ZYYG 2nd Album 『Noizy Beat』INTERVIEW_music freak magazine Vol.15(1996年2月号)バックナンバー
○●○ music freak magazine vol.15 / 1996年2月号バックナンバー
―ZYYGにとって1年7ヶ月振りのアルバムになる訳ですが、まず率直に出来栄えのほどは?
高山征輝(以下T):前のアルバム『GO-WILD』に比べて、よりバンドの音として固まってきたっていう感じ。ビートも効いてるしね。
ーファースト・アルバムと比べるとサウンドやビジュアルの方向性はガラッと変わりましたね。
T:ファーストの時は、色々な状況の中でただただ一生懸命やってたって感じだったけど、今回はメンバーとかそれこそプロデューサーを交えて最初に方向性を決めていったんで、やりやすかった。
一コンセプトめいたものはありましたか。
T:特別にはなかったんだけど、ビートをもっとキッチリ出したかったんだよね。それにもっとバンドっぽく行きたいっていうか……。特にコンセプトどうこうってよりも、俺達の自由に、より演りやすくさせてもらったって感じ。
ーシングルの「ぜったいに誰も」を聴いた時、それまでとは全然違う方向性を感じたのですが、あの時には何かありましたか。
後藤康二(以下G):今振り返ると「ぜったいに誰も」をレコーディングしてた頃は、『GO-WILD』をリリースして久しぶりの作業だったんで、その分、肩に力入ってたね。とりあえず、「ぜったいに誰も」を1995年にリリース出来たということがセカンドの『Noizy Beat』につながっていく訳で、そういう意味ではいいスタートをきれたんじゃないかな。
―次のシングル「JULIA」では、ビートの効いたノリが明確になってきましたよね。今回のアルバムでこの曲がオープニングに来ているというのは、幕開けにふさわしい曲だったから?
T:そんなに一発目にこだわりはなかった。10回、20回では足りないくらい曲順を並べ替えたんだけど、最終的にはこの形がベストだ、と思うね。
一次は皆さんのバック・グラウンドについて聞いてみますが、高山さんがバンドを始めたのはいつ頃?
T:15才の時に初めて、文化祭の時にバンド組んだのが最初。曲はARBで。
―ARBって、その頃よりちょっと前に全盛期でしたよね。
T:ARBは聴けば聴くほどカッコイイ。きっかけは友達がARBを聴いてて、ARBのコピー・バンドを作ってボーカルがいないんだって言われて、じや、俺歌うよって。
―多分今の若い人達は、ARBはほとんど知らない人が多いと思うのですが、どんな所が好きなんですか。
T:詞の世界が共感できて好きだな。
―うら淋しいというか、街角の暗い感じがよく歌われてますよね。
T:ボーカルの石橋凌さんが久留米出身で、自分が育った隣の町だったんだ。その町は何か淋しい町で、それを知ってるだけに余計にARBを聴くと郷里を思い出す。「淋しい町から」という曲があるんだけど、それは思いきり凌さんの故郷の町を歌ってるんだ。久留米の町も色々と出てくる。自分にとっては、切り離せないバンドだよね、ARBは。メンバーもARBを知らなかったみたいで、“聴いてみたら”と言ったら、“メンバーもいいね”と言ってくれて。
ーRCサクセションとか同時期に流行っていましたよね。
T:RCはそんなに聴かなかった。自分の年齢からすると「いけないルージュマジック」で清志郎さんを知ってという感じで、あれは結構インパクトがあったけど。あとは、モッズ、シーナ&ロケッツ・・・。結局は福岡に固まってしまうんだけど、やっぱりどこかあるんだろうな、”めんたいロック“のスピリットっていうのが。
一佐野元春とかブルース・スプリング・スティーンとか流行っていましたよね。
T:そっちの方にはいかなかった。結局、簡単じゃないですか、ARBにしてもコード進行とか。3コードだけみたいな感じですごくシンプルだったし、そういう意味でもバンドを始めようとしている連中にはオススメだね。カラオケで盛り上がってもいいんだろうけど、その後で家でしんみり聴いてみるのもいい音楽だね。
―ミュージック・フリークの読者に紹介したいARBの代表的な一枚はなんですか?
