SARD UNDERGROUND 『LIVE TOUR 2022[in the twilight]』ライブレポート @Zepp Haneda 2022.10.23
SARD UNDERGROUND LIVE TOUR 2022[in the twilight]が、10/10 Zepp Namba、10/23 Zepp Hanedaで開催された。ワンマンとしてはおよそ一年ぶりとなった待望の2DAYS LIVEより、ソールドアウトとなった東京公演をレポートした!
開演18時。ブルーライトに染まったステージに、待ちに待ったライブへの胸の高まりを表すかのようなSEが流れ、まずはサポートメンバーの岩井勇一郎(Gt.)、車谷啓介(Dr.)が姿を現した。拍手のボリュームがどんどん増す中、坂本ひろ美(Key.)、杉岡泉美(Ba.)が登場。最後に、神野友亜(Vo.)が颯爽とステージ中央へ。ワン・トゥー・スリー・フォー!! 激しいドラムの4カウントを合図に、サビ頭始まりの「花火よ燃え尽きて海に舞い上がれ!」で華々しくライブの幕が上がった。1曲目からハンドマイクの神野は、自分の内側から湧き上がる情熱を、言葉数の多い歌詞へ注ぎ込むかのようにアグレッシブに歌いこなす。サビで聴かせた杉岡との掛け合いヴォーカルもバッチリ! 始まった瞬間、スタンディングになって手拍子を送るオーディエンスのテンションもハイパーだ。続く2曲目はアルバム同様の曲順で「擦り傷だらけの純情」。ニューアルバム『日の名残り』(9/14発売)の序盤を飾る、小澤正澄作曲によるこの2曲は、期待通りライブでも大きな存在感を放っていた。
「皆さんこんばんは、SARD UNDERGROUNDです。」
第一声の後、各自、自分の名前を名乗った後に「よろしくお願いします。」と言って丁寧に頭を下げる姿は、デビューから3年経っても変わらない3人の謙虚さを感じさせる。
「大阪から少し時間が経ちましたが、東京の皆さん元気ですか? ありがたいことに毎年ライブツアーを開催させていただいて、皆さんにお会いできて本当に嬉しいです。今日は最後まで是非楽しんでいってください。」(神野)
MCの後はライブ初披露となる2曲、イントロ、間奏、エンディングと、坂本の快活なピアノソロが際立った「世界はきっと未来の中」からノンストップで「IN MY ARMS TONIGHT」を披露。続いて、杉岡のどっしりと太いベースがヴォーカルを押し上げ、切ない心理情景をより色濃く描き出した「もう少し あと少し・・・」へ。この曲は2019年以来久しぶりのライブ演奏となったが、息のピッタリと合ったバンドサウンドがその成長ぶりを如実に物語っていた。さらに、清涼感溢れるサウンドと伸びやかな歌声が会場いっぱいに広がった「揺れる想い」まで、ZARDのカバーを4曲続けて堂々と披露した。ステージ背景には、時折美しいシャドーライティング(影絵を投影したような)が施されたり、色とりどりのサーチライトが交錯するなど、演奏と呼応するように変化していく照明にも心を揺さぶられた。
「私達はZARDさんのトリビュートバンドとしてデビューして先月(9月)で3周年になりました。あっという間でしたけど、今もこうやってZARDさんの楽曲を演奏させていただけることが心から幸せです。いつも応援してくださっている皆さんのおかげだと思っています。本当にありがとうございます。
活動を続けるにつれ、ZARDさんの楽曲や、坂井泉水さんの魅力をもっと深く知って、いまだにどんどん好きになっているので、これからも演奏していけたらなと思っています。」(神野)
最年少ながらバンドを引っ張っていくセンター然としたしっかり者の神野は、歌だけではなくMCでも自分の想いを真っ直ぐに伝えられる人だ。また話しかけてすぐに、スタンディングのままだった観客に向かって「座ってくださいね。」と気遣いの一言をかける人柄にも好感が持てる。
