメ記事などでは「店主が言う通り、揚げたては飲み物のようだ」というコメントをよく見かけます。
フィリングには日本ではあまりなじみのない薔薇ジャムがポーランドでは一番人気だそうで、都内の薔薇農園の最高級品を使用して自家製したジャムは香りよく、ここでも異国を感じます。ポーランドでポピュラーなものから、季節限定や「抹茶」など日本のテイストを取り入れた店主オリジナルの味など毎日数種類が並びます。
そのほかにもポーランドの餃子「ピエロギ」や焼き菓子など、あまり見かけないポーランド料理もあって、最近は「外国料理の店」といった取材も多いようです。
ポーランドでは、カフェでひと休みしてポンチキを食べるのが日常の風景だったそうで、気軽に立ち寄って揚げたてのポンチキを食べるカフェを目指していましたが、コロナ禍に伴い現在イートインは休止中。
ポーランドと日本の架け橋、食文化を通した国際交流。
ポーランドを学び、愛し、愛される店主の基地。
ふらっと立ち寄ってポンチキをほおばる日が早く戻りますように。
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