T:『BAD NEWS』とか。曲で言うと、個人的には「東京CITYは風だらけ」とか「魂こがして」、あと「さらば相棒」。「東京CITYは風だらけ」は結構自分が田舎にいる頃から頭の中で鳴ってるというか、“東京で何かやってやる”と思った時に必ず流れてくる曲だったし、「魂こがして」は、それこそ鈍行で久留米から東京に出てくる時に頭の中で鳴り響いていたし、「さらば相棒」は、一緒にバンドやってたメンバーが久留米から出て行ってしまう時に、それが鳴ってて……この3曲は気に入ってる。
―久留米ではどんな所で活動していたのですか。
T:バンド作って名前売るのは地元で、それは16の頃。“Shout”っていうライブハウスで腕を磨いた後、福岡に行った。福岡では「ドラム」から「Be-1」に出世するというパターンがあってね。最終的には「Be-1」目指したね。
―“めんたいビート”が流行った時期がありましたが、あれは小学生くらいですか。
T:そう、だね。ただ小学生ながら“めんたいビート”とか言われているのを聞いて、“なんでそげんダサか名前ばつけられないかんとや”というのはあった(笑)
―どんな少年時代だったんですか。
T:今と変わってないのは、頑固さとわがままなところ。あとちょこちょこワルサしたり、ケンカしたり。あんまりつるむのが好きじゃなくて、団体行動が昔から苦手だったかな……。“あれをしなさい”とか言われると反対のことをしたがる性格だった。
―一番最初に買ったレコードは何ですか。
T:幼稚園くらいの時に親戚のおばさんにゴダイゴを買ってもらって、とりあえず「モンキー・マジック」が流行ったんでそれを聴いたのが最初。親父とおふくろがビートルズ世代で、今思うと生まれた時からビートルズが流れているような家庭だった。
―気がついた時には、本格的なビートルズ世界へと……。
T:そうだね。田舎のテレビとかビートルズが流れるんだけど、タイトル知らなくても子供の頃に聴いたことがある曲っていうのはたくさんあるね。
―高山さんの音楽性って、時代時代のロックのきちんとおいしい所を押さえてるなって気がするのですが。
T:そう? 結構プライベートがいい加減なんで、歌だけまじめにやろうかなと(笑)。やっぱり聴いてきたものは、バンド系が多くて割とその辺はシンプルなものが好きなんだ。音は邦楽ばっかり聴いてたけど、最近はすごく洋楽を聴いてるね。
―どういうアーティストを聴くんですか。
T:きっかけになったのは、デビッド・ボウイだね。
―アルバムで言うと?
T:特別にはないけど、“ブルージーン”のビデオがあったんだ。その時ちょうどデビッド・ボウイのベストかなんか出て、それを買ったんだ。すごく衝撃的でね。そこからデビッド・ボウイにハマって、ルーツを探っていくうちに洋楽にハマった。友達から「このバンドはデビッド・ボウイの影響を受けてるんだよ」とか聞くとすぐ聴いてみたり、そこから幅が広がってきたりして。そのあとは色々聴くようになったね。それこそバウハウスとか、エコー・アンド・ザ・バニーメンやキュアーとか、ニュー・ウエーブ系を聴き漁った。
―今回のアルバムはやっぱりギター・サウンドだと思うのですが、今後もニュー・ウエーブと言われる要素をもっと入れていきたいですか。
T:それは、あるね。次のアルバムには入れていこうと思ってる。16Beatでチキチキみたいな曲も入れようかなとは思ってる。もう3枚目のアルバムに関しては頭の中では出来てるからね。それを曲を作るなりオケを作るなりでやっていくつもりだけど。
―後藤さんの地元は、神戸だそうですね。神戸も音楽的にはハイレベルな場所ですよね。
G:そう。結構地元のライブハウスなんかで活躍していた連中なんかも含めて、割と関西意識みたいなものがあったかもしれない。だけど、そういう意味では土地に根付いたサウンドもひょっとしたらあったかもしれないな。自分は別に土地柄とか、歌詞にしてもメッセージ色に重きを置くという風にはあまり考えていなかったので、土地柄という意識はあまりないかな。