ZARD/坂井泉水への感謝の思いを真摯に語った後、坂井が遺したフルサイズの詞に曲をつけてSARD UNDERGROUNDのオリジナル作品として発表した「これからの君に乾杯」(2nd Sg)、「少しづつ 少しづつ」(1st Sg)、そして神野の作詞でリリースした最初のシングル「ブラックコーヒー」(3rd Sg)の3曲を披露した。
生き生きと演奏するメンバー3人の様子を見つめながら、およそ一年前のワンマンライブで彼女たちの成長ぶりに驚かされたことを思い出していた。あれから様々な経験を経て、各自がさらにスキルを上げたのは誰の耳にも疑う余地がない。しかし、単純に歌唱力や演奏力が上がったということだけではない、一年前とは明らかに違って聴こえるグルーブ感や心に刺さる音像は、バンド間の絶大な結束力がもたらしているものなのだろう。とりわけヴォーカルの神野は、バンドが織りなすサウンドに解き放たれるかのように伸び伸びと表現力豊かな歌声を響かせている。それは次の曲、ZARDの壮大なバラードナンバー「永遠」でも浮き彫りに。絶対的信頼を寄せるサポートメンバー2人と共に歌と演奏が渾然一体となり、感情に訴えかける素晴らしいサウンドスケープを描き出した。
「先月リリースした『日の名残り』というアルバムは、オールシーズン聴いていただける作品に仕上がったかなと思っているんですけど、今の季節は“秋”ということで、ちょっと秋のお話しましょう!」(神野)
「秋と言えば?!ってやつですね!」(杉岡)
という流れでしばしリラックスムードの中、秋をテーマにMCを展開。
ちなみに坂本は「秋と言えば、梨、柿、いちじく等、“果物”。」と回答。
杉岡は「“お芋(さつまいも)”。アイス等、この時期はさつまいも系のスイーツがメッチャ美味しくて、オススメです。」とコメントした。
そして神野は「秋は一番色鮮やかな季節。オレンジが好きなので、紅葉とか、一人旅で見に行きたい!」と話した。
そして、 「次の曲は結構秋向きかなと思っていて……、今こうやって大変な状況の中で皆さんに気軽に会えなかったり、声を出せなかったりすると思うんですけど、そういう中でも起こること全てに意味があると信じて、明日を前向きに見つめられるような、心のそばにいられるような楽曲になればいいなと思って作詞をしました。皆さんの人生が愛に満ちた物語であるように、願いを込めて歌います。」(神野)
そう言って披露したのは『日の名残り』からのミディアムチューン「恋が待ち伏せしてた午後」。サビでは神野の扇動のもと、満場がリズムに合わせて手を横に振り、より一層の一体感を高めていった。
さぁここから後半に向けてギアチェンジ! 古き良き懐かしいメロディがクセになるアップナンバー「君には敵わない」でテンションを上げると、続くキュートでカラフルなポップチューン「イチゴジャム」では、神野がステージを右へ左へ移動。杉岡と背中を合わせポージングを決めたかと思えば、お次は坂本にグッと体を寄せながら歌うなど、これまでには見られなかったアグレッシブなアクトで沸かせた。その勢いのまま最新シングル「空っぽの心」へ。オリコンチャート6位をマークした今作は、この夏約30本開催したインストアイベントで全国各地のファンと絆を深めた特別な一曲。ブレイクを取り入れたメリハリを効かせたロックチューンで一段とボルテージを上げていった。
そして、「こんなにそばに居るのに」「I’m in love」「愛が見えない」と、後半戦のこのタイミングでライブ初披露となるZARDのロックフィーリング溢れる3曲を連投するとは! 予測を超えるセットリストにファンの興奮が伝わってくる。また、メンバーにギタリストがいないこともあってか、坂本のキーボードソロが多く登場するのもこのバンドの特徴だが、昨年までの温かく優雅なイメージに加え、力強いタッチや勢いあるグリッサンド等プレイの幅が広がったことにより、見事鮮やかなキーボードソロを聴かせてくれた。