―影響を受けたアーティストでブライアン・メイとあるのですが、そういうタイプの曲をトライしてみようかというのはあるのですか。
G:うーん。なんて言うんだろう、自分が子供の時から影響を受けてきたもの全てがZYYGで今やっているものでもないし、かと言って自分のエッセンスのないところを絞り出してZYYGをやっているわけでもない。ZYYGで今やっているのは自分の一部でしかないんじゃないかって考えてる。個人的に好きなアーティストは4人それぞれいると思うけど、それを120%主張する場ではないと思うんで、そういう意味ではZYYGというものに準じた形でみんなやっているんじゃないかな。
―加藤さんと藤本さんの経歴を見ると、これはあえてこういうアーティストの名前を挙げているのかもしれないんですけど、割と多肢にわたっていますね。
加藤直樹(以下K):そうですね、一応自分の原点はビートルズが最初なので。で、ベースを弾きたいなと思ったのがポールなんですね。
―というと、メロディアスなものに惹かれているとか。
K:ええ、音色に対しても、ロックとはいえ違うタッチというか。
G:ZYYGのアレンジの中でベース・ラインはすごくはっきりしたメロディが多いと思う。
K:特にこのフレーズをここで入れたいとかはないんですけど、自然にそうなってしまいますね。あとあまり行き過ぎるとやっぱりそれ違うんじゃないって、リハーサルでもみんなで色々言い合って進めていますね。
―藤本さんのドラムってすごい正確だなと思うんですけど、フェバリット・ドラマーは誰ですか。
藤本健一(以下F):そうですね。インテリっぽさとかはジェフ・ポーカロから学んで、ロックっぽさはジョン・ボーナム絡みたいな、一応自分の中でジャンル分けはしてます。
―今回のアルバムには新旧含めてとても幅広い音楽性が入ってますね。例えば6曲目の「Dreamer」は、“あっこれはすごくイギリス的だな”と感じたのですが。
T:ああ、なるほど。「Dreamer」に関しては、後藤のデモの段階からイントロのギターのリフとかは、もう固まってたんだ。それで後の曲はああやろうよ、こうやろうよってやってたけど、「Dreamer」は何かイントロの部分がムチャクチャ頭に残ってしまって、それはそのまま生かした。
―この曲にはエピソードがあるんですよね。
T:そうだね。
―結構、高山、後藤両氏の間で意見がぶつかり合ったという。
T:はー(笑)
―ギターのレコーディング中に、高山さんが家に帰ってしまったという。
T:はい。すみませんでした(笑)
―どんなところで意見が合わなかったんですか。
T:ギターの音色。やっぱり後藤はギタリストだから、アンプでディストーションかけてやると考えていたんだろうけど、俺はイギリス系とかをよく聴いてたから、ライン・インで自然な音の感じでいきたかったわけ。まずその部分で意見が分かれた。あとこの曲は詞を読んでもらうとわかるけど、最初すごい悩んだ。頭の部分で”見慣れた街のはずれで、また誰かが消されても他人ごとと瞳そらした”っていう2行、最後の最後まで悩んだ。やっぱりボーカリストとして、アーテイストとして人に伝えていく歌を歌っていきたいっていうのが基本にあるじゃない。それで、ZYYGのファンには高山と同じものを感じて欲しいと思うわけ。だけど、みんながそう思ってしまうのも何だな、と。例えZYYGのファンで高山のファンであっても“俺は瞳をそらさないよ”っていう奴もいると思うし、そういう部分でこういう表現を書いていていいものかどうか、最後まで悩んだ。けど、最終的にはやっぱり基本は自分であって、そこは自分に素直に正直に書いていこうと自分にジャッジを下した。
今回「Dreamer」は曲もそうなんだけど、歌詞も思いが深いね。自分に一番素直な詞だし、本当にZYYGのメンバー4人がそう思っていることを書けたんじゃないかな。アルバム曲で詞を見て、俺はそうじゃないよって思うものもメンバーの中にはあると思うけど、この曲の詞に関しては4人が4人共鳴出来る詞に仕上がったと思うね。
一詞の中の "I have no name"っていう言葉の意味は?