且つ、杉岡の進化も見逃せない。休止符もしっかり体感しながら安定したリズムを貫き、ドラムの車谷と共にバンドの土台をがっしりと支えている。トークでは天然キャラのかわいいイメージが強い彼女だが、ベーシストとしてはクールに難しいフレーズも弾きこなしてしまう。彼女のポテンシャルの高さも今回のステージでは強く印象付けられた。
本編ラストは、ド頭のアカペラ歌唱が心をグッと掴んで離さない「マイ フレンド」、そして多くの人の心を勇気づけ癒し続けている「負けないで」。ZARDを代表する名作2曲を精一杯に届けて、笑顔溢れるエンディングを迎えた。
鳴り止まない盛大な手拍子に応え、ツアーTシャツに着替えて再び登場し届けたアンコール1曲目は、ZARDのミディアムバラード「遠い日のNostalgia」。感情の機微を乗せたリリカルなヴォーカルが場内にいっぱいに広がった。こうしたアルバムからの隠れた名曲もZARDにはまだまだたくさんある。ぜひ彼女たちと同世代のリスナーに知ってもらうためにも、これからも歌い継いでほしい。
「アンコールありがとうございます。大変な状況が続いておりますが、こうして皆さんにお会いできて胸がいっぱいです。皆さん来てくださって今日は本当にありがとうございます。スタッフの皆さんにも感謝したいと思います。これからもSARD UNDERGROUNDで皆さんの心に寄り添えるような音楽を届けていけたらなと思います。応援よろしくお願いします。」(神野)
サポートメンバー紹介、ツアーグッズ紹介が行われ、そしてとうとうこの日のラストナンバー「Don’t you see!」へ。神野と共にサビ頭の「♪Don’t you see!」で腕を突き出すポーズを重ねたり、体全体でリズムを取ったり、手が赤くなるほど大きな手拍子を送ったり、思い残すことがないようにこの瞬間を楽しんでいる客席の様子はなんとも爽快! ライブの根本的な魅力を再確認させられるラストシーンとなった。
ライブ後は再びサポートメンバーを紹介し、観客と共に温かく見送った後、メンバー3人でステージの上手、下手、センターへと移動しながら手を振り、お辞儀を何度もしながら感謝を伝えて、およそ2時間のライブは幕を閉じた。
今回は、ニューアルバム『日の名残り』からの曲も含めライブ初披露の楽曲が多かったのも、大きな見所の一つとなった。そんな中、『日の名残り』を制作するそもそものきっかけとなったオリジナルのクリスマス・ソング「クリスマスケーキ」は、まだ少し時期が早いということで今回は披露されなかったが、12月25日に配信ライブが予定されていて、そこで初お披露目をする計画があるという。
年間行事ごとにイベントを開催し、ファンと思い出を重ねていきたいと、この夏のFCイベントで語っていた3人。有言実行となる今年のクリスマスは、一体どんな音楽のプレゼント届けてくれるのか? 楽しみにその時を待ちたい。
SARD UNDERGROUND 『LIVE TOUR 2022[in the twilight]」を振り返って独占取材!!!
@ 『Café NoHo』
ライブツアー終演からおよそ一ヶ月。今年も残り僅か、まさしく「日の名残り」を肌で感じる時節となった11月16日。
「行ってみたかったんです〜!」と、メンバーが以前より気になっていたという、今年8月にオープンしたばかりの『Café NoHo』(https://cafe-noho.com/)に集まってもらい、3度目となったライブツアーの感想や、2022年を振り返って、さらに来年に向けての展望など、お茶しながらゆったりとお話を伺ってきました!
こちらの特集を読みたい方は、以下のページにアクセスしてください。
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