T:夢を追っかけてる奴に名前なんかいらないよっていう。名前がついて縛られるくらいなら、逆に名前なんかいらないよっていう気持ち。
ーアルバム曲の中でメッセージっていうか、思想的な部分が大きい曲ですね。
T:そうだね。多分、高山・後藤コンビで初めてやった曲なんじゃないかな。
―「NO MERIT LOVE」は、ヒップなコーラスの雰囲気にグラム・ロックのテイストがありますね。
T:そうだね、前作の『GO-WILD』はまっすぐでストレートだけど、おもしろさに欠ける部分があった。切羽つまって、ピリピリした中でやってたんだけど、今回はもっと余裕を持ちながら作った。聴いている側も、やっている側も楽しめるアルバムっていうのは、何回聴いても楽しめると思うしね。
ーギター・ソロでオープン・チューニングを使ったらしいですね。
G:ギターのチューニングには通常のレギュラー・チューニングがあって、そのチューニングを変えることによって開放弦でもコードになるっていうのがあるんだ。昔のブルースにはよくある、昔ながらのやり方なんだけど。ま、単にこの楽曲にボトル・ネックがあったかなっていう。あと、楽曲もそうなんだけど、チープなノリっていうかルーズさみたいなのを出したかったんだ。
―「POOR BOY」っていうシャッフル系の曲は、テンポ300なんていう速いバージョンもあったらしいですが。
G:ええ、ちょっと無茶でした(笑)
―「ぜったいに誰も」のカップリングの「最初で最後のLOVE SONG」はトラック・ダウンをもう一度やったそうですね。
T:シングルのカップリングとしては、キーボード系の音数がすごい入ってたけど、アルバムはバックの音数を減らしてギター、ベース、ドラムっていうシンプルな雰囲気にした。
ー「REAL IMITATION」って個人的にはすごく“めんたいロック系”の感じがするんですが。
T:やっぱりどこかに入っているんだろうね。ああいうアプローチの曲は今までZYYGには無かったし、あれを入れることによって、音楽の幅が絶対的に広がったよね。
ー「ECSTASY」という曲は、エディ・コクラン等の古いロックン・ロール・ナンバーをイメージして作ったということですが。
G:基本的に当時のフィフティーズとかってメロディがキャッチーだね。そういうのをうまくいかせればと思ったんだ。自分が当時書いいたデモの時よりも高山が歌い、3人が演奏することによって予想以上の出来上がりになったんで、すごくおもしろかった。
ープレスリーとか聴いたりするんですか。
G:プレスリーに限らずオールディーズは好きで結構聴いてるね。昔、こういったオールディーズのバンドを組んでいたこともあって、レパートリーとしてやったりしてたんだ。
ーそういう幅の広さというのはギター・ワーク全般に現れているような気がしますね。
G:今回のギターのレコーディングに関しては、「ECSTASY」に限らずプリプロの段階から音決めに関してもゆっくり時間を取れた、ギターも10本近く用意して、いろんなアンプだとかエフェクターからじっくりレコーディング出来たと思うよ。
―ギターはレスポール中心?
G:そう。スタジオで実験を色々やったけど、最終的には太い音で録ろうということで、シンプルなレスポールとメサ・ブギー・レクティファイヤーで録りきった。どの曲かは内緒だけど、アルバムの中で一曲だけベーシック・トラックでZO-3ギターを使ったりして、どういった試行錯誤も出来たんで結構満足してる。
―デモは、50曲以上あったということですが。
T:おそらく、100曲以上あったと思う。
―それを選び込むのは、誰が?
G:まず、高山とディレクターが選曲してメンバーが聴いてって感じが基本。
―まず、20曲程度に絞り込んで、ある程度のところまでレコーディングしていくんですよね。
T:そう。
―さらに、レコーディングしていきつつ、最終的に11曲にセレクトしたと。
T:そうだね。
―アレンジは、どんな風に決めていくのですか。
T:週3、4回程、リハーサル・スタジオに入って、その時にある程度固めて、それからスタジオに入ってという感じ。
―そこへ出来た曲を持ち込んで、こういうイメージなんだとやり合う……。
T:そう。メンバーに伝えてそれで徐々に合わせながら、“ここはああやろうこうやろう”とか言いながらやってる。
―キメとか譜割とか細かく出来てますよね。それってすぐにまとまるものですか。
T:まとまる時はまとまるけど、まとまらない時はまとまらないという……。ただ、デモの段階で、ある程度は形になるね。
一高山さんのデモはどんな感じなんですか。
T:ドラムとベースとギターを弾いて、キーボードを入れて最後にボーカル。
ーその時の詞は?
T:デタラメ英語(笑)
―今回、後藤さんの曲も多いけれど、高山さんの曲とはちょっと二ユアンスが違うと思うんですが。
G:そうだね。ZYYGでやる曲は、持っていく前に自分である程度選別しちゃうからね。もちろんメロディなりコード進行なりマニアックな書き方もあるんだけど、自分はコンポーザーである前にバンドのギタリストだから、ZYYGでやる以上は4人で音出しして盛り上がれるかどうかを絶対条件として曲を持って行ってる。
―そうすると、いろいろ曲があってその中から何曲かZYYGに持っていくという感じ?
G::とりあえず、高山が歌うということを前提にした曲であるということと、ドラムとベースの存在感がきちんと出ているもの。高山が気持ち良くシャウトできるかとか、あと重複するけど自分がギタリストとして気持ち良く盛り上がれるかどうかチョイスしてるね。
ーライブを想定して、今回のアルバムを作ったというのはあるんですか。
T:それはあるね。ZYYGはメンバーみんなそうだと思うけど、ボーカルならボーカルでブースの中に入って孤独になりがちなところを、目の前にお客がいるって想定して歌ってるからね。だから俺はブースの中でじっとして歌っているということはまずない。なにかしら動いて歌っている。足でリズムとってる所が入っちゃったり、何か変な音が入ってるって指摘されることも多いけど。それくらいエキサイトしてしコーディングしてるんだ。
―その時は当然マイクは設置してあるんですよね。
T:もちろん。
―寄り引きの感じとか難しくないですか。
T:自分でやっちゃうからね。ボーカルのばしている所とかは。自分からマイクから離れていっちゃうとか。今は徐々にボーカルの音を機械で落としていくっていうことは出来るみたいだけど、ただどうしてもクセというかライブで育ってきたんで離した感じを自分で出しちゃうな。
―高山さんの歌い方は、僕はファースト・シングルの印象がすごく強いのですが、あれは上京してすぐですか?
T:そう、あれはすぐ。
―2作目からはわりとコントロールして歌ってる気がするけれど、このアルバムではまた全然違った感じもありますね。
T:バンドなのに歌だけあればいいとか、ボーカルだけカッコよければいいとか、そういうのが俺すごく嫌いなのね。で、ちゃんと楽器隊に打ち解けているような歌い方をしたいわけ。だから歌い方のバリエーションは多いよ。あと、今回日本語の発音は気を付けたね。前回は日本語をすごくはっきりと歌ってたけど、今回はそれを崩してでも歌った。
一詞の言葉も、当然自分が歌う状況を想定して選ぶんですよね。
T:そう。
一日本語の詞ってどうしてもメロディの中で制限される部分はあると思うんですが。
T:自分の中でそれはないな。曲と詞を同時に書いていくというタイプじゃないし。まず、曲を仕上げてからというタイプだからね。
一詞や曲作りの時の自分にあったシュチュエーションは?
T:部屋に閉じこもって自分の世界を作ってしまうタイプ。
―高山さんが書いている曲はすごいキャッチーじゃないですか。そういうのは狙っているんですか。
T:サビらしいサビを作るっていうのはある程度心掛けてるけど、それは自然に出てくるものだからね。
一詞の世界は男と女の詞が多くて、世の中に対するメッセージぽい曲は比較的少ないですよね。
T:そうだね。ただ1995年という年は、日本の歴史の中でも代表的なほど色々な事があったし、そういったものを取り上げようかなっていうのは頭の中にはあった。
ーデビュー以来、ずっと男らしい部分を強く打ち出してきた高山さんがシングル「JULIA」では男の弱い部分も素直に出せるようになたそうですね。
T:今まで、ある意味で演じていた部分があったけど、もうそういうのをとっぱらって素直に自分の気持ちというのを歌っていきたいんだよね。そのことの方が自分自身に後悔がないじゃない。じゃあ、今までは後悔があるのかと言えばそうじゃないけど・・・・・・。
一男って弱さをさらけ出すことってしにくいじゃないですか。
T:まぁ、ね。いつか人生の中でJULIAのような奴と巡り会うんじゃないかと。それが愛かな、と思うね。
一早速、次のビデオを作るんですよね。今回はどんな感じのを?
T:出来ればヘリを飛ばしたいんだけど。難しいみたいなんで、とりあえずアルバムの曲に関しては広いイメージがあるんだ。だからそういう場所を探すなり、広いか高いかどっちかで撮影したいね。例えば壊れかけの工場の屋上に登ってそれを撮ったりとかそういうのがいい。夢に出てくるんだ、そのシュチュエーションが。だからベットの側にメモ帳を置いて、目が覚めると書いたりとか。
―どんな夢なのですか。
T:そのまま。メンバー全員が出てきて、いつもやるカメラマンとかスタッフもいて、“ハイ、じゃあテストいきます”みたいな感じでやってるシーン。夢の中でも仕事に手抜きが出来ないタイプなんでね。プロデューサーとか出てきたり……それでメンバーが家に泊まると“昨日唸ってたよ”とか言われて。やはり何につけても仕事があるんだろうね(笑)
ービジュアル面ですが、アルバムのインナー写真だと、割とモッズ系を感じるのですが、意識しているのですか。
T:基本的には、ね。デビュー当時は髪を下ろして、ノー・メイクでやってたんだけど、アマチュアの頃は結構こういうのだったしね。逆毛立ててメイクしてって感じで。
―ビジュアルって割と高飛車な感じを出そうとしてるようですけれど。
T:いや、謙虚ですよZYYGは(笑)。バンドを組んだ時に最初こういうバンドになりたいっていって組むわけじゃない? 女の子にモテたいとか。その中で自分達が一番影響を受けたそういうアーティストになりたいっていう気持ちは、やっぱりあるよね。その人達に追い付け追い越せって感じで。
―僕なんかはファンの一員としてこうなったからにはどこまでも高飛車な感じでいって欲しいなと。
T:個人的には、自身過剰な奴だから。思っていることを口に出さないと気が済まないし、スタッフには迷惑かけてると思う。
ーライブはいつ頃ですか。
T:3月か4月か……。とりあえず、1本目は地元福岡から始めたいね。
―CDでZYYGのファンになった人とライブで展開していく中で増えていくファンがいたりして、アーティストとしてどちらもファンであることには変わりないのですが、ファンに言いたいことはありますか。
T:俺達って『GO-WILD』のイメージが強いし、「君が欲しくてたまらない」のイメージが凄くあると思うんだ。で、そのギャップというのもあるだろうし、昔のことをほじくり返すんじゃなく、一切とっぱらった上で、単純に『Noizy Beat』というアルバムを純真な気持ちで聴いて欲しいね。もし気に入れば、ライブに来て欲しいし、気に入らなければ友達にあげちゃってもいいし。とりあえず、一番新しい今のZYYGに触れて欲しいね。
そう、そう言えばやっと自分の座右の銘ができた。今年は「不言実行」でいこうかな、と。今までは口が先行型だったからね(笑)